菌ちゃん農法をプランターでやる方法が知りたいんだけど…
土とかプランターとか、どんなものがいいの?
この記事では、こんな声にお応えします!
僕は家庭菜園1年目だった2024秋から、愛知県のマンション2階のベランダで菌ちゃん農法のプランター栽培を始めました。
まだ1年目ですが、夏野菜のナスやピーマンがたくさん獲れています^^

この記事では。そんな家庭菜園初心者の僕でもできた菌ちゃんプランターの仕込みについて、初心者目線で解説します^^
本記事では
- プランターによる菌ちゃん農法の土づくりの概要と手順
- 家庭菜園ビギナーの僕が実際に行った土づくりの方法
- その後の経過(糸状菌発生の様子)
を図解付きで、とにかく分かりやすく説明していきます。
この記事は以下のような方の参考になるかと思います。
- 菌ちゃん農法によるプランター栽培に興味がある人
- 菌ちゃん農法をやりたいが畑がない人
- ベランダで野菜づくりをやってみたい人
- 低コストで野菜作りをやってみたい人
ではまいりましょう!
菌ちゃん農法ってそもそもなに?

菌ちゃん農法とは、一般的な野菜づくりで使われる肥料や堆肥の代わりに、枯れ草や落ち葉などの天然有機物を土の中に混ぜこみます。
そうすることで、土の中に「糸状菌」とよばれる微生物(菌ちゃん)を優先的に増やし、そのパワーを借りて野菜を育てる方法なんです。

糸状菌ファーストな農法により、美味しくて元気な健康野菜が、無肥料・無農薬・低コストでつくれるのです。
SNSなどで「初心者でも美味しくて立派な野菜がカンタンに作れた」という口コミが広がり、
いまでは全国でたくさん実践されている野菜づくりなんです。
実際に僕も菌ちゃん農法1年目から、畑でもプランターでも、立派な野菜がとれました!
菌ちゃん農法に関するよりくわしい説明や、メリットデメリットについては別の記事で書いているので、気になる方はご覧ください^^
菌ちゃんプランターってどんなもの?
ではここから、菌ちゃんプランターのお話をしていきますね
まず最初に、「菌ちゃんプランター」とはどんなものなのか、作ろうとしている最終的なプランターの様子を説明していきます。
下の図は、書籍「図解でよくわかる菌ちゃん農法」でも紹介されている菌ちゃんプランターの断面図になります。

深さ30cm以上の大型プランターに鉢底石、土、落ち葉などの有機物を順に入れていき、黒マルチで覆って端をひもで縛りあげて完成です。
この仕込みをして糸状菌が発生するまで2,3ヶ月待ち、その後野菜のタネや苗を植え付けることができます。
鉢底石ってなに?
土はどんな土でもいいの?
落ち葉とかってどんなものがいいの?
…と色々ギモンが浮かびますよね。
大丈夫です、安心してください。以下で順をおって説明していきます!
菌ちゃんプランターの土づくりに必要な準備物
ここではプランターによる菌ちゃん農法の土づくりに必要な準備物を説明します。
菌ちゃんプランターの土づくりに必要なものをリストアップしました。
必須のもの
- プランター
- 鉢底石(もしくは木の枝)
- 土
- 落ち葉などの有機物
- 黒マルチ(ゴミ袋でも代用可)
あればうれしいもの
- カキ殻石灰
- ブルーシート、スコップ、じょうろ
それぞれについて、くわしく説明します。
プランターについて
プランターのサイズ
プランターはなるべく大型で深いものが好ましいです。
なぜなら、土がたっぷりあるほど土壌中の環境(温度や水分量など)が安定しやすく微生物が活動しやすくなるからです。
書籍では、目安として深さ30cm以上が推奨されています。
僕はコーナンにて以下のプランターを購入しました。
・幅69cm × 奥行30.9cm × 深さ38.3cmの菜園プランター
・直径32.5cm × 深さ28cmの10号ポット
プランター以外のもので代用できるか
また、本記事では解説しませんが、プランターの代わりに肥料袋や培養土袋でも菌ちゃん農法をすることもできます。
実際に僕もコーナンで買った20~30L培養土の空袋で土づくりしました。
土づくりのやり方は、以降で説明するプランターでのやり方とは唯一、黒マルチをしない、と言う点だけ異なります。
その一点を除けばほぼ同じなので、この記事ではプランターでの土づくりに限ってお話をしたいと思います。
その他、大きい発泡スチロール容器でもできるかと思います。
鉢底石について
鉢底石とは、下の写真のように鉢やプランターの底に敷き詰める小石のことです。

鉢底石には土中の水を適切に排水したり、プランター底から土に空気を送り込む役目があります。
なので、鉢底石のかわりに木の枝などでも代用できます。
その際は、枝を5~10 cmほどに折り、底から太い枝を敷いていき表層ほど細い枝となるように敷いていきます。
表層ほど細い枝にするのは、土が枝の間をすり抜けて鉢底が目詰まりするのを防ぐためです。
最終的な鉢底石(もしくは木の枝)の高さは5~7 cmほどが推奨されています。
僕の場合、鉢底石はいつもコーナンで購入していますが、アマゾンなどでも簡単に手に入ります。
できるだけ安く済ませたいなら、木の枝を近くの公園や雑木林などで集めるのが良いと思います。
土について
どんな土がよいのか
土は肥料分の入っていない土が理想のようです。
なぜなら、肥料が入っていると糸状菌以外の微生物が優勢となり、肝心の糸状菌による土づくりがすすまなくなるからです。
書籍ではプランター等ですでに1年以上野菜を育てた後の肥料分のぬけた使い古しの土が推奨されています。
もし、そのような使い古しの土がない人は、肥料の入っていない土を用意するのが良いと思います。
以下の土は、肥料の入っていない菌ちゃん農法に適した土として吉田先生も推奨されていました。
僕の場合は、小粒赤玉土と腐葉土を購入して、それらを6:4で配合した無肥料の土をつくったりもしました(その後、糸状菌はちゃんと発生し、イチゴやニンニクが無肥料で育ちました!)
土の容量
土の容量はプランターサイズに応じて異なります。
ほとんどの場合プランターに容量が書かれているので、それを見れば必要な土の量は確認できます。
ざっくりと目安を言えば、一つのプランターにつき20~50 Lかと思います。
ちなみに私が購入した下の65型の大型プランターであれば約45 Lの土が必要です。
落ち葉などの有機物について
どんな有機物がいいのか
落ち葉や枯れ草などは糸状菌のエサとなります。
もみ殻、竹、剪定された枝などもエサとして用いることができます。
いずれにしても炭素成分が多い有機物のほうが糸状菌のエサとして好ましいようです。
書籍「図解でよくわかる菌ちゃん農法」で紹介されている有機物の一例を紹介します。
- 刈り草(イネ科の葉がつんつんと尖って茎がかたい雑草)
- もみがら(半年ほど野ざらしになって湿り気をおびたもの)
- 竹(数か月野ざらしになったものを1~10 cmサイズに砕く)
- 落ち葉(数か月のざらしになったものが理想)
- 木(長さ3~5 cmの木枝やチップ、数か月野ざらしになったものが理想)
※参考書籍:「図解でよくわかる菌ちゃん農法」p.36
好ましい有機物の状態
いずれも長期間野ざらしになって朽ち始めているものが好ましいそうです。
すでに糸状菌がついている有機物をプランターに入れると菌ちゃんが繁殖しやすくなります。
自然公園や雑木林では、糸状菌のような白い糸状のものが付着した落ち葉や枝がたくさん落ちています。
下の写真は、近所の自然公園を適当に散策したときにとったものです。

地面をよく見ればそこら中に糸状菌(らしきもの)がはびこっていました(笑)

仕込みに必要な有機物の量
落ち葉の量は、30~40 Lのごみ袋1つほどの量があれば、プランター2個分くらいの仕込みが可能です。
黒マルチについて
黒マルチとは、下の写真にうつっているような、畑で畝をカバーしている黒いシートのことです。

菌ちゃんプランターではこの黒マルチを主に雨よけと防乾燥の目的でつかいます。
糸状菌は土が雨水でびしょびしょになったり、逆に過度に乾燥したりすると、死滅や繁殖しづらくなるリスクが高まります。
それを防ぐために菌ちゃん農法では土の上から黒マルチをかぶせるのです。
この目的が果たせればいいので、黒いゴミ袋などでも代用できると思います。
ちなみに透明じゃダメなのかという点についてですが、
黒色マルチであれば日光をさえぎって雑草が生えることも防げるので、可能な限り黒色が望ましいようです。
ちなみに僕はコーナンで下のモノを購入しました。
カキ殻石灰について
カキ殻石灰は必須ではないですが、あるとうれしいものです。
カキ殻石灰を土に混ぜこむことで野菜の生育に必要なミネラルを土に与えられ、元気でおいしい野菜を作れます。
大型プランターでも100gほどしかまかないので、購入される方は2~5 kg程度のものを買えば十分です。
カキ殻石灰はお近くのホームセンターやアマゾンなどで簡単に手に入ります。
ブルーシート、スコップ、じょうろについて
これらは、あれば作業がしやすくなる農具になります。
菌ちゃんプランターの土づくりをする際、土や有機物に水をかけたり、それらを混ぜたりする工程があります。
その際にじょうろやスコップがあれば作業がやりやすくなります。
また、これらの工程をする際にブルーシートなどを下に敷くことで、ベランダや庭が汚れるのを防げます。
プランターによる菌ちゃん農法の土づくり手順
ここから実際に僕が実施した様子を交えながら、プランターによる菌ちゃん農法の土づくりの手順を説明します。
ここで再び、先ほどもお見せした菌ちゃんプランターの断面図を示します。

これは書籍「図解でよくわかる菌ちゃん農法」で紹介されているものです。僕自身もこの通りに土づくりしました。
ざっくりと構造を説明するとこんなかんじです。
- 底に鉢底石(木の枝)を7cmほど敷き、土をプランター高さの9分目までいれる
- さらに10~15 cmほどの厚みに落ち葉などの有機物を置き、表層に薄く土をかける
- 最後に黒マルチで土を被い、数か所通気のために穴をあけて、マルチの裾をひもで縛って完成
それでは具体的におこなった土づくりの手順をくわしく説明していきます。
土づくりは以下のステップで行いました。
- step.1土と落ち葉をあらかじめ湿らせる
- step.2プランター底に鉢底石を敷く
- step.3土を9分目まで入れる
- step.4落ち葉をのせる
- step.5表層に土をかぶせる
- step.6じょうろで水をかける
- step.7黒マルチで被い、空気穴をつくる
- step.8重石を置く
※任意
- step.9雨や日光の当たらない場所で2、3ヶ月待つ
ステップ① 土と落ち葉をあらかじめ湿らせる

まず最初に土と落ち葉にじょうろで水をかけて湿らせました。
なぜなら糸状菌が増殖するためにはある程度の水分が必要だからです。
ただし、水をびちゃびちゃになるまでかけすぎては糸状菌が死滅してしまうので注意が必要。
下の写真のように、にぎると団子状にかたまるがつつくとボロっと砕けるくらいの湿り気が良いと思います。

落ち葉は水をかけながらまぜて、全体的に湿り気を帯びている程度で良いと思います。
ここも、びしょびしょになるまでかけるのはNGです。
ステップ② プランター底に鉢底石を敷く
僕は鉢底石のかわりに、プランターの底に近くの河原の雑木林や公園で拾ってきた木の枝を敷きました。

上の写真は私が実際にやったものです。高さを計ったら大体7cmでした。
この時は木枝を折るのを適当にやったため、かなり長い枝が残っていますね…
理想的には木の枝は5~7cmの短さに折ることを推奨されています。
ステップ③ 土を9分目まで入れる
つづいてステップ①で湿らせた土をプランターに入れていきます。
この時は一番推奨される「使い古しの土」がなかったため、実験的に、ホームセンターで購入した赤玉土(小粒)と腐葉土を「赤玉土6:腐葉土4」の比率で混ぜ合わせてつくりました。

また同時に、カキ殻石灰50mlも混ぜておきました。
混ぜる作業は、プランターの中で行いましたが、スペースがある人はブルーシートなどの上で混ぜてからプランターに入れても良いと思います。
ステップ④ 落ち葉をのせる
つづいて、ステップ①で湿らせておいた落ち葉をこんもりのせていきました。

のせる際は水平方向に押し広げ、プランター端に詰め込んでいくかんじ。
上から落ち葉をギューッと押しつぶすと土がカチコチになるので注意しました。
落ち葉の中には細い枝葉や朽ちかけたドングリなども混ざっています。
最終的な有機物層の厚みは10~15cmほどになりました。
ステップ⑤ 表層に土をかぶせる
落ち葉を軽く押さえて、その上に土をかけます。

落ち葉と落ち葉のあいだにも土がすこし入るようにしました。
というのも、落ち葉どうしの空間が広いと菌糸が伸びづらくなるからです。
一方で、押しつぶし過ぎて空間がなさ過ぎても空気が少なくなり糸状菌が増えづらくなります。
ほどよく上から落ち葉を押しつつ、間にも土を入れつつ、上からも土をかけていきました。
ステップ⑥ じょうろで水をかける
最後にじょうろで水をかけて、プランターに程度な水分を与えます。
じょうろで表面が占める程度に、ジャーっと。
決してびしょびしょにならないように気を付けました。
ステップ⑦ 黒マルチで被い、空気穴をつくる
プランターをマルチで被います。
僕は黒マルチを買い忘れたので、透明のごみ袋で被いました(笑)
推奨は黒マルチですよ。

そして、糸状菌に必要な空気を補給するため、4か所穴をあけておきました。
ステップ⑧ 重石を置く
書籍では菌ちゃんプランターに黒マルチをかければ仕込み終了で、重石をのせる手順はありません。
ですが、私が実際にマルチをかけて1か月後に様子をみたところ、土がかなり乾燥していることがわかりました。
下の写真は仕込みから3週間後ですが、この時点で、とくに空気穴にちかいところは落ち葉層の下の土もからからに渇いていました。

そこでマルチの上に2Lペットボトルを重石として倒置することにしました。
重石をおいたところでは毛細血管現象により水分が表層に上がってくるので渇きづらくなります。
ちなみに畑での菌ちゃん農法の仕込みでは、マルチの上に重石をのせる方法が標準的なようです。
これをプランターでも行っただけですね。
ステップ⑨ 雨や日光の当たらない場所で2、3ヶ月待つ
あとは2,3ヶ月ほど日陰に安置し、糸状菌の発生を待ちます。
日が当たる場所は温度の変化が激しくなり、糸状菌が増えづらくなるようです。
また、雨でびしょびしょになるのも糸状菌が増えづらくなる恐れがあります。
僕はベランダの雨や日が当たらない場所に置いておきました。
土仕込み後の経過観察
数週間おきに糸状菌の様子を確認しました。
3週間後
下の写真は仕込みから3週間後の写真です。

ざっと見るとなかな見えないのですが、プランターの端っこをよく見ると…なにやら発見!

落ち葉や細い枝から白い菌糸と思わる物体が伸びていました!
土にも付着しているので、おそらくもともと枝葉についていた糸状菌が仕込み後に手を伸ばしたのかと思います。
まずはプランターの端の一部だけでしたが、3週間で菌糸の成長を確認できました。
1か月後
さらに1週間後。
そこまで変化は見られず、プランター端の一部以外は、糸状菌は確認できませんでした。

3か月後
そして仕込みから3ヶ月経った写真です。

重石をおいていたので中心部は湿ったままですね。
定期的に確認してはちょいちょい土をいじっていたので表層の土がへって落ち葉がむき出しになっていますが…
よーく見てみると、いたるところに糸状菌がいました!
今回はプランターの端だけでなく、中央付近にも!

3ヶ月経つと、目に見える糸状菌がかなり増えていました。
糸状菌は本来目に見えないほど小さく、目視できる白い菌糸は伸びた菌糸が束になっているものなんだとか。
吉田先生曰く、目視レベルの菌糸がいれば、土の中にも糸状菌が発生していると思っていいとのことです。
実際に無肥料で育つ菌ちゃん野菜たち
僕のマンションのベランダで実際に育っている菌ちゃん野菜たちの様子を一部、写真で紹介します!
👇こちらナスくん、そして右手前に映るのがピーマン君。

👇白ナス君

👇こちらはピーマン君のアップ。

👇こちらは小玉スイカちゃん。ちなみに、めちゃ甘でした。

👇ミニトマトちゃん。2歳の息子にほとんど食べられました(笑)

すごいですよね~。この野菜たち、ぜーんぶ無肥料なんですよ。信じられます?
まとめ
この記事ではプランターによる菌ちゃん農法の仕込みの方法を解説しました。
菌ちゃん農法をまずはプランターから始めてみたい、という方にお役に立てたら嬉しいです!
プランターひとつから始まる菌ちゃん農法。野菜づくりは「暮らしづくり」です。
農を起点に少しずつ「つくる暮らし」にシフトしていければ、お金に縛られず、自分のホンネにそって、やりたい仕事”X”をやって生きることもできるはず。
僕は今まさにそんな「半農半X」な暮らしをしながら、ホンネで望む人生へとシフトしようとしています。
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