こんにちは。
先日、愛知県豊田市で開催されたヤング菌ちゃんファームお披露目会with菌ちゃん先生と、菌ちゃん先生による健康に関する講演会に参加してきました。
どちらも”ヤング菌ちゃん”こと鈴木さんが主宰されたイベントです。
たまたまInstagramで見かけて、即参加予約しました!
最近、菌ちゃん先生こと吉田俊道さんの書籍で菌ちゃん農法を知り、そこから自然農法にも興味がわき始めていたところでしたので…
実際に菌ちゃん先生に会って色々と体感できるチャンスが巡ってきたわけなので、こりゃいかないわけにはいかないぞ、と。
今回の記事では、今年から貸し農園で畑を始めだした農業ビギナーが、菌ちゃん農イベントの様子と、菌ちゃん農法に関する学びを共有したいと思います!
菌ちゃん農法とは
菌ちゃん農法とは、ざっくり言えば無肥料・無農薬の有機栽培のことです。
有機栽培とは、化学合成された肥料や農薬をつかわずに、動物の糞尿や堆肥などの天然物を使って作物を栽培する方法のこと。
ただ有機栽培といってもたくさんの手法があります。
菌ちゃん農法の最も大きな特徴の一つは、畑の土づくりに竹や木、枯れ草、落ち葉といった、通常なら捨てられる資材を活用する点です。
一般的な慣行農法でも有機農でも、これらの資材を積極的に活用することはほとんどありません。
菌ちゃん農法ではこうした身近にある自然資材を土壌に混ぜこみ、特定の微生物(糸状菌)のパワーを大いに借ります。
微生物パワーによって豊かな土壌をつくり、おいしくて、虫にも負けず、そして栄養のある野菜を無肥料・無農薬で育てることができるのです。
菌ちゃん農法のカギは、微生物。
だから菌ちゃん先生は、そんな微生物のことを親しみを込めて”菌ちゃん”と呼ぶのです。
菌ちゃん農法のメリット
当日のイベントは、午前にヤング菌ちゃんファームで秋冬野菜苗・種の植え付け&菌ちゃん先生による菌ちゃん農法の説明、そして午後は別会場に移って健康を題材にした菌ちゃん先生の講演会でした。
午前に行われた「菌ちゃん農法の説明」では、菌ちゃん先生と参加者がやり取りする形で、菌ちゃん農法や栽培される菌ちゃん野菜の嬉しさについて教えてもらいました。
菌ちゃん野菜のメリットはとても多い。
教えてもらったことを挙げるとこんな感じです。
- 基本的に肥料や農薬を使わないから経済的
- 水やりも基本的にないから楽ちん(土が未熟なときは必要)
→菌ちゃん農法の畝が一般的な農法より高いから - 虫食い被害が少ない
→野菜自身が虫が嫌がる匂い成分や物質(ファイトケミカル)を出して防御するから - 毎シーズン畝づくりをする必要がない。畝づくりは最初だけ
- 環境にやさしい
→土中の菌が炭素(C)を蓄えてくれるので空気中へのCO2排出量が少ない - おいしくて栄養がある
→ミネラルやファイトケミカル(抗酸化作用などを発揮する成分)が豊富 - 食べることで多様な菌を体内に取り込み健康になる
とってもたくさんありますよね~
菌ちゃん先生が参加者に投げかける形で、メリットがどんどん浮き彫りになりました。
それにしても菌ちゃん先生、想像以上に愉快な方でした(笑)
菌ちゃん農法の最大の魅力
上で挙げたメリットの中でも最大の魅力は、体内に多様な菌を増やせる点だよ、と教えてくれました。
元気な菌ちゃん野菜そのものを食べることも、そして多様な微生物がうごめく畑の土を触るだけでも菌がたくさん体に取り込まれます。
野菜を食べたり土を触ることで、腸内細菌は多様になり、健康的な体に近づけるわけです。
…と菌ちゃん先生から聞き、
「そうか~畑をいじるだけでも腸内細菌は増えていくのか~」
と思わず独り言をささやいてしまいましたww
人間のお腹は畑の土と同じ!
さて午後は健康に関するお話。
色んなメッセージがありましたが、印象に残っているお話の一つが
「人間のお腹は畑の土と同じ」ということ。
これにはイナヅマが知りました。
そんなこと、考えたこともなかったからです。
どういうことか。
まず畑。
元気な野菜作りには、「発酵とミネラルが大切なんだ!」と、菌ちゃん先生。
畑にはたくさんの微生物や虫がいます。
この微生物や虫は、死んだり弱ったりした生命体を食べて土に還す分解者です。
過剰な肥料や堆肥などにより土が腐敗して病原菌が発生すると、野菜もよわよわしくなってしまう。
一方で土が腐るのではなく発酵した状態であれば、有用な微生物により野菜は元気に育ちます。
元気でおいしい野菜が育つには畑が発酵環境にあることがまず大事。
そしてミネラル。
野菜をはじめとする生命体にはミネラルが不可欠。ミネラルが欠乏すると野菜が生命活動を維持できなくなります。
そんな大切なミネラル。植物・野菜は共生している菌たちの力も借りながら体内に吸収するのです。
だから畑の土に多様な微生物がいてくれると、野菜が吸収するミネラルも豊富になる。
元気野菜づくりにはミネラルが欠かせないのです。
(話はそれますが、近年、野菜や果物の含有ミネラル量が減ったとの研究報告があったりもします)
一方の人間のお腹。
偏った食生活や乱れた生活習慣だと腸内細菌の動きが悪くなり、おなかの中で食物は発酵せず腐ってしまう。
結果的に体の健康が損なわれてしまいます。
でも、発酵物やバランスよい食物を取り入れることで腸内細菌は増え、多くの酵素や神経伝達物質をつくりだせる。
結果的に心身ともに状態がよくなります。
つまり、お腹(腸)が発酵環境にあれば人は元気になる、ということですね。
ミネラルもまた、野菜と同じく人間にも欠かせません。
体づくりや生命活動そのものに関連するミネラルが足りなくなると体に支障をきたします。
「ね、畑もお腹も同じなのよ!発酵とミネラルが大事なの、野菜づくりにも人間づくりにも!」
と菌ちゃん先生。
菌ちゃんのおかげでめぐる命
そして私が最も印象にのこったお話。
菌ちゃんは、分解者。生き物の死骸を分解します。
一方、その分解物と太陽エネルギーを使って有機物をつくり出す植物は生産者。
そして人間はその元気な生命をいただく消費者。
菌ちゃんたちは我々人間が食べられない「死んだもの」を分解し、次の命へとつないでくれています。
新陳代謝により、一日に膨大な数生まれ変わる人間の細胞は、微生物たちが分解し、植物が生産してくれる元気な命によってつくられている。
私たちは、微生物のおかげで、生き続けることができているわけです。
人間は良い菌、悪い菌と区別し、悪い菌を防ごう殺そうとするけど、実は、悪い菌がいるからそれに抗うパワーがつきます。
アンパンマンもばいきんまんが何度も向ってくるから、力強いアンパンチをはなてるわけです。
ばいきんまんがいなければへなちょこパンチになるよね、と菌ちゃん先生ww
そして悪い菌(弱る生命をより弱らせて分解しようとする菌)も、命を次につなぐという重要な役割をになっている。
菌ちゃんは「もののけ姫」のしし神様なんだよ、と菌ちゃん先生。
微生物は、弱る命は死なせて次の命へとつなぎ、一方で元気ある命はそのまま活かす。
いい菌も、悪い菌も、みんなそれぞれの役割がある。
それでも私たちは悪い菌が怖くて、とくに近年は殺菌、抗菌、消毒が当たり前の光景に。
畑をみると…
病原菌殺菌のために土壌消毒。
それにより微生物ネットワークが壊滅し、土が弱くなり、野菜が弱くなり、結果としていわゆる害虫・悪い菌による生育被害が増え、また薬を使う…
私たち人間も目くじら立てて「殺菌!除菌!」って…なにかこの畑の世界で起きている悪循環と同じ方向に向かっていないだろうか…?
と。
菌ちゃん先生の視点をいただき、とても考えさせられる一日となりました。
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