【経験談】博士課程進学(D進)をたった1度だけ後悔した理由

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博士課程

こんにちは。小心者ハカセのただなおです。

D進するか悩む…ぜったい後悔したくないなぁ…

D進した人に、実際に後悔したことはないのか、聞いてみたいな…

今回は、こんな声にお応えします!

D進か就職か。だれしも、博士課程に進学(D進)してから「就職していればよかった」と後悔したくないものです。

実際、これまで多くの後輩たちに「博士後期課程に進学して後悔したことはあるか?」と聞かれました。

で、記事タイトルにもあるように、私は実は1度だけあります、D進を後悔したこと

ただ言い方を変えれば、その1回以外で後悔したことは全くない、とも言えます。

今回は「D進して後悔したこと」というテーマで

  • 私自身が唯一D進を後悔したことは何か
  • 逆に、それ以外で後悔したことがないのはなぜか

という2つの観点からお話ししたいと思います。

この記事を読むことで下記のメリットが得られます。

記事を読むと得られるもの
  • 博士課程の経験者が実際に後悔したことがわかる
  • D進か就職かで後悔ない選択をするために気をつけるポイントがわかる

悩める大学院生にとって少しでも参考になれば、と思います。

では行きましょう。

私が唯一D進を後悔したときの話 

結論は、就職活動でうつ状態になったD2の冬にD進を後悔しました

過度な焦りやプレッシャーで精神的に参ってしまったときに

「あぁ、修士課程で内定辞退しなければこんな辛い思いしなくてよかったのに…」

となりました。それも、かなり深刻に。

とはいうものの、うつ状態になったのは私のスケジュール管理不足や無駄なプライドがあったことが問題で、ある意味、自業自得でした。

自分の研究分野は博士人材の採用枠も多かったので、頼れるものを頼って計画的に就活すれば病むこともなかったと思います。

私が就活でツラい思いをしたくわしい経緯については、下の記事で話しています。ぜひ反面教師にしてみてください。
>>【ツラかった博士就活】うつ寸前になるまでの経緯と7つのアドバイス

博士修了後の就活が不安な人がやるべきこと

もし、博士を修了した後の就職活動が不安でD進をためらっている人がいるなら、D進を決める前にその不安を解消しておくべきです。

具体的に何をすればいいかというと「自分の研究分野における博士人材の採用状況をおさえる」といことです。

ネットでは、よく「博士の就活は採用数が少なくて大変」といわれていますが、正直それは分野によります。

自分とは全く違う分野の人の情報に下手に踊らされてはいけません。

まずは自分の専門分野の就活実態をつかみましょう。

くわしい方法は、下記の記事を参考ください。
>>【博士の就活が不利な理由】D進を悩む学生が今すぐやるべき4つのこと

研究活動の中でD進を後悔したことはない

ということで、私は唯一、就活をしていたD2の冬に一度だけ博士課程に進学したことを後悔しました。

ですが逆に言えば、後悔はそれっきり、ともいえます。

「後悔したこと」について語れるのはここまでです…

就職活動以外、つまり、研究活動のなかでD進を後悔したことは一度もありませんでした。

後悔したことがないなら、ないなりの理由があるはずです。

それはそれでちゃんと言語化すれば、「D進を後悔しないために大切な視点」として読者の皆さんにとって価値あるものになるかなと。

これまでとくに言語化したことはなかったですが、あえて今回は整理しました。

この先の内容を読むことで、「D進を後悔しないために気を付けるべきポイント」が分かると思います。

研究活動の中でD進を後悔しなかった8つの理由

私が研究活動の中でD進を後悔しなかった理由は、大きく8つあります。

で、理由によってかなり重要度が違うので、今回はランキング形式でお伝えします。

まずは結論からお見せしましょう。

研究活動の中でD進を後悔しなかった理由
  1. 実験しているだけで最高だった
  2. お金の心配が小さかった
  3. 就職した同期への羨望がなかった
  4. 先生との信頼関係があった
  5. D1になる時点で業績があった
  6. 論文を出せる謎の自信があった
  7. 研究資金があった
  8. 息抜きがうまいことできていた

一つずつ説明していきます。

1位.実験しているだけで最高だった

実験がただただ楽しかった。実験しているだけで満たされていた。だから、後悔することがなかった。

シンプルですけど、もう、この理由がとても大きいです。

実験はまるで遊びのようで、暇さえあれば土日でも実験していたくらいです。

もちろん研究は実験だけじゃないので、苦手な国際学会発表とかは大変でした。毎度めちゃ緊張しましたし。

解析や論文の考察に行き詰まり、何日も頭を抱えた時もたしかにありました。

ただそれ以上に、実験で創意工夫できる悦びが大きかった、ということです。

きっと実験にそこまで面白さを感じていなければ、これまでぶつかってきた壁のどこかで折れていたと思います。

参考:平凡な学生が博士進学するほどに研究が楽しくなった7つの理由

2位.お金の心配が小さかった

博士課程でのお金の心配が小さかったのも大きな理由です。

私はそこまで物欲がなく、支出は月14~16万とかでした。

収入については下記の通り。

D1:貸与型奨学金(月8万)+RA・TA(月約12万)の月約20万

D2以降:学振(DC2)に採用されたので月20万

D1の時のRA・TAについては、実態は普段の研究をしているだけで給与をいただけたので、負担は実質ゼロ。

貸与型奨学金については実質借金だからできるなら避けたかったですけど、学振DC1に落ちたので甘んじて受け入れました。

D2夏には当時すでに社会人だった現妻と結婚したので、収支はさらに楽になりました。
(参考:【経験談】私が博士で学生結婚を決めたタイミングと4つの理由

いずれにしても、ありがたいことにずっと収入>支出だったのでとくにお金が不安になることはありませんでした。

3位.就職した同期への羨望がなかった

就職した元同期が多くの給料をもらっていることに対して何も思わないんですか?

これもよく後輩に聞かれました。

答えは 「全くない」です(笑)

この理由は4つあると思っています。

1:SNSをやっていなかったのでキラキラ情報が目に入らなかった

2:研究に夢中だったので、就職した人がどんな生活を送っているか気になることすらなかった

3:物欲がそこまでなく、学生時代の質素な生活でも特に不満はなかった

4:学会で出会った博士の先輩・同期とのコミュニティのおかげで研究に切磋琢磨できていた

この4つの理由で、 就職した同期に対する羨ましさや引け目は、全くと言っていいほどありませんでした。

ラボの元同期とは仲が良くて、博士在学中にも何度か飲み会してました

4位.先生との信頼関係があった

ラボの教授と信頼関係を築けていたのも大きいと思います。

博士号取得においては、修士課程以上に教授のサポートが必要です。2人3脚といってもいいでしょう

より密に連絡を取り合うことになる教授との関係にストレスを感じていたとしたら、博士修了はしんどかったと思います。

私の場合、D進するまでも、してからも、公私についてたくさん話をさせていただく中で、人としても研究者としても、教授を尊敬するようになっていました。

教授はハラスメント的なところもケアされており、無謀なタスクや放任を食らったことも記憶にありません。

研究で行き詰まった時は、教授に相談することで不安感が軽減されたことも何度もありました。

一番身近な教授を尊敬し、良好な関係性だったのでストレスが小さかったのだと思います。

5位.D1になる時点で業績があった

D1に進級する時点で、すでに成果をあげられていたことも大きいです。

私は運良くM1の時点で論文を1本投稿できていました。ついでにM2に投稿した2本の論文がD1の早い段階で受理されました。

博士号の取得要件が論文投稿3本だったので、博士課程ではかなり心の余裕を持てていました。

(2本目と3本目は似ていたので、実質は2本ともいえますが…)

博士課程の修了には論文投稿がマストだったので、業績ゼロ状態が続いていたとしたら、気の小さい私はきっと精神的に病んでいたでしょう。

早い時期の成果があったために、業績に対しての焦りはほぼなく、ストレスフリーで研究に打ち込めていたのだと思います。

6位.論文を出せる謎の自信があった

博士論文としての体裁をなすためには、理想的には博士でもう2本論文を投稿する必要がありました。

それも修士までの研究を発展させた、難易度高めのテーマ。

残り約2年で2本。結構シビアでしたが、なんでか「多分いけるやろ」と謎の自信があったことも大きいです。

これには2つの要因があると思っています。

1つ目は、単純に3本も出せたんだから、まぁ次も通せるだろうという明確な根拠のない自信ですね。

きっと、「論文を通す」ということの全体像をつかめていて、要領が分かっていたことが大きかったのでしょう。

なにごとも、経験に勝る知識なし、ですね

2つ目が、学振(DC1やDC2)の申請書を作成していたおかげで、博士課程の研究計画や論文執筆のマイルストーンに見通しを持てていたことです。

研究目的やアウトプットの内容を早い段階で吟味できていたので、博士課程中にテーマを根本的に見直すみたいなことにはなりませんでした。 

この2つの理由で、結果が出ない時期が続いても比較的ポジティブに日々を過ごせていました。

7位.研究資金があった

忘れちゃいけないのが、研究資金の面。

もうこれは教授に大感謝しかありません。

学生の私が自由に実験を楽しめていたのは、教授がお金を取ってくれていたからです。

研究資金がないために「やりたい実験ができない」とストレスを抱えていたら、多くのところで頭を抱えていたと思います。

8位.息抜きがうまくできていた

当初はあまり意識していませんでしたが、振り返ればほどよく息抜きができていたのが良かったと思います。

私の場合、在学中結婚した現妻と土日には積極的に出かけていましたし、大型連休の時は旅行にも行っていました。

あと、ラボの後輩にも恵まれ、グチを言い合える数少ない博士の同期が同じ研究科にいたことも大きかったと思います。

ラボにこもりっぱなしでリフレッシュできていなかったり、グチを誰にも吐き出せなかったとしたら、私はどこかで潰れていたと思います。

やっぱりもつべきは良好な人間関係だとひしひしと感じます。

まとめ

この記事では、私がD進して唯一後悔したことと、逆にそれ以外で後悔がなかった理由についてお話しました。

最後にまとめますね。

記事のまとめ

D進を後悔したこと
D2冬の就職活動で精神的に病んでしまい、修士で内定辞退したことを後悔した

就活以外の研究活動で後悔しなかった理由
1位:実験しているだけで最高だった
2位:お金の心配が小さかった
3位:就職した同期への羨望がなかった
4位:先生との信頼関係があった
5位:D1になる時点で業績があった
6位:論文を出せる謎の自信があった
7位:研究資金があった
8位:息抜きがうまくできていた 

以上になります。

D進か就活か迷っている人の多くは学振と就活を並行してやることになるでしょうが、これまたかなり大変です。

以下の記事では、学振準備と就活を両立させるコツを解説していますので、良ければ参考ください。
>>【D進に悩む修士へ】学振(DC1)申請書作成と就活を両立するコツ

この記事がD進を悩んでいる大学院生に何かしらの役に立てば幸いです。ではでは。

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