自然農法でビジネス展開する社長さんを訪問してきた

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自然農

こんにちは。

今回は、タイトルの通り、自然農法でビジネス展開する社長さんとお話しさせてもらえる機会をいただきました。

今年になって家庭菜園を始めてから「自然農をもっと知りたい!」と思って色んな人と会っていく中で、この社長さんのことを教えていただいたことがきっかけでした。

その会社HPで、社長さんの脱サラから自然農による野菜栽培スタート~現在までの経緯が、熱いパッションやビジョンと共に書かれているのに感銘し

ぜひともお会いしたいと思って連絡先を教えてもらいました。

ここ1、2か月ほどで、急速に自然農法に興味を持ち始めた自分にはまだ見えていない自然農の意義を知れるチャンスだとばかりに、いろいろとお話を伺ってきました。

自然農の意義

伺ったのは、15年前に社長さんが脱サラして初めて開墾したメインファーム。

畑横の事務所や、畑を見学させてもらいながら、自然農の意義や可能性について色々と話を伺いました。

自然農の技術的なお話もさることながら、特に印象に残ったお話が2つありました。

健康につながる自然農

先日の菌ちゃん先生にも教えてもらった「健康におよぼす微生物の重要性」。

ココの社長さんも力を込めてお話しくださりました。

私たち人間の、とくに腸内細菌と健康状態は密接にかかわっていて、腸内細菌が少ないと、アレルギーや特定の障害などの一因になりうると言われています。

畑や山や川や海といった自然環境から離れがちな現代人の生活。

なかなか微生物を取り込む機会が少なく、そもそもおなかの腸内細菌は少なくなりがちに。

また畑では、農薬を使ってしまうと9割の微生物が死滅してしまうそうです。

逆に、自然農法をおこな畑には、多様な微生物が無数に生息しています。

深呼吸するだけで実に6~10億モノ微生物が体内に取り込まれるそうです。

自然農法で作られた野菜を食べたり、自然農の畑作業を日常的に行ったりすることで腸内細菌は増え得る、ということですね。

それから、これは自然農に限りませんが、農作業は屋外で太陽を浴びながらの軽運動。

現代人に不足しがちな”日光浴”&”運動”をルーティンにできるという点だけでも、おおきな意義がありそうです。

私自身、今年から畑を借りて家庭菜園を始めましたが、その農作業が何とも心地よいんです。

太陽を浴びながら土に触れ、鍬をふることが、想像以上に気持ち良いんですよね。

社長さんは、心を病んでいた人が、自然農の畑で過ごすうちにとても元気になっていく人を何度も見てきたそうです。

農福連携

農福連携とは、その名の通り、福祉に農業を取り入れた事業のことです。

社長さんは長らく障がい者の就労支援にも携わっており、精神疾患や障害のある方の働く場所を提供しています。

近年は、障がい者だけでなく、老人の方の病気・介護予防として農福連携の事業をされているそう。

介護予防のためにデイサービスに通うご老人の方向けに、畑での農作業で体を動かしてもらう。

さらに自然農でとれた無農薬でおいしい野菜を友達と談笑しながら食べる。

運動面と栄養面と、そして、人とのつながりにより感じられる幸福感。

とくに自然農の場合は畑にも作物にも微生物がたくさんいるわけなので、腸内細菌の状態もよくなります。

医療の専門家とも連携し、その知識に深い社長さん。

医療業界のなかでは自然農法を軸とした予防ケアが注目されているんだよ、と教えてくれました。

”排除なき農”を目指したい

メインファームの畑見学&お話を終えたあとは、別の畑(農福(医)連携のための自然農園)に移動し、より深いお話をしていただきました。

印象に残ったお話が2つ。

一つ目が、自然農による野菜作りを通じて社長さんが大切にしている想いについてです。

社長さんは「”排除のない農”を目指したいんだ」と表現されていました。

今の農業では、農薬で微生物や虫を排除し、いびつな形をした野菜はほとんどが廃棄される。

でも、いびつな野菜もきれいな見た目の野菜も、じつは味は変わらない。

なのに、人間の都合で勝手に決めた枠からはみ出ただけで、ピンと跳ねられ、排除されてしまう。

虫も微生物も、都合が悪いからという理由で、殺されてしまう。

「そして、これと同じようなことが、実は人間社会でも起きているよね」と社長さん。

例えば、発達障害の子。

同じ人間なのに、周りと異なる振る舞いをすることが理由で別の学級に移されることがある。

いろんな背景があるだろうけど、都合で決められた枠に入るか入らないかで棲み分けられている。

それが当たり前だから、どうも障害を持つ人が生きづらさを感じてしまう社会になってしまっていると思うんだ、と。

”農”における野菜も虫も微生物、そして”社会”における人間も同じ。

みんなそれぞれの個性を持っているだけ。

誰かの勝手な都合で境界線を作っているから、生きづらい人が生まれてる。

自然農法では虫も微生物も野菜も、ちゃんとそれぞれには役割がある大前提としていて、皆の個性が調和し、全体としてバランスを保つ姿を目指すんだそう。

社長さんは

自然農法が考える”個性の調和”を人間社会でも実現できたら、みんなもっと生きやすくなるよね。そんな社会を作りたいんだ。

とお話しくださいました。

畑選びでたいせつなこと

印象に残ったお話、2つ目は、図々しく、自然農に適した畑の選びかたはありますか?と伺ってみましたときのお話です(笑)

軽々しく聞いてしまいましたが、しかしそのおかげで、想定外の、でもとても大切な視点を教えていただきました。

いろいろ土の良し悪しは確かにあるんだけども、正直、土質はうまいことやればある程度改善できる。

だから、それ以上に大切だと思うのは

「毎日でも通いたいと思える畑なのかだよ」と。

地域の人柄、風景、気候など含めて、もう毎日でも「行きてぇ、畑作業生きてぇ!」ってなる場所。

なぜって、毎日ここにきて「きもちいい~」とか「楽しい~」と思える畑だと、やっぱ本人が生き生きするよね~。

でさ、そんな気持ちいい場所でワクワクして働く自分の姿に惹かれて、周りに人が集まってくるんだと思うよ~、と。

これを聞いて、「うわぁ、確かに。シンプルだけど凄い本質的な視点だ」と深く納得させられました。

ってか、良きよく考えれば、これってなんでもそうなんかも、って気づきました。

会社選びも、パートナー選びも、コミュニティ探しも…

結局、損得や打算で選ぶより、もっとシンプルに「そこにいて楽しいか、心地よいか」で選んだほうがいいんだろうなって。

自分自身、就職活動で、これまでの専門性を活かせるには…とか、待遇は…とかを重視して会社選びしたけど

結局、自分がしっくりこない仕事内容、人間関係のせいで、心と体のバランス崩したしね。

だからこそ、これからは、もっと直観的に「これおもろそう!」とか「楽しっ!」みたいな無邪気な気持ちで毎日をあふれさせたい!と心に決めたわけで…

>>【やりたいこと探し】自分の価値観がより洗練されたお話

自分はどうしたいのかを考えてみた

今回、お話を聞いて強く思ったことは、人って自分で自分の首を絞めてること、多くない?ってことです。

これまで、人はたくさんの食料を食べたいと思い、農の効率化を図り、土を耕し肥料や農薬をまいてバンバン作物を作ってきた。

でも、その影響で土離れする人がおおくなり、栽培される作物も栄養価が低くなり、人の健康状態にも影響が及んでいる。

個人レベルでは、本来多くの人が自分でつくっていた食材を、お金を払って買うようになり

病気になりやすくなったがために医療費がかかったりと

とにかく生活にお金がかかるようになった。

そして、お金への依存度が増したがために、稼がねばならない、嫌な仕事もやめられない、生きていくために。

生きていくためには、やりたいことをする時間もできない、あぁ苦しい…と。

私自身がまさに、「自分で自分の首をしめる破滅ループ」に見事にハマりました。というか今もハマってます。

人の評価、社会の常識のような「他人の目」や、これまで積み上げてきたキャリアや努力といった「過去」で勝手に自分を縛り、勝手に息苦しくなって、自滅。

もっと無邪気に生きたい!

と自分の本心に気づいてもなお、「いやいやでもお金どうすんの?」と自分で自分を説き伏せ、仕事を辞められず。

でも、自分の場合は、だからこそ、自己破滅ループを抜けだす生き方を探しつづけ、ようやくその答えとなるかもしれない【「買う」暮らしから「つくる」暮らしへのシフト】という希望の光を見出すことができたわけです。

そのファーストステップとして”農”に興味をもち、実際に始めると、自分で作物を作ることやその過程で学びがあることの楽しさ、自然に触れる心地よさに気づかされ、暮らしの自立度が高まり自由な人生に一歩近づけている喜びも感じられました。

最近では、とくに、その自然界の奥深い循環システムに好奇心がくすぐられた「自然農」に強く心惹かれ、やりたい!と心が叫び始めています。

もっといえば、石窯も作ってみんなでピザ作りたいし、とれたて野菜でBBQもしたい。

お米も作って、食料自給率100%にしたい。

無邪気な仲間、みんなで集う家屋も作りたい。

一番身近な「暮らし」を「つくる」ことでお金への依存度を減らせるし、ワクワクもある。

世の中に、そして自分自身に縛られた生き方を開放し、もっと自由に、楽しいことを「楽しい!もっとやりたい!」と無邪気に自由に生きられる人を増やしたい。

障がい者やご老人までのことは考えられていないけど…

でも自分と同じように、常識や過去のキャリアやお金に縛られて、不自由を感じているサラリーマンの悩みなら寄り添うことができるかもしれない。

そのためにも自分自身がまずその不自由の鎖を解き放ち、面白いことを一日中やって、面白いことをちゃんと「おもろい!」と無邪気に味わいながら毎日を生き生きと過ごしたい。

そうして、自分と同じように悩める誰かにも、「無邪気に生きられるんだよ、生きていいんだよ」と示してあげられる存在でありたい。

と、そう思いました。

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