「どん底」のとき、何が嫌だったか?
人生で一番つらかったとき、どんな状態が嫌だったか?
僕は休職中、この問いに向き合い、自分のこれまでの人生を振り返ってみました。
すると、面白いことに、しんどかった時期には、いつも同じ「パターン」があることに気づいたんです。
そのパターンを見つけたことで、「自分は本当はどう生きたいのか」という価値観に、深い確信が持てるようになりました。
今日は、「どん底のパターン」から価値観を見つける方法について、僕自身の経験を交えながらお伝えします。
質問ワークだけでは価値観に確信が持てない理由
多くの自己分析のワークでは、「10年後どうなっていたいか」「どんな状態でいたいか」といった質問を通じて、価値観を言葉にしていきます。
確かに、自分を知ることは大切です。
でも、質問ワークで答えただけでは、「本当にこれが自分の価値観なのかな…?」と、しっくりこないことが多いんです。
なぜなら、質問ワークは「未来の願望」から価値観を導き出すアプローチだからです。
でも実は、過去の「どん底」の経験こそが、あなたの価値観を最も強く教えてくれるんです。
どん底のパターンから価値観が見える理由
僕が自分史(人生グラフ)を作ってみたとき、驚いたことがありました。
しんどかった時期には、いつも同じパターンが繰り返されていたんです。
僕の場合、どん底のパターンはこうでした。
「周りに認められたくて、自分を大きく見せようとして、そのプレッシャーで自滅する」
就職活動のとき。
「博士だから優秀だ」と思われたくて、背伸びした就活をした結果、息苦しさを感じた。
社会人になってから。
大学院時代の教授から学会での講演依頼をいただいたとき。本音では準備の負担が重くて嫌だったのに、「期待に応えられないデキない奴だ」と思われたくなくて、断れずに引き受けてしまった。結局、自分の首を絞めて苦しむことになった。
会社に入ってから。
「デキる人」という仮面をかぶり続けた結果、適応障害で休職することになった。
形を変えて、何度も繰り返してきたこの挫折パターン。
そこから、僕ははっきりと気づいたんです。
「自分を偽ること」「周りの目を気にすること」「できる人を演じること」
これらが、僕にとって一番苦しい状態だった。
だからこそ、僕が本当に求めているのは、「自然体でいたい」「自分を偽らないでいられたい」という価値観だったんだ、と。
どん底のパターンを見つけることで、価値観が「逆算」で見えてきたんです。
どん底のパターンから価値観を見つける4つのステップ
では、具体的にどうやって「どん底のパターン」を見つけ、そこから価値観を導き出すのか。
4つのステップで進めていきましょう。
ステップ1:人生で「どん底」だった時期を思い出す
まずは、これまでの人生で、一番つらかった時期、苦しかった時期、しんどかった時期を思い出してください。
- 幼少期、小・中・高・大学生、社会人時代
- それぞれの時代で、どんなことがつらかったか
完璧を求めず、ざっくりと思い出すだけで大丈夫です。
書き出すときは、こんな質問を自分に問いかけてみてください。
「あの時、何が嫌だったか?」
「どんな状態が苦しかったか?」
「どんな感情を感じていたか?」
ステップ2:それぞれのどん底で「共通している状態」を見つける
次に、思い出したどん底の時期を見比べてみてください。
- それぞれの時期で、どんな「状態」が共通していたか
- どんな「感情」が共通していたか
- どんな「行動パターン」が共通していたか
僕の場合、どん底の時期には必ず:
- 「周りの目を気にしている状態」
- 「自分を偽っている状態」
- 「できる人を演じている状態」
が共通していました。
この「共通している状態」こそが、あなたにとって最も苦しい状態=価値観が満たされていない状態を示しています。
ステップ3:その「共通状態」の「真逆」があなたの価値観
ステップ2で見つけた「共通している苦しい状態」の真逆を考えてみてください。
それが、あなたが本当に求めている価値観です。
僕の場合:
どん底の共通状態:「周りの目を気にして、自分を偽り、できる人を演じている」
その真逆:「周りの目を気にせず、等身大の自分を認め、本音でいられる」
つまり、僕の価値観は「自然体であること」「自分に嘘をつかないこと」でした。
この「真逆」を考えるとき、こんな問いを自分に投げかけてみてください。
「あの苦しい状態がなかったら、どんな状態だっただろう?」
「あの苦しさの正反対にある、心地よい状態は何だろう?」
ステップ4:人生全体で「同じパターン」が繰り返されていることを確認する
最後に、ステップ3で見つけた価値観が、本当にあなたの価値観かどうかを確認します。
これまでの人生全体を振り返って、同じパターンが繰り返されているかを確認してください。
- 小さい頃から、同じような「どん底」を繰り返していないか
- 形を変えて、同じパターンが現れていないか
僕の場合、就職活動、学会講演の依頼、会社での働き方…。
時代も状況も違うのに、「認められようとして自滅する」という同じパターンが繰り返されていました。
この「繰り返されるパターン」を確認できると、
「ああ、これが自分の人生のテーマなんだな」
「だから、この価値観を満たすことは、自分の人生にとって必須なんだ」
と、深い確信が持てるようになります。
他の価値観でも再現できる「逆算」の例
「自分を偽るのがつらい」という僕の例だけでなく、この方法はあらゆる価値観を見つけるのに有効です。
なぜなら、価値観とは、それが満たされていない時に「痛み」として最も強く現れるものだからです。
いくつか、他の価値観での例を挙げてみます。
例1:価値観が「自律・自由」の場合
- どん底の共通状態:親や上司に常に管理され、自分の意見が通らず、身動きが取れない状態。
- 真逆の価値観:自分の人生のハンドルを自分で握る「自律」、あるいは「自由」。
例2:価値観が「貢献・親密さ」の場合
- どん底の共通状態:成果主義のギスギスした職場で、誰とも本音で話せず、孤独を感じている状態。
- 真逆の価値観:温かい繋がりの中で誰かの役に立つ「貢献」、あるいは「親密さ」。
例3:価値観が「知的好奇心・探求」の場合
- どん底の共通状態:マニュアル通りの単純作業を毎日繰り返すだけで、新しい発見や学びが一切ない状態。
- 真逆の価値観:未知のことに触れ、本質を探求する「知的好奇心」。
このように、「何に苦しみを感じるか」は人それぞれですが、「その苦しさの正反対に、あなたが本当に大切にしたい価値観が隠れている」という構造は共通しています。
なぜどん底のパターンが価値観を教えてくれるのか
なぜ、「どん底のパターン」から価値観が見えてくるのか。
それは、どん底の時期こそが、あなたの価値観が「満たされていない」状態を最も明確に示しているからです。
僕たちは、普段は無意識に生きています。
心地よい状態も、苦しい状態も、当たり前のように感じてしまいがちです。
でも、どん底の時期は違います。
「この状態は絶対に嫌だ」という明確な感情が残っている。
そこから逆算することで、「本当はどうありたいのか」が、はっきりと見えてくるんです。
また、どん底のパターンが「繰り返されている」という事実は、その価値観があなたの人生にとって避けては通れないテーマであることを示しています。
一度や二度の失敗なら、偶然かもしれません。
でも、人生を通じて何度も同じパターンで苦しんでいるなら、それはあなたが本当に大切にしたい価値観が満たされていないという、人生からのメッセージなんです。
過去のどん底を肯定する視点
どん底のパターンを見つける過程で、過去の失敗やつらい記憶に触れることになります。
「あの時、もっとこうしていれば」
「あんな失敗をしなければ」
そんな思いが湧いてくるかもしれません。
でも、その「どん底」があったからこそ、あなたは今の価値観を抱くに至ったのです。
つらかった経験も、あなたの価値観を見出すための大切な伏線だった。
そう思えると、これまでの人生を丸ごと肯定できるようになります。
過去の点と線が繋がったとき、あなたの価値観は、誰にも揺るがされることのない「一生モノの指針」に変わります。
実践のコツ
完璧を求めない
最初から完璧なパターンを見つけようとしないでください。
まずは、ざっくりと思い出してみるだけで大丈夫です。
そこから徐々に、共通点が見えてきます。
時間をかけてじっくり取り組む
どん底の記憶は、触れるのがつらいこともあります。
無理をせず、数日かけて少しずつ思い出しながら進めてください。
誰かに話してみる
一人で考えるのが難しい場合は、信頼できる人に話してみるのもおすすめです。
話すことで、自分では気づかなかったパターンが見えてくることもあります。
人生グラフを作る
より体系的に進めたい場合は、人生グラフ(モチベーショングラフ)を作るのも効果的です。
これまでの人生の浮き沈みを可視化することで、パターンがより明確に見えてきます。
詳しい作り方は、以下の記事で紹介しています。
人生の指針を見出す人生グラフのつくり方|自己理解で自分の価値観に確信をもつ
まとめ
この記事では、「どん底のパターン」から価値観を見つける方法について、僕自身の経験を交えて書きました。
どん底のパターンから価値観が見えてくる理由は、どん底の時期こそが、あなたの価値観が満たされていない状態を最も明確に示しているからです。
4つのステップで進めることで:
- 人生で「どん底」だった時期を思い出す
- それぞれのどん底で「共通している状態」を見つける
- その「共通状態」の「真逆」があなたの価値観
- 人生全体で「同じパターン」が繰り返されていることを確認する
過去の失敗を、ただの失敗として終わらせるのではなく、そこから「本当はどう生きたいのか」という価値観を見出す。
そうすることで、どん底の経験が、あなたの人生の「一生モノの指針」へと変わります。
今すぐ大きな変化を感じられなくとも、大丈夫です。
完璧を求めず、まずは一つ目のステップから始めてみてください。
きっと、自分の価値観に確信が持てるようになるはずです。
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