最近読んだ本に、「頑張ることは逃げ」と書いていました。
多分、メンタルダウンする前の、イケイケでギラギラしていた時の僕なら、
???
となっていたと思います。
でもメンタルダウンを経た今の僕は、これを聞いて、「あ………確かにそうかも」と思いました。
一言に「頑張る」ったって、いろんな状況がありますよね。
大学や高校に受かるために、頑張って勉強する、とか
苦手な業務を克服するために、頑張ってスキルアップする、とか、
あとは、本人はただ楽しくて没頭して作業する様子を、人からみたら「頑張っている」と映る、とかもありますよね。
で、会社に入ってメンタルダウンした僕の体験から言えば。
「本当はやりたくないんだけど、自らケツをたたいて奮い立たせる」
というニュアンスで頑張っていた時ってのは、
あぁたしかにあれは「頑張り」に逃げていたのかもしれないなぁ、と妙に納得しました。
なぜならそれは、「本音を言う」という難しい課題を回避して、よりラクな「本音を我慢して頑張る」選択肢を選んでいる、ってことだから。
一般的に「逃げ」という表現って、「困難なことを避ける」っていう状況でつかわれますよね。
・しんどい部活を努力して乗り越えるのではなく、退部しようとするとき
・つらい仕事を自分でどうにか乗り越えようとするのではなく、誰かを頼る
・苦手な仕事がつらくなり、克服するのではなく、会社を休もうとするとき
こんなとき、「あぁ、これは逃げなのかな・・・」と僕は思ってしまいます。
いずれのケースも、困難を乗り越えるのではなく、回避しています。
で、僕が会社でケツをたたいて頑張っていた時って、
「苦手な業務で、本音ではやりたくなかったし、もっと自分が得意なことをやりたかった。
でも、この仕事苦手です。やりたくないです。助けてください。」
と上司や周りに本音を言うことが、とてもじゃないけど怖くていえなかったんです。
なぜって、「いやいや仕事は趣味じゃないからさ」とか「辛いことも乗り越えるべきだ」って叱られたり、
「こんなこともできないのか」とか「仕事ができないやつだな」と周りに思われることか怖かったから。
「やりたくないです、苦手です。助けてください」って本音を言うことって、つまりは自分のダメさや弱さを周りに明かすことですよね。
これが、僕にとってはとてつもないハードルなんです。
で、僕はその困難を乗り越える代わりに、ホンネを我慢して頑張る、という行動を選んできました。
ケツをたたいて頑張っている方が認められやすいし、少なくとも、「ちゃんとやれ」と言われないから。
本音を抑えて頑張った方がラクだった、ということです。
はい。
こんな感じで、僕は「周りに馬鹿にされてても本音に従って生きる」という困難を回避して、よりラクな「本音を抑えて頑張る」ことをしていました。
まさに、「逃げ」と同じ構造ですね。これは。
だから、本の一説をよんで、な納得感があったんですよね。
だから、最近は空気読まずに自分の意思をつらぬく頑固な人とが、人の気持ち考えずずけずけとモノを言う人に対して
この人すげえわ。
と尊敬のまなざしを送ってしまうんだろうなぁ。
周りに嫌われてもいい。できないことはできない。やりたくないことはやらない。やりたいことをやる。
そうやって自分の気持ちに忠実に生きようとしている人、ほんとにすごいと思うようになってきた。
「強がらずに、弱さをさらして生きる」ことをたやすくやってのけているから。
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