こんにちは。
家庭菜園2年目の初心者の僕ですが、今年は【夏野菜を種から栽培し、その種を収穫する】を目標としています!
夏野菜の育苗では、空気、水、温度の管理が大切です。
とくに温度!
1~3月という極寒期の育苗では、温室や温床をつくって野菜ごとに適性温度環境をつくりだすことが欠かせませんよね。
ところで僕は初心者なので夏野菜の育苗温度についてはまだあまりピンときません。
おなじ夏野菜とはいえ、野菜によって適性温度が結構ばらつくことを最近になって知りました。
ただ、作業のたびに
「あれ、トマトって適性温度なんぼやったっけ?」
と毎回ググる手間がかなり面倒になってきました。
野菜の育苗温度一覧リストとかをスマホでパパっと見れたらな~と思い、もう自分で作ろうと思いたったわけです(笑)
今回は夏野菜のメインであるなナス科3兄弟【トマト、ナス、ピーマン】の発芽温度と育苗温度をまとめてみました。
ついでに、本で僕なりにリサーチした育苗ポイントもまとめました。
主に家庭菜園初心者さん向けの記事となっています。
ぜひ参考ください。
- トマト、ナス、ピーマン類の発芽・育苗温度を知りたい人
- 発芽・育苗温度をぱっと見れる一覧画像がほしい人
- トマト、ナス、ピーマン類の育苗のポイントを知りたい人
トマト、ナス、ピーマンの発芽・育苗温度の一覧
トマト、ナス、ピーマンの発芽・育苗温度を一覧すると下のようになります。
発芽温度 [℃] | 発芽適温 [℃] | 生育温度 [℃] | 生育適温 昼 [℃] | 生育適温 夜 [℃] | |
トマト | 10~35 | 15~25 | 10~35 | 20~28 | 8~13 |
ナス | 15~40 | 25~30 | 8~40 | 22~30 | 16~20 |
ピーマン とうがらし類 | 10~35 | 20~30 | 18~35 | 25~30 | 20~25 |
トマトが比較的低温で育ち、ナスとピーマンは高温よりです。
数字だけだとわかりづらいので、図にしてみました。

うん、これだと直感的で分かりやすくなりました。
僕はこれをスマホのフォトデータお気に入りにしておきました。
見たい時に5秒で参照できるのでとても重宝しています!
下にjpeg形式の画像ファイルとしてダウンロードできるようにしていますので、皆さんもぜひどうぞ!
トマトの育苗のポイント
トマトは原産地が南米アンデス山地の高原と言われています。
気候は高山気候ですので、その特徴は下記の通りです。
- 1日の中での気温差が大きい
- 1年の中での気温差は小さい
- 標高が高いので比較的すずしい
- 日当たりが強い
- 1年を通して雨が少ない
このような高山気候の特徴をふまえ、トマトの育苗ポイントは以下のようになります。
- ナスやピーマンほど高温にしない
- 昼夜の温度差をつける
- 水やりを控えめにする
- 太陽にたくさん当てる
- 風通しをよくする
1.ナスやピーマンほど高温にしない
あらためて、トマトの育苗温度条件を見てみます。
発芽温度 [℃] | 発芽適温 [℃] | 生育温度 [℃] | 生育適温 昼 [℃] | 生育適温 夜 [℃] | |
トマト | 10~35 | 15~25 | 10~35 | 20~28 | 8~13 |
トマトは冷涼な気候地域の生まれなので、夏野菜とはいえ比較的冷涼な温度で育成します。
発芽温度や日中の生育適温が20℃後半によっているナスやピーマンに対し、トマトの発芽適温は15~25℃、日中の生育適温は20~28℃と涼しい環境を好みます。
なのでナスやピーマンと同じ温室環境で管理していると、うっかりトマトにとっては暑すぎる環境になりかねません。
トマトを育苗する際は涼しい環境づくりを心がけましょう。
2.昼夜の温度差をつける
高山気候にならって、トマトの発芽・育苗では昼夜でメリハリある寒暖差をつけるように意識します。
発芽では15~25℃の中で差をつけます。
僕は発芽までは日中は暖かい部屋(20~22℃)に、夜は暖房を消した部屋(15度前後)で管理し、発芽後は、太陽光を利用した陽だまり温床で管理しています。
陽だまり温床のような、マンションベランダでもできる育苗法については、【育苗温室アイディア】せまいベランダで夏野菜を育苗する方法6選を参考ください。
3.水やりを控えめにする
トマトは乾燥気味な環境を好み、過湿を嫌います。
そもそもトマトは乾燥に適応するべく、葉っぱや茎に細かい産毛を生やしていて、これで自ら水分をキャッチする能力を備えています(すごい!)
なので水やりはなるべく控え、やや乾き気味に育てます。
水をやり過ぎるとヒョロヒョロのもやしみたいな苗になることも。
水をやるときはなるべく葉に水をかけないようにするといいようです。
4.太陽にたくさん当てる
原産地では標高が高く雲が少ないので、強い紫外線を浴びて育っているトマト。
なので、育苗期間からたくさんの日光を浴びせてあげることで元気に育ちます。
5.風通しをよくする
トマトは過湿を嫌うので、苗が大きくなってきたら適度のポット同士の間隔をひろげ、風通しを良くするのも大切です。
あまりに混雑していると病気の原因になってしまいます。
ナスの育苗のポイント
ナスはインドの高温多湿の樹林帯が原産地といわれており、そこでは川や沢沿いの落ち葉が積もった肥沃な土地で自生しています。
気候帯は熱帯モンスーン気候。夏は雨季、冬は乾季と季節に応じた明確な降雨量差があります。
そして年間を通して暖かいですが、若干の寒暖差があるような気候です。
生育前半の雨季に根を広く浅く張りめぐらせ、冬の乾季に地中深くまで直根をのばして水を吸いあげ成長します。
原産地では高さ2mを超すような高木となったナスも自生しているようです。
そんなナスの育苗のポイントは以下の5つです。
- 温度管理はメリハリをつける
- 肥沃な土で育苗する
- 水やりは毎日おこなう
- 徐々に風通しをよくする
- 直根を大事に伸ばす
1.温度管理はメリハリをつける
ナスの育苗温度をもう一度見てみますと、発芽も日中の生育にも30度近くの高温が必要です。
発芽温度 [℃] | 発芽適温 [℃] | 生育温度 [℃] | 生育適温 昼 [℃] | 生育適温 夜 [℃] | |
ナス | 15~40 | 25~30 | 8~40 | 22~30 | 16~20 |
ですが、1日中ずっと30度近い高温で管理するのNG。
ナスを生育するには1日の中で気温の変化をつける必要があるからです。
発芽に関しては、僕は種をぬらした脱脂綿にくるみ袋に入れたものをポケットに入れて発芽させるポケット催芽をしています。
日中は暖房が効いた20℃くらいの暖かい部屋においておき、気温が下がる夕方以降にポケットにいれて体温で30℃くらいに温める、というやり方で寒暖差をつけることができます。
ちなみに僕はこのやり方で発芽に成功しました!
発芽してからも、生育適温の範囲内で昼と夜にメリハリをつけて苗を生育することが大切です。
晴れた日中は苗を透明容器にいれて屋外に出し、太陽により20℃後半を確保。
そして夜間は屋内に取り込んで毛布等でくるんで15℃以上で保温する、という陽だまり温床方式でやっています。
2.肥沃な土で育苗する
ナスは肥沃な土が大好きで、成長する過程ではたくさんの栄養と水を必要とします。
肥料分が少ない土では葉っぱが枯れることもあるようです。
肥料分のおおい育苗土を用いたり、水やりで肥料分ができるだけ流出しないように大きなポリポットを使ったりするのもありかもしれません。
僕は市販の育苗土をベースにした土を使っていて、肥料分はその育苗土に含まれている分だけです。
セルトレイから10.5cmの大きめのポリポットに鉢上げすることでうまくいかないか、実験する予定です!
3. 水やりは毎日おこなう
ナスは水も大好き。大きくなるためにたくさんの水を吸収します。
発芽したら毎朝たっぷりの水を葉っぱの上からかけてあげましょう。
ただし、葉っぱの上に水がのこると病気になりやすいようなので水を払ってあげることもポイントのようです。
4.徐々に風通しをよくする
ナスは大きくて丸い葉っぱをつけるため、成長するにつれて隣り合う苗の葉っぱで風通しが悪くなりがち。
病気のリスクが大きくなるため、成長と共に隣の葉っぱ同士が触れないようにポットの距離を離していくことが大切です。
5.直根を大事に伸ばす
ナスが大きく育つためには直根を深く伸ばして水を吸う力をつけてやる必要があります。
ですから、育苗のときから直根を傷めないように丁寧に扱うことが大切です。
セルトレイからポットに鉢上げするときは要注意ですね!
あと、直根を伸ばしてやるために、大きなポリポットで育苗するのもよいそうです。
書籍によっては12cm(4号)や15cm(5号)サイズの大きなポットが推奨されています。
株数がすくない家庭菜園であれば、それくらい甘やかして育ててみてもいいかもしれません!
僕は10.5cm(3.5号)ポットでそこそこ甘やかして育苗する予定です(笑)
ピーマン・とうがらしの育苗のポイント
ピーマンはメキシコの砂漠周辺や中央~南アメリカの熱帯が原産といわれており、書籍によっては砂漠のオアシス付近とも推測されています。
水分が安定し、一年中暖かくて寒暖差が少なく、水はけのよい砂地を好みます。
そんなピーマンの育苗ポイントを紹介します。
- 高温を維持する
- 水と肥料のやりすぎに注意する
- しっかりと風通しをよくする
- 病害虫対策する
1.高温を維持する
ここでピーマン・とうがらし類の育苗温度をもう一度みてみます。
発芽温度 [℃] | 発芽適温 [℃] | 生育温度 [℃] | 生育適温 昼 [℃] | 生育適温 夜 [℃] | |
ピーマン とうがらし類 | 10~35 | 20~30 | 18~35 | 25~30 | 20~25 |
ピーマン類の生育には30度近い高温環境が必須。
とくに低温にはめっぽう弱い野菜のようです。
なので、育苗時は適正温度範囲の温かい環境をキープすることを心がけます。
温度の下がる夜間も、温室にいれたり育苗箱を毛布にくるむなどして20℃程度で保温したいところです!
12℃以下だとアントシアニンが出て葉色が紫色がかり生育が止まるようです。
最低でも15℃以上確保する環境をつくりましょう!
発芽までならポケット催芽で安定して温かい温度を確保できます。僕もそれで発芽できました!
2.水と肥料のやりすぎに注意する
育苗初期はナス同様に水をたくさん与えます。毎朝水やりをします。
ただ苗が大きくなってきたら少し乾き気味に管理するほうがベター。
表面がうっすら乾き気味くらいの状態を維持することを目指します。
また、ピーマン類はナスよりもやせた土地が原産なので、肥料分もそこまで必要ではないようです。
水分も栄養も控えめに、少々スパルタくらいがちょうど良いようですね!
3.しっかりと風通しをよくする
ピーマン類は過湿が苦手です。
風通しが悪く湿度が高い状態が続くと病害虫の原因になります。
成長と共に葉っぱが触れ合わないように離していき、風通しを確保することが大切です。
4.病害虫対策をする
ピーマン類はナス科の中では病害中による被害が多い野菜です。
育苗後半になり気温が高くなってくると、アブラムシやダニによる被害や、モザイク病のようなウイルス病が発生しやすくなるようです。
育苗後半では、毎日葉の裏を含む株全体を観察して、対処するのが大切です。
参考書籍
今回の記事のために参考にした主な本を示しておきます。
参考書籍① 「苗で決まる!自然菜園 野菜の本気を引き出す」竹内孝功著
参考書籍② 「野菜の性格アイデア栽培」木嶋利男著
これらの本では栽培テクニックだけではなく、「なぜそれをする必要があるのか?」という理由まで書いてくれています。
なんでなんで?と逐一ギモンを持ってしまう僕ですが、「なるほど、だからそうするのか~」とうなずくことがたくさん書いてありました。
実際栽培するときに、一つ一つの行動に(自分なりにでも)理由をもってできたら2倍も3倍も楽しいですもんね。
そのほうが、工夫のアイディアも出てくるはずです!
より深く学びたい方はぜひ読んでみてください。
まとめ
今回は、夏野菜のメイン、トマト、ナス、ピーマン・とうがらし類の育苗温度を中心に育苗のポイントについて書きました。
自分で調べながら、同じナス科とはいえ、原産地も異なれば育苗のポイントもぜんぜん違うんだな~と勉強になりました!
初めての夏野菜の育苗ですが、果たしてうまくできるのでしょうか(笑)
ここでの学びを活かしたいと思います!
皆さんも楽しんでいきましょう!
では、また。
コメント