こんにちは。
僕は去年、大学院卒業後に入社したメーカーで仕事が辛くなり、入社2年目でうつ状態になり休職しました。
ピリつく職場の雰囲気になんとなく居心地の悪さを感じながらも、苦手な業務にも、周りの期待や評価を裏切らないように、
「デキる奴で、いい奴」の仮面をつけて必死にムチ打って頑張り続けた結果でした。
それまでの人生わりと順風満帆と思っていただけに、うつ状態になったときは、大きな挫折を感じ、生きることに半ば絶望感すら感じていました。
「これから、自分はどう生きたらいいのか」
「自分はホントはどんな人生を送りたいのか」
そこから、生まれて初めてといっていいレベルで、深く深く、自分とこれまでの人生を振り返りました。
色んな本を読み、色んな人に会って話を聞き、興味のままに新しいことを試し、そしてまた自己分析する…
この繰り返しの中で
自分が何を心地よいと感じ、逆に何を心地悪いと感じるのか、
どういうことに心が躍り、どんなことに心のざわつきを感じるのか、
そんなことを日々自問自答しながら、自分の”心地よさのツボ”ともいえるような、自分が大事に思っている価値観を意識的に探っていきました。
そして少しずつではありましたが、自分がこれからどう生きていきたいか、どんなライフスタイルを望んでいるのかについて、はっきりとしてきたんです。
自分にとっておもしろくて、かつ暮らしのベースとなる食べものを作る”自給農”をやりながら、他の暮らしに必要なお金を稼いでいく、
そんな”半農半X”的な暮らしを目指していきたいと、心からの納得感を得ると、社会復帰に対しても気持ちが前向きになってきました。
この一連の経験を経て、
社会で仮面をつけて生きてきたときは、知らず知らずのうちに自分のホンネを抑えて生きてきたこと、
”心のモヤつき”として感覚的に気づきつつあったのに、自分はそれに向き合おうとしていなかったこと、
そして、心の内に秘めた望みや欲求と向き合い、明確にして、それを追究していく日々の姿勢やメンタリティが、
「生きよう」「一歩をふみ出そう」と思えるエネルギーになることも実感しました。
人生に対してこうした姿勢が大切だなぁ、としみじみ感じていた時に、ふとこんな言葉が浮かびました。
ホンネシフト
そうだ、こんな生き様を「ホンネシフト」と名付けようと、僕の中で勝手に決めました。
前置きが長くなりましたが、この記事では「ホンネシフト」というオリジナルの概念について提唱したいと思います。
(2025年6月現在、”ホンネシフト”や”本音シフト”という言葉をググってみてもまだないようでしたので、オリジナルを掲げさせてもらおうかなと笑)
ホンネシフトとは何だろうか
あらためて、ホンネシフト、なるワードで僕が表現したいことを、どうにか言葉で定義すると…
自分の心にウソをつかない人生を生きようとする生き方
とか
自分の心と向き合い、ホンネをひろい、人生をそれに積極的に寄せていこうとする実験的な姿勢
とか、まぁこんな感じかなと。
ちょっと前に「LIFE SHIFT(ライフシフト)」という言葉が流行っていました。
リンダ・グラットン氏とアンドリュー・スコット氏が著書の「LIFE SHIFT 人生100年時代の人生戦略」という本が一世を風靡して、一気にその言葉が広がったんですね。
調べてみると、この本が日本で発売されたのは、もう9年前(2016年)なんだとか。
僕も読みました。
これからの時代、「教育→仕事→引退」からなるこれまでの画一的なステージ移行を前提にした人生設計じゃもう厳しいよ。
長寿命化するこれからは、いくつものステージ移行を経験するマルチステージになるでしょう。
そんな時代においては、自分にとって大切なものが何かを主体的に考えながら、生涯、変身を続けていく覚悟が大切ですよ。
とまぁ、こんな感じの内容でした。
なるほど、と当時学生だった僕も、なんとな~く、これからの時代の生き方の指針を垣間見た気分になりました。
うつ状態になり人生迷子時期を経た今、あらためてこの本をばーっと見返すと、
LIFE SHIFTの本から受け取れるメッセージと、”ホンネシフト”で表したい概念がかなり近いと感じました。
マルチステージを変身しながら人生を軽やかに移行させていく際に、
何を大切にして、進むべき暮らしやキャリアの方向性を見定めたらいいのか、
僕はそれは、”ホンネ”を軸に追究するのがよいかもしれない、と言い表したいんです。
また、別の本にになりますが…
高坂勝さんが、著書「減速して自由に生きる──ダウンシフターズ」という本の中で”ダウンシフト”という概念を提唱されています。
ダウンシフトという概念は、
成長至上で競争的な社会の中でたくさんお金を稼いでたくさんお金を使うような生き方から降りて、
田舎で暮らしの自給率を高めながら暮らしにかかるお金を小さくして、
自分の好きなことややりたいことにかける時間を優先した暮らしにシフトしていきませんか、
という、そんなライフスタイルの提案です。
僕自身、うつ状態になった際にこの本とダウンシフトという当時の僕にとっては新しすぎる価値観に、そんな生き方があるのか!!と衝撃を受けました。
僕がいう”ホンネシフト”は、”ダウンシフト”と同系の概念ですが、”ダウンシフト”を内包する、もう少し広い概念だととらえています。
つまり…
ホンネシフトとは、自分の心と向き合い、自分が本当に望む働き方、暮らし方、生き方を人生において模索し続けようとする姿勢のこと。
そして、自分の今の暮らしに違和感を感じた人が、ホンネに向き合った結果、
もう少し自由を優先するために暮らしを小さくしようと決めた人の生き様がダウンシフトなんだ、
と、そんな感じに(勝手に)とらえています。
まぁでも当時僕が「減速して自由に生きる」を読んで最もつよく感じたメッセージは、
”社会に流されず自分に問いかけ、自分で切りひらけ”、
という、結局、本質的には”ホンネシフト”とほぼ同じ概念でしたが。
なんでホンネシフトが大切だと思うようになったのか
それは、上でも書いたように、僕自身が仕事でうつ状態になったことが大いに関係しています。
僕は大学院時代から、多くの場面で自分に対する周りの評価を見て、社会の「こうあるべき」で無意識に自分を抑圧した生き方、働き方をしている自分に気づき、違和感を持ちはじめました。
うつ状態になってからたくさんの本を読んで、半農半Xや、ダウンシフターズや自給自足生活をしている人を知り、
本の著者や実践者に会って話を聞いたりして、希望の灯を見たんです。
そうか、暮らしを自らの手で作ることができれば、その分、社会でイヤなことを我慢することも減るのか、と。
そうして、プランターや市民農園で自給農をはじめ、そのほか調味料づくりや、食以外の日用品の手づくりなども色々試しました。
試しながら、都度、それが楽しいか、そうでないかと、自分に問い続けていました。
そうしたらですね、自給農なんかは、とても楽しくてめちゃくちゃハマってしまいました。
でも、一方で…
どうやら僕は著者や彼ら実践者たちほど、徹底した自給生活や、田舎暮らしを望んでいるわけではないことにも気づいたんです。
例えば、僕は、「和歌山しごと暮らし体験」という和歌山県のサービスを利用し、
田舎に移住した同世代の3人家族に1泊2日でお世話になりました。
彼らは、山や田園風景のひろがる自然の中で、シェアハウス運営などのお仕事を自営し、半自給自足的な暮らしをしつつ、
もっと仲間を増やしたいと町を巻き込んでのクラウドファンディングも企画するほどにエネルギッシュな家族でした。
自分たちにとって理想の暮らしを、自らつくり出そうとする、その自立的で芯のある生き様にはとても感動しました。
一方で、僕は、その田舎の人の少なさに、寂しさを感じていることにも気づいたんです。
僕自身はここまで人とのかかわりが少ない暮らしは、ちょっとキツイな、って。
なんでかなーって考えたら、外に出たときに、行き交う人や車やお店がそこそこあるくらいの賑やかさを僕自身が居住エリアに求めているんだって、わかったんです。
それから、また別の話ですが…
暮らしを自給的にしようという試みの一環ではじめた自給農は、ワクワクして夢中になれたんですね。
それから料理もそれなりに楽しい。
でも、衣服や石鹸などの日用品を作ることは、あまりハマらない、あんまり楽しくないと感じちゃう自分に気づきました。
で、そんな実験的な日々を経て、暮らしをつくる手仕事の中でも、 楽しいものと、そんな楽しくないものがあることに気づきまして、
暮らしの全てを自給するのは自分にはなかなかできない、と率直に感じました。
やっぱ、自分や家族だけではすべてを自給するというのは、なかなか難しいな、
やっぱ僕たちにはスーパーやアマゾンなどのネットショッピングも含めて、ある程度の便利さも必要だな、と思ったし、
レンタカーを借りて行ったことのない景色をみたり(あ、僕は車を持ってないものでして)、
おいしいご飯を食べにレストランへ行ったり、
遊園地でジェットコースターに乗る日がたまにあることも、僕たち家族にとっては重要なのかもしれない、
と思いました。
こうした実体験と内省を経てですね…
これまで歩んできたような、ケツをたたかれながら”成長だ”や”スキルアップだ”と上を目指し、会社で昇給してお金もできるだけたくさん稼いで~的な暮らしか、
田舎でタウンシフト的な自給自足的な暮らしの中で自分のペースや心地よさを優先する生き方か、
どちらかといえば、後者の暮らしを望んでいることは間違いない、
だけども、また少し、著者や実践者の彼らたちとは異なる暮らしを望んでいるんだ、と腑に落ちたんです。
で、ダウンするか、あるいはアップするか、ということ以上に、
僕や僕たち家族なりの心地よさがどこかにあるのか、とことんホンネと向き合い、それを追求しつづける姿勢が大切なんじゃないかな…
と、徐々に感じるようになっていったんです。
探り探りでいいから、暮らしをホンネに寄せていく、シフトさせていく姿勢が大切だと思った。
だから、ホンネシフトこそが、僕の生きる指針で、人生のコンセプトだと確信するようになっていたんです。
余談:わざわざ”ホンネシフト”と命名したわけ
とまぁ、結構な長文で書いてきましたが…
こんなことはいまさら言語化しなくても、皆さんなら、うすうす感覚的に気づいているんじゃなかろうか、と思います。
勢いよく流れる外の濁流にあれよあれよと流される生き方よりも、
細い小川でもいいから、心地よく自分のリズムで生きられる人生にシフトしていったほうがいいのかもしれない…と。
じゃないと、こんなマイナーな記事にそもそもたどりつかないですからね(笑)
とにかく、これが、とくに大学院時代から違和感を感じはじめ、社会人になってうつになった経験を経て、
絶望感にさいなまれながら、自分はどう生きていったらいいのかを悩みまくった末にたどり着いた、今のところの結論です。
それを、僕はあえて”ホンネシフト”と名付けただけです(笑)
冒頭で、「ふと浮かんだ」なんて書きましたが、けっこうな期間、しっくりくるワードを探しつづけていました(笑)
なんでかっていえば、一つは、なんか、かっこいいから(笑)
ダウンシフトとか、ミニマリズムとか、自分のスタイルをコンセプトに打ち出している人って、なんかかっこよくないですか?笑
憧れていたんですよね~
まぁはい、これがほとんどの理由ですw
あともうひとつ、とってつけたような(後付けの)理由もありまして、
なにか「んー、自分のやりたいことをして心地よく生きる人生がいいな~」と漠然と思うよりも、
自分は「ホンネシフトするんだ」と思えたほうが、
目指すべき方向性が少しだけはっきりして、なーんか勇気が出ません?笑
僕自身が”ダウンシフト”とか”半農半X”を知ったときに、すごい勇気出ましたもん。
とまあこんな理由で、僕も、必死にこういう言葉を思案しましたよ。
ChatGPTさんの力もお借りしながら。
で、ついに”ホンネシフト”がポンとでたときは「でたーー!ええやんこれ!」と自画自賛でした(笑)
ChatGPTさんはほかに、”ココチシフト”、”モヤトキ”、”ワタシトトノエ”、”ミチクサ哲学”、”エリートブレイク”、”ヤワトーン”などなど、
僕の中二病心をくすぐるワードをいっぱい提案してくれました(笑)
まとめ
ということで、今回は僕が勝手に名付けた”ホンネシフト”という生き方のコンセプトについて、紹介させてもらいました。
ホンネシフトとは、自分の心と向き合い、ホンネをひろい、人生をそれに積極的に寄せていこうとする実験的な姿勢
とまぁ、そんなニュアンスを言い表したい言葉で、
ダウンシフトとか半農半Xとかと同系だけど、これら具体的なライフスタイルの方向性を示す言葉に対して、
ホンネシフトは、そんなライフスタイルを目指すうえでの、意識の在りようとか姿勢を示した、
もうひとつ抽象度高めで、ボヤッとしたw、コンセプトなのかな、と思っています(笑)
皆さんは、このコンセプトをみて、どんなことが頭に浮かびましたか?
なにか皆さんの心に引っ掛かりを残してくれる(あ、いい意味で、ね。)ようなコンセプトになってくれたらうれしいです!
今回は以上です。
最後までよんでくださってありがとうございました。
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