こんにちは、小心者ハカセのただなおです。
博士の面接って研究のことを中心に聞かれるのかな?
聞かれやすい質問があれば予め準備しておきたいんだけど…
とくに研究開発職を志望する場合、博士学生の面接内容はとうぜん研究の話が話題の中心になります。
ほとんどの企業でES提出時に研究概要も提出し、面接ではこの研究概要をもとに話が進みました。
今回の記事では博士就活の面接でよく聞かれた質問や、人事の意図、さらには博士が面接で注意するべきことについて紹介したいと思います。
この記事は電機・精密機械業界を受けた私の就活経験に基づいていますが、他の業界でも質問内容やその意図などは共通するところも多いと思いますので、ぜひご参考ください。
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選考はどのように進むのか?
私は総合電機、半導体、精密機械業界の企業をいくつか自由応募で受けていましたが、「ES通過→一次面談→二次面談(内々定)」の流れが多かったです。
友人に聞いてみると、他の業界もこの流れが多く、企業によっては3次面談があるところもあります。
インターンシップに参加していた人は1回だけの面接で内々定をもらうこともあるようです。
ちなみに、一次面談も二次面談も技術面談のパターンもあれば、どちらかが人事面談のパターンもありました。
技術面談では研究に関する話がメインとなり、人事面談では研究以外のガクチカや志望動機等、一般的な質問が多かったです。
企業が求める博士人材像とは?
まずはじめに、企業が博士人材に何を期待しているのか、というところから簡単に話をします。
なぜなら、面接では企業が求める資質をもっているかどうかを見極めるための質問を投げかけてくるからです。
あらかじめ、博士に期待することを知っておくことで、的を得た回答をすることができます。
文部科学省の「民間企業の研究活動に関する調査報告2022」によると、研究開発職として博士を採用する際に重視することの上位4つは以下の通りです。
博士には、専門性や研究者としての高いポテンシャルを存分に発揮して、自ら課題を見出し新しい価値を創り出すことが期待されていることが分かります。
より詳しい解説は以下の記事を参考ください。
>>企業が求める博士像とは?博士が就活でアピールするべき6つの強み
博士の面接で聞かれることとその質問意図とは?
それでは本題に入っていきましょう。
面接の形式について
多くの技術面接では話の7割ほどが研究に関する質問でした。
技術者1,2人(+人事のときも)と私での面接、というパターンが多かったですね。
最初の5分ほどで研究概要レジュメを用いてプレゼンし、そのあと質問・回答という流れです。
面接では色んな質問がありましたが、以下の3つの質問については大体どの企業も聞いてきました。
ここからは、この3つの質問意図や回答のポイントについて紹介したいと思います。
なんでその課題に注目したのか
他にもいくつか課題があったと思うけど、なぜその課題に注目したのか、という質問です。
直接的に「なんでこの課題なの?」と聞かれるというよりも
- 「このテーマってこれまでなんでやられてなかったの?」とか
- 「このテーマがうまくいったらどんな良いことがあるの?」
のように、対話の中で、その課題を取り上げる重要性を詰められることが多かったです。
これを聞く技術面接官は「課題を設定する力があるか」を見極めたいと考えられます。
企業の研究職では与えられたテーマをこなすのでなく、自らテーマを提案していく姿勢が求められます。
そのためには問題点を探し、理想と現状のギャップをとらえて適切な課題を設定する力が必要なのです。
解決できた時の分野への貢献度、自分が見出した技術や知見の汎用性など、その課題に取り組むべき意義を複数の観点から説明することが重要です。
この研究で大変だったところはどこか
皆さん承知のように、道なき道を進む研究の仕事では、大きな問題に直面することも多々あります。
これを問う技術者は学生の「課題解決力」を見極めているのでしょう。
実際にあった問題にたいしてどのように考え、どのような行動をとったのか、その結果はどうなって、そしてそこから何を学んだのかまで話せるとよいですね。
具体的なエピソードともに伝えると、相手も実際にあなたが入社した後の姿を想像しやすくなるでしょう。
他のメンバーと協力したところはあるか
これは『協調性やコミュニケーション、周囲を巻き込む力』を問う質問ですね。
他にも「これ1人で全部やったのか」とか「どう役割分担してたのか」、あとは「後輩と一緒にやるのに苦労したことあった?」という聞かれ方もありました。
企業の研究では実にたくさんの人が連携しながら研究します。
状況に合わせて、人に任せたり、自分が請け負ったりと、メンバーとコミュニケーションをとりながら仕事を進めていくことになります。
また先行き不透明な今の時代、自分が課題・対応を提案し、周りを説得しながら仕事を進められるリーダーシップのある人材が重宝されます。
博士時代に、先輩後輩と協力しながらテーマを進めた経験や、自分発信で周りを巻きこみながら新しいことを立ち上げた経験があればエピソードどともに話せる準備をしておきましょう。
博士が面接で気を付ける4つのこと
聞かれそうなことは大体わかったよ。他になんか面接で気を付けることはない?
ということで、ここからは博士の面接で気を付けたほうがいいことを4つ紹介します。
会話のキャッチボールを意識
一つ目は、キャッチボールのような会話を意識しましょう、ということです。よく聞きますよね。
博士の場合、研究について言いたいことがありすぎたり、厳密性にこだわりすぎて冗長な表現になりすぎることがあるかと思います。
あるいは頭の回転が速すぎて質問の意図が読めたり、アピールの気持ちが強すぎたりして、一気に畳みかけてしまいがちです。
一方的に発言しすぎると「相手の話を聞けるのかな?コミュニケーションはちゃんととれるのかな?」とマイナスに捉えられかねません。
例えば…
面接官「この研究課題に対して、他のアプローチも取らなかったのですか?」
自分「初めにA、Bという2つの手法を考えました。なぜならA、Bでは~~が期待されたからです。しかし、実際に試すと~~の結果となり上手くいきませんでした。改めて文献を調べてCという方法があることを知り実際に試しました。ですが~~がうまくいかず~~に苦労しました。ですが~~を工夫することで手法Cで実験に成功することが出来ました」
面接官「そうなんですね。」
実験手法を選んだ経緯について時系列にそって厳密に、かつ苦労・工夫したところのアピールも絡めて話そうという気持ちが前面にですぎて、やや冗長です。
もうちょっと端的に話して、会話のやり取りを増やしてみましょう。たとえば以下の通りです。
面接官「この研究課題に対して、他のアプローチも取らなかったのですか?」
自分「実は手法Cを試す前に、まずA、Bという他の2つの手法も試していました。」
面接官「なぜCの手法に切り替えたのでしょうか?」
自分「A、Bでは~~が期待されえたのですが、実際に試すと~~の結果となり上手くいかなかったからです。改めて文献を調べてCという方法を知り実際に試そうとおもいました。」
面接官「そうなんですね。Cで行った結果はどうなったのですか?」
自分「初めはCでも~~がうまくいかず~~に苦労しました。ですが~~を工夫することで手法Cで実験に成功することが出来ました。」
面接官「そうなんですね。」
ちょっと都合のよすぎる展開な気もしますが…
お伝えしたいのは、これくらいのやり取りがあるほうが会話にテンポが生まれ、面接官も前のめりに聞いてくれやすいですよ、ということです。
いつも話が長い人は「まずは質問に簡潔に結論で応える→相手の次の質問を引き出す→また簡潔に応える→…」の繰り返しを意識してみてください!
話のレベルは相手のリアクションを見ながら調節
技術面接といえど、必ずしも面接官が自分の研究分野に詳しい人とは限りません。
研究内容を話すときは相手のリアクションや質問レベル、食いつきっぷりを見ながら、専門用語やどこまで詳しく話すのかといった話の難易度を調整しましょう。
具体的に言うと、出だしは、研究室見学に来た大学3年生に話すくらいのレベル感で行きます。
その後相手のうなずきが大きかったり、質問で専門用語を使ってきたり、マニアックな質問をしてきたら少しずつレベルを上げていく感じです。
ただこのあたりの勘所は、面接の場数を踏んでこそつかめるものでもあります。
できるのであれば、本命企業の面接前に第二志望以下の企業で実地訓練しておくことをおススメします。
エピソードをそえる
苦労話や頑張ったこと、力を入れたことなどなど、各回答にはエピソードを添えることを意識しましょう。
なぜなら、エピソードを話すと発言の根拠を明示できることに加えて、面接官の共感を引き出しやすくなるからです。
エピソードをにはその人独自の体験や価値観が反映されており、人事もあなたの人柄をよりつかみやすくなります。
そもそも論ですが、面接でのやり取りではひとつひとつの発言にきちんと根拠を持つことが重要です。
その場の思い付きや上辺だけの回答を重ねると、自分の発言の中で矛盾が生じたり、1次面接と2次面接で一貫性がなかったりと、選考でマイナスのイメージをあたえかねないからです。
もしエピソードが見つからんって人は、まず自己分析をすることをおススメします。
>>【博士の自己分析方法】内定者が使ったおススメのツールも紹介!
自分を大きく見せる誇張したエピソードは必要ありません。
等身大で良いので、自分がそう思うに至った経緯を簡潔に話せる準備をしておきましょう。
研究概要書はカンタンに
研究概要書ははどんな人が来ても分かるほどにカンタンにしておきましょう。
相手が読む際のストレスを減らすのです。
具体的には、論理性と専門性の2つの観点を意識します。
論理性は、ストーリー構成を『背景→課題→目的→仮説→手法→実験検証→結果→今後の展望』とすることで分かりやすくなります。
「結果」に用いるデータは、インパクトよりも論理を成立させるためのデータを厳選することを意識しました。
というのも人事は研究結果の凄さよりも、むしろ研究への取り組み方を見ているからです。
私は、目的に対する仮説や手法の妥当性、得られた結果と目的の整合性などが理解しやすいデータを3、4つ選別していました。
志望企業の面接内容を把握する方法
面接で気を付けることは大体わかったよ…あとは自分が受ける企業に特化した面接対策ができれば最高なんだけど…どうしたらいいかな?
ということで、最後に自分の志望企業で例年どんな面接内容となっているのかを把握する方法をお教えします。
一つずつ見ていきましょう。
OB・OG訪問で聞き出す
1つ目はOB・OG訪問で志望企業の先輩に実際に聞かれた内容を聞くことです。
ラボや学科の先輩でもいいですし、企業によっては大学のOBがリクルーターとしてやってきて、その企業に応募する学生のESや面接の対策を手伝ってくれることもあります。
OB・OG訪問のメリットは、人によってはES添削や模擬面接まで行ってくれる点です。
後で紹介する過去レポサイトでは、ES内容や面接でのやり取りを参考できますが、添削をしてくれるわけではありません。
もし身近にOBがいなければ、学会で知り合った先輩でもよいです。
>>【学会の人脈は最強】博士の就活を成功に導く人脈を学会でつくる7つの方法
さらに、知り合いのツテもなければ、ビズリーチ・キャンパスやMatcherといったOB・OG訪問に特化した無料の就活サービスを使うのもアリかとおもいます。
とにかく希望企業のOB・OGがいれば積極的に訪問することをおススメします。
就活過去レポサイトを活用する
2つ目は、過去の就活生のESや面接などの選考レポートを無料で閲覧できる過去レポサイトを活用する方法です。
就活口コミサービス「就活会議」やunistyleは登録されている企業数が非常に多いのでおススメです。
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手軽に選考情報を集めたい人は過去レポサイトを積極的に活用していきましょう。
まとめ
この記事では、博士の面接でよく聞かれる質問やその意図について紹介しました。
また記事の後半では、博士が面接で注意するべきこともお話しました。
最後にまとめましょう。
博士の就活は研究と並行で進めなければなりません。
できるだけ早く動き始めて、企業ごとに十分な面接対策を行うことが成功へのカギとなります。
>>博士の就活はいつから?何から始める?博士の就活時期や注意点を徹底解説
周囲の人や便利な就活ツールを積極活用し、効率的に準備を進めましょう。
もし、博士に役立つおススメの就活サービスを知りたい!って人は以下の記事を参考ください。
>>理系の修士・博士学生におススメする就活サービスを8つの用途別に紹介!
以上になります。
この記事が悩める学生さんにとって少しでも参考になれば幸いです。
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