企業が求める博士像とは?博士が就活でアピールするべき6つの強み

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就職活動

こんにちは。小心者ハカセのただなおです。

博士って就活でどんな強みをアピールしたらいいのかなぁ…

企業ってどんな強みを博士に求めてるんだろう…

今回はこのような疑問にお答えします。

博士になって就活を始めようとしている方や、将来的に博士の就活を控えている方は、いざ自分の強みやアピールを考えようとすると

「あれ、自分の強みってなんだ?というか博士って何をアピールしたいいんだ?」

となってしまいますよね。

今回は信頼できる文科省の調査データをもとに企業が求める博士人材像を把握し、逆算的に博士がアピールするべき資質や強みについて紹介したいと思います。

また記事の後半では、自身の強みを見出し、そのアピール方法を修得できるツールやコツについても紹介します。

それでは行きましょう。

この記事で分かること
  • 国内企業が博士新卒に求める能力はなにか
  • 博士が就活でアピールするべき強み、スキルはなにか
  • 博士が自分の強みを理解する方法や、効果的なアピール方法を修得できるサービスやツール

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博士は企業の期待を理解して自己PRを作るべし

学部生や修士生は年齢的な若さによるポテンシャル採用が主流です。

一方で、学部卒よりも5年長く研究に打ち込んだ博士卒には、やはり専門性やスキルを武器にした即戦力性が期待される傾向にあります。

とくに研究開発職希望の場合は、実験器具の扱いなどの実務スキルや専門知識などを軸に、自分がどのような形で貢献できるか、より具体的に示していく必要があります。

その際に企業があまり重視していない点をやたらに強調しても意味がありません。

企業がどのような資質を博士に期待するのかポイントをおさえてPRを考えることで、人事に刺さるアピールが可能となります。

人事のツボを狙い打ちしていきましょう!

企業が求める博士人材像とは

それでは一体、企業は博士人材にどのようなことを求めているのでしょうか。

文部科学省の「民間企業の研究活動に関する調査報告2022」では、研究開発採用のなかで博士人材の採用時に重視する項目を企業人事にアンケートした結果をまとめています。

出典:文部科学省「民間企業の研究活動に関する調査報告2022」(各企業、10の選択肢から重視する項目最大3つを回答)

これによると博士新卒人材に求める主要な項目は以下の通りです。

博士人材を採用する際に重視すること
  1. 研究開発者としての資質や潜在能力が高いと考えられる(55.8%)
  2. 自社にとって重要な分野を専門としている(45.5%)
  3. 取り組むべき新たな課題を自ら見出すことや、既存の方法を変革して新しい社会的価値を生み出すことが期待できる(44.5%)
  4. 研究開発の即戦力として期待できる(42.8%)

やっぱり研究開発者としての資質とか専門性を活かした即戦力性が重要視されてるんだなぁ

「自分で課題設定して既存の方法を変革」できる人材かぁ…。国際的な研究開発活動への対応は意外と優先度低いんだね

博士は研究で培ってきた専門性や課題設定・解決力を活かし、自ら課題点を見出し、企業や社会にとって新しい価値を生み出すことが期待されているのです

学士・修士卒よりも強く求められている資質とは?

それじゃあさ、学士や修士卒に比べて博士により強く求めることって何?

お、確かにそこは気になるところですよね!

学部生や修士生よりも、博士にこそ強く求める項目が分かれば、面接でそこをアピールすれば人事に刺さる可能性も高まります。

同上の調査では「学士・修士新卒」に対して同じく重視する項目についてアンケートを取っています。

博士のアンケート結果と一緒にグラフにすると下の通りになります。

文部科学省「民間企業の研究活動に関する調査2022」データを基に作成

学士・修士には研究開発者としての即戦力性はあまり求めず、一方で社内の他部門と協力すること、研究者としてのポテンシャル、社内の他部門とうまく協力することが求められているようです。

さて、本題である「博士にこそ強く求める資質」をはっきりさせるために、各項目のポイントで「(博士)/(学士・修士)」の比を求めてみました。

ポイント比が1よりも大きい項目ほど博士に期待していると考えられます。

この結果から、学士・修士に比べて博士を採用するときにより重視する項目は

学士・修士に比べて博士人材により強く求めること
  1. 国際的な研究開発活動に対応する能力が高い
  2. 研究開発の即戦力として期待できる
  3. 社外の機関・組織との連携や協力に関して、大きな成果をあげることが期待できる
  4. 自社にとって重要な分野を専門としている

となっています。

へぇ~やっぱ国際学会とか論文で英語慣れしてるのって有利なのかぁ

国際性を求める一部の企業(石油・石炭・ゴム製品製造業界など)は、分野の先端研究動向にアンテナを張った研究や、英語力を生かした海外企業との連携などにも期待しているのでしょう。

即戦力性は想像通りだね。社外の機関との連携って、共同研究とかかな?

そうですね!博士には大学で周囲と協力しながら成果を挙げてきた力を活かし、企業でも社内外メンバーを巻き込みながら価値を生み出すことを期待されていると考えられます

博士が面接でアピールするべきこととは?

企業が博士採用に重視することを踏まえると、以下のような資質、スキルを強みとしてアピールすることが効果的でしょう。

ひとつずつ説明していきますね。

重要分野で役立つ専門性を持つこと

博士は、企業が重視する事業分野に貢献できる専門性を有し、即戦力となれることを積極的にアピールしましょう

ただし博士の研究を語る際には「研究内容やその新規性、重要性」ばかりを説明することのないように注意することです。

そうではなく「研究で身につけた専門性やスキルが企業にどう生かせるか」をより強調し、企業に役立つ人材になれることをアピールするのです。

企業HPやOB訪問だけでなく、学会での人脈を利用して積極的に企業情報を集め、自分の専門性とうまく絡めた自己PRを考えましょう。

>>【学会の人脈は最強】博士の就活を成功に導く人脈を学会でつくる7つの方法

企業人事は、高い専門性を発揮して重要分野で成果を挙げてくれる人を求めています!

課題設定と問題解決力

博士がアピールするべきことの2つ目は、課題設定力と問題解決力です。

昨今の企業では、進化スピードの速い先行き不透明な社会のなかでも新しい価値を生み出すために、自ら課題を見出し、解決できる人材を求めています。

そのためには、現状を批判的に分析して、見出した課題の解決までの道筋を計画し、状況に応じて柔軟に方針を修正しながら仕事を進めていくことが重要です。

博士学生は日々の研究で、結果や課題に対して仮説を立て、実験方法の計画、検証、分析を行い、そしてまた次の課題抽出へ…というようにPDCAを自然と回しています。

論文を書けるということは、PDCAの積み重ねによって一つの課題を解決し、新しい価値を生み出したことに他なりません。

このような博士の研究で培った課題設定力や問題解決力は積極的にアピールしていきましょう。

自己管理能力

「新しい課題を見出し、価値につなげる」ことができるアピールポイントとしては、自己管理能力も挙げられます。

自己管理能力とは、目標や達成までの計画を自ら考え、状況に応じて進め方や時には目標自体を修正したり、場合によっては人を頼ったりしながら、成果のために自分の行動を管理できる資質のことです。

また仕事を長期的に捉え、疲れている際は適宜休息をとるなど、心身の状態に応じてメリハリをつけた仕事ができる資質のことも指します。

企業では周囲のサポートもありますが、基本的には自分の業務・体調は自分で管理できなければいけません。

博士時代ではほとんどの場面で、自分で目標を立て、自分の判断で適宜実験方法を修正したりラボメンバーに相談したりしながら研究を実施してきたと思います。

中には、体調を崩した時期もあったけど、それをきっかけに計画性を身に着け、論文投稿を果たせた人もいるのではないでしょうか。

自己管理能力は企業でも間違いなく求められることなので、具体的なエピソードとともにアピールしていきましょう。

コミュニケーション力

課題解決は一人では困難なことがほとんどです。

研究開発でも異分野連携はもはや当たり前で、社内外問わず周りのメンバーと協力しなければ成り立たない仕事がほとんどです。

そんな理由から、メンバーの専門性や立場に合わせて柔軟にコミュニケーションを図り、効果的に仕事を進められる人材が強く求められています

博士の研究でも例えば共同研究で成果を挙げたことは強いアピールポイントになります。

また共同研究でなくてもラボで先輩や後輩、教員たちとデータの意味することや次の一手を日々議論しながら成果を挙げられたことも、コミュニケーションスキルの賜物です。

ぜひとも具体的なエピソードとともにコミュニケーション力をアピールしましょう。

論理的思考・説明力

仕事ではなににおいても論理性が求められます。

研究開発の場では、データを基にしながら課題抽出や今後の方針を論理的に判断していきます。

またメンバーへの提案や協力を仰ぐ際にも、時にデータを示しながら筋道をたてて論理的に説明しなければ相手を納得させることができません

博士学生は日々の研究ルーティンの中だけでなく、論文執筆や学会発表によっても論理性が鍛えられています。

自らの気づきを論理的に説明し、研究方針の軌道修正をラボに提案した人もいるかもしれませんね。

このような高度な論理的思考力や説明力をアピールポイントして、企業の即戦力になれることを前面に押しだしていきましょう。

周囲を巻き込む力

企業が博士に期待する「既存の方法を変革して、新しい価値を生み出す」ことができる資質をアピールするために、周囲を巻き込んでいく力を強調するとなおよいでしょう。

上述の通り、変化の速い昨今では、仕事はもらうものでなく自分で創り出していくことが強く求められています。

といっても、自分で新しいテーマを立ち上げ舵取りしていくことは責任の伴う大変勇気がいることです。

その中でも、批判を恐れず提案をして周囲を説得しながらメンバーを集い、物事を改善に向けて動かせる高いリーダーシップを有する人材はとても貴重でしょう。

もはやこの力は上で挙げた課題解決力やコミュニケーション力、論理的思考・説明力など、あらゆるスキルの総力といえます。

たとえば博士の研究で新しいテーマを創出し、周りの学生や教員を巻き込みながら成果をあげた経験は、企業でも確実に生かすことができます。

研究でなくても、たとえばラボの環境や文化、運営体制など既存の状態に異を唱えて改善に向けた働きかけをしたり、研究室間の勉強会など新しいイベントを企画運営したりなど…

苦労しながらも自分発信で現状を変えようと周りに働きかけ、行動に移した経験がある人は、どんどんアピールしていきましょう

たとえ成果に繋がらなかったとしても、そこで得た学びや教訓を言語化、一般化し、次に生かそうとそする姿勢を示すことでも十分アピールになります

自分の強みやアピール方法が分からない人はどうしたらいい?

いやぁそうはいってもさぁ、自分の強みっていまいちわかんないんだよなぁ

という人も多いと思います。

ここでは、実際に私も就活で実践した、強みを見出し、そのアピール方法を修得するための方法をお話ししますね。

博士向けのキャリアイベントに参加する

アカリク博士情報エンジンwakateでは、博士限定のキャリアイベントや就活セミナーが随時開催されています。

博士就活のプロ講師から、博士の強みやエピソードを交えた実践的なアピール方法などを具体的に学ぶことができます。

また、博士限定の企業マッチングイベントなどに参加すれば、他の博士学生の自己PRも聞くことができます。

私の経験では他の博士学生のPRの切り口がとても参考になり、以降たくさんマネさせてもらいました。

博士対象のイベントに参加し、プロのアドバイザーや他学生から積極的に技を盗みましょう。

>>【8つの用途別に紹介】大学院生(修士・博士)におススメの就活サービスまとめ

モチベーショングラフをつくる

モチベーショングラフとは、自分の人生のなかであった出来事を時系列に並べ、その時のモチベーション度合いをグラフ化したものです。

これを書き起こすことで、自分の強みを見出すヒントが得られるだけでなく、書き出したイベントがそのまま自己PRでの具体的な根拠エピソードになるメリットもあります

参考までに当時つくった私のグラフを載せておきます(汚いのはご容赦ください)。

モチベーションが高く維持できている時や、低いところから高いところに動く時は、自分の努力や強みが表れていることが多いです。

また人生レベルでみると、モチベーションが上下動している要因の共通点に気づくこともあります。

こうした要素を言語化することで、自分の価値観や適性、強み・弱みに気づくことができるでしょう。

ぜひ一度自分のモチベーショングラフを作成してみることをおススメします。

適正診断サービス・ツールを活用する

手軽に強みを知りたい方は、アンケートをこたえることで統計的に自分の適性や強みを教えてくれるサービスの利用もアリです。

こうした適性診断を使うメリットは、自分が自覚していない強みも発掘できる点です。

適性診断の回答を見て「確かにこの強みが発揮されたシーンがあったな」と認識させられることも多々あります。

適性診断サービスを使うときは、質問数が多く、信頼性と精度の高いものを使いましょう。

私は、逆求人就活サイトOfferBoxにて無料で使えるAnalyze U+というツールと

有料ですがストレングスファインダーという本の購入者のみが使えるウェブ診断に大変お世話になりました。

いずれも質問項目が豊富なため精度も高く、各強みの活かし方まで丁寧に教えてくれていますので、気になる方はぜひ。

キャリアアドバイザーに相談する

最後に、大学や民間就職エージェントのキャリアアドバイザーに相談しながら強みを見出すのもおススメします。

なぜなら、自分だけで強みを見出すには限界があるうえに、人と話す中で思考が整理され、強みを認識することも多くあるからです。

身近な友人や教員に相談するのも良いですが、やはり何百人もの就活生をカウンセリングしてきたプロに相談するほうが効果的です。

ただ、大学のキャリア相談室はアドバイザー人数が少なく時期によっては予約が埋まっていることも多いので、就職エージェントとうまく併用しましょう。

私も、大学のキャリア相談室と民間エージェントの両方を利用していました

民間の新卒向けエージェントは就活相談以外にも、求人紹介やES・面接アドバイスなど、専任アドバイザーが就活全般を徹底サポートしてくれます。

就職エージェントはたくさんあり、中には博士人材のサポート実績の薄いものもあります。

利用する際は事前によく調べておきましょう。

以下の記事では、博士学生にもおススメできるエージェントを紹介しています。

どれを使えばいいかわからんって方はぜひ参考ください。

>>複数併用すべし!エージェントを使って就活を成功させる5つのコツ

まとめ

この記事では企業が博士人材に期待することを紹介し、それにもとづいて博士がアピールするべき強みを説明してきました。

最後にまとめましょう。

この記事のまとめ
  • 博士には研究者としての資質や重要分野の専門性を有すること、即戦力としての活躍を期待している
  • 加えて自ら新しい課題を見出し、社内外と連携しながら新しい価値を創り出していくことも期待されている
  • 博士の就活では専門性だけでなく、大学で培った課題設定・解決力や自己管理能力、論理的思考力、コミュニケーション力、周囲を巻き込む力を積極的にアピールするべし
  • 自分の強みやアピール方法は、キャリアイベントやモチベーショングラフ、適性診断ツール、キャリアアドバイザーへの相談などによって理解を深められる

博士人材の採用においては確かに学部や修士よりも高いレベルを求められる傾向にあります。

人によっては「大した成果が出ていない自分なんか…」とネガティブになるかもしれません。

ですが成果がなくとも、物事への取り組み方や失敗の中での学びや教訓、それらをどう次に生かそうとしているのかといったことも企業人事は重視しています。

博士の就活は基本的に準備時間が限られています。

この記事を参考にしながら早め早めの自己分析で自分の強みを言語化し、効果的な自己アピールをしていきましょう。

>>博士の就活はいつから?何から始める?博士の就活時期や注意点を徹底解説

以上になります。この記事が悩める博士学生に少しでも参考になれば幸いです。

就活ファイトです!

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