こんにちは。
僕は新卒で入った大手メーカーで、入社2年目にしてうつ状態となり、休職を余儀なくされました。
これまでの人生は、そこそこ上手くいっていたと思っていただけに、
うつ状態になったときは、この先自分はどうやって生きていけばいいのか、と
半ば絶望状態でした。
そんな中で、思い出したのが、その約1年前に本で読んだ「半農半X」という生き方のことでした。
メンタルダウンしてから改めて読み返して、僕は、この半農半Xというライフスタイルに、生きる希望を見ました。
その後、僕は、愛知県のとかいなか(どちらかといえば都会寄り)にいながら、市民農園やプランターで野菜づくりに挑戦しはじめ、
今では毎日のように畑に向かって、どれだけ自給自足できるかな~なんていう実験を毎日楽しくやるほどに回復しました。
一時は、どうなることやら、と思っていましたが、今では、職場復帰を前提にリハビリプログラムをうけながら
新しい自分のやりたいことや人生へと進む準備も少しずつ進めています。
今回はそんなメンタルダウンして闇にいた僕に「生きる勇気」を与えてくれた「半農半X」というコンセプトについて紹介させてください。
半農半Xとは
まず「半農半X」という言葉は僕がつくったわけではありません(笑)
この言葉は「半農半Xという生き方」という本の中で著者の塩見直紀さんが2003年に提唱されました。
その言葉の意味としては、
野菜やお米などの主だった農作物を自分や家族が食べる分だけつくり、
持続可能な小さな暮らしをしながら、自分の才能を活かした自営的な仕事をやって一定の生活費を得る、
こんなバランスの取れた生き方、ライフスタイルのことを指します。
才能を活かした仕事はもちろん人によって異なるものだから「X」としています。
暮らしの半分を「農」にあて、また半分を「才能仕事X」にあてる、それが半農半Xという生き方です。
半農半Xを知ったときの衝撃と希望の灯
僕がこのライフスタイルを知ったのは、入社して間もなく、仕事に違和感を感じはじめたころでした。
当時の僕は、常にピリついた雰囲気のある職場で仮面をつけて、
苦手な業務と格闘しながら、
「しんどいなぁ、でも働くってこういうもんだよな、きっと…」と、
自らムチ打って働いていました。
そんな時にこの本を読んで、当時の僕にとっては新しすぎる価値観に衝撃を受けるとともに、希望の灯さえ感じました。
なぜなら、当時の僕には、
暮らしとはある程度のお金がかかるもので、
ホンネではやりたくないツライ仕事であっても、
そのお金を稼ぐためには我慢して働かないと成り立たないもの、
とくべつ何かに秀でたわけでもない、自分みたいな平凡なサラリーマンはそうやって生きて
いくもの、
という思い込みが、心のどこかにあったからです。
でも、この新しすぎるライフスタイルコンセプトは、
いやいや、暮らしの土台=食を小さな農で自給し、
本当に必要なものだけを満たす小さな暮らしをすれば、
自分が得意で大好きなことを仕事にしたい、
という願いはまったくもって実現可能なんですよ。
今やっているイヤイヤ仕事から解放されるんですよ。
と、僕が持っていた”暮らし”に対する大前提を、
数々の具体的な「半農半X」実践者の例をもってして、
ぐわんぐわん、と揺さぶってきたのです(笑)
「あれ、たしかに、そうなのかもしれない」
「もしかしたら…これが自分が求めるライフスタイル…なのかもしれない」
とふわふわした感覚になりながらも、
このライフスタイルに強く惹かれる思いがありました。
そして自給農をはじめて感じた”つくることの豊かさ”
僕は今、愛知県のとかいなかで野菜やお米づくりをして、半農半X的ライフの実験をしています。
その実体験をもってして感じたこと。
それは、暮らしをつくることが、想像以上におもしろかったということなんです。
正直言うと、僕が最初半農半Xを知って家庭菜園をはじめたのは、
支出を減らすための一手段として、でした。
いうなれば、お金への不安を軽くするべく、貯蓄を増やすための一つの節約術を試すような感覚だったんです。
でも実際にやりだすと、
知らないことを調べて学んでいくこと、
試行錯誤して技術を高めていくこと、
人に教えてもらうことで新しいつながりが生まれること、
土に触れ、風を感じ、自然をおもいっきり堪能すること、
それらが全て自分の暮らしの質にダイレクトにつながっていること、
これらがとても楽しくて、心地よくて、快感すら感じている自分に気づきました。
暮らしをつくる営みが、好奇心を満たしてくれる学びでもあり、遊びのようにも楽しい。
そして、その結果として、支出が勝手に減っているという….
もはや節約の一手段なんてもんではなく、
むしろ、暮らしをこれまで以上に豊かにしてくれていることに気づいたんです!
僕はこれまで、こんなに楽しくて遊びのようにおもしろいことを、
わざわざ辛い仕事をしてまでお金で買っていたなんて、
どんだけアホなことをしていたんだろう、とすら思いました(笑)
そうやって、これまでわざわざつらい思いをしてまで稼いで買っていた暮らしの一部を
自分で作り出すという方向にシフトしていけば、
色んな学びがあって面白いし、遊びのように好奇心がくすぐられるし、で結果的に”稼がねばならない”お金が減っていく、そんな生き方が可能になるんだ
ということをリアルに体感できたんです。
それが、当初はうつ状態になって絶望を感じていた僕にとって、一筋の光となったんです。
まとめ
ということで、今回は、メンタルダウンして、人生どん底にあった僕に、生きる希望を与えてくれた「半農半X」について
簡単な紹介と、僕自身の体験を紹介しました。
僕はこの新しすぎるライフスタイルコンセプトに出会ってから、実際に自給農をはじめてから
人生が再び前に進みだしました。一歩を踏み出そうと思えるようになったのです。
いま、少し前の僕のように、悩んでいる誰かに届いたらいいな、という気持ちで書きました。
ここまでよんでいただきありがとうございました。
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