研究室で進捗がないときの報告ネタ3選!炎上を防ぐテクニックも伝授

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研究

やばい、次の報告会ぜんぜん進捗ない…

装置が壊れて全然実験できない…進捗報告どうしよ…

今回はこんな声にお応えします!

研究室で進捗がない時の進捗報告会ほどつらいものはありませんよね。

後輩にもよく「やばいっす、進捗ないっす」と相談されました。

ただ話を聞けば、案外ネタ持ってるやんってケースが結構あったんですね。

はたから見れば立派な進捗ネタ(の種)なのに、本人が報告する価値がないと思いこんでいるケースが多い。

あるいは、ネタの種を「進捗内容」として成立させるテクニックを知らないが故に無駄に焦っているケースも。

今回は「進捗がない!」と焦っている方に、進捗報告ネタのアイディア報告テクニックを解説します!

この記事が役立つ人
  • 進捗がなくて焦っている人
  • 進捗が少なくて炎上しないか不安な人
  • 進捗報告で炎上しない報告テクニックを知りたい人

では行きましょう!

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進捗が少なくても炎上しないためのコツ

まず、進捗が少ない中でも、炎上しないようにうまく報告するための重要なコツをお伝えします。

進捗が少なくても炎上しないためのコツ
  • PDCAを意識して報告する
  • テーマを前進させるための課題をうまく設定する
  • データをきっちり集めておく

そもそも、進捗報告の発表テンプレが知りたい人は、以下の記事を参考ください。

>>【炎上しないスライド構成】研究室の進捗報告テンプレを紹介

PDCAを意識して報告する

PDCAとは「Plan(計画)→Do(実施)→Check(分析)→Act(改善)」のこと。

仕事や研究をうまく回すためのフレームワークです。

進捗報告では、このPDCAのフレームワークを意識して報告することがコツ。

とくにCとAまで強調することがミソ。炎上しがちな人は、PとDばかり報告してるケースが多いです。

カンタンな2つの報告例でみてみましょう

前回の実験で~~という結果だったので、今回は~~をしようと考えました[Plan]。~~と~~を実施したのですが、~~となりうまくいきませんでした[Do]

やったこと[Do]までしか報告できてないですね。イラついた教授からこう言われます。

…で!?次はどうするん?そこを考えてよ!!

次の例を見てみましょう。

前回の実験で~~という結果だったので、今回は~~をしようと考えました[Plan]。~~と~~を実施したのですが、~~となりうまくいきませんでした[Do]~~をよく見てみると~~となっていて、~~が原因だと考えられます[Check]これをふまえて、今後は~~を~~に変えて実験してみようと思います[Act]

[Do]の結果を丁寧に[Check]して考察したうえで、次の[Act]を提案しています。

教授はこんなコメントをしてくれるでしょう。

ふむ。それもいいけど、~~が原因って可能性もあるんじゃないか?~~も試してみてはどうだろうか。

「C」と「A」が議論の土台となるので、教授が別の視点をくれたりアドバイスをしてくれるようになります。

少ないデータでも、「C」と「A」を深く考えられていると炎上しづらくなるのです。

テーマを前進させるための課題をうまく設定する

進捗が少ないのに報告内容が充実する人は、事象から課題を見つけるのがうまいです。

たとえば、装置トラブルで実験がうまくいかなかったときのケース。

悪くないがもう一声欲しい!

前回の結果をふまえ、今回は~~を試みました[Plan]。が、装置エラーで実験失敗。分析で、~~劣化による~~の誤作動が原因だとわかりました[Do & Check]。次回までに修理して再度~~をしてきます[Act]

これでも全然悪くないです。エラー原因まで突き止めて、PDCAをちゃんと回せてます。

でもこれだと「失敗原因は分かったので再実験します」にとどまり、テーマとしては実質何も進捗がありません

ただ、デキル人は独自の視点で課題を掘り起こし、どうにかテーマを前に進めようとします。

例えばこんなかんじ

課題設定のうまい人

前回の結果をふまえ、今回は~~を試みました[Plan]。が、装置エラーで実験失敗。分析で、~~劣化による~~の誤作動が原因だとわかりました[Do & Check]。ただ、~~劣化による故障は今後も定期発生する可能性が高く、そのたびに原因調査に時間がとられるのは長期的に実験効率を下げます[課題の設定]。そこで、改善策をいくつかリストアップしました[一歩ふみこんだDo]。先生のご意見をうかがい、採用の流れになれば装置に適用したいと思います[Check & Act]

単発の装置エラーを長期視点で捉えてうまく課題として設定し、一歩ふみこんだDoまで実施しています。

些細な失敗やできごとでも「テーマの発展に活かすことはできないか」と考えるクセをつけること。

これにより、独自の切り口で課題設定することが少しずつうまくなっていきます。

データをきっちりと集めておく

データをきっちりと残していないことで炎上してしまうケースも度々みました。

とくに装置トラブルに見舞われた人、実験中にミスが発覚した人など、マイナスな出来事が起きた人によく見られます。

マイナスな出来事が起きる → 会議ではテキストのみで報告 → 教授「データ見せて」 → 学生「データ取ってないです」 → 議論が進まない → 炎上

このパターンですね。

「失敗したデータだから」と勝手に役に立たないと決めつけ、データを残さないで実験を終わってしまうとこのパターンになりがち。

しょうもない(と思える)失敗やトラブルも、それを課題と捉えてPDCAを回せば立派な進捗報告にできます。

データや写真を残していない人は、自らその線を断ち切っているのです。

だから「報告ネタがない」と焦るか「失敗しました」という口頭報告に終わってしまう。

データや写真を示せば情報量は圧倒的に増えますデータを示すだけで議論が盛り上がることは多々あります。

これからは些細なことも、スマホ写真でもなんでもデータを残しまくりましょう。

進捗がないと思ったときの報告ネタ3選

ここからは「進捗がない(汗)」と焦っている人に向けて、ネタとして使える具体的なアイディアと報告のコツをお話します。

自分が報告できることはないか考えながらご覧ください~!

進捗がないと思ったときの報告ネタ3選
  1. 失敗をネタにする
  2. 論文調査をネタにする
  3. 装置トラブルをネタにする

1. 失敗をネタにする

何かしらやったけど失敗だったから進捗がないと思いこんでいるパターン。

「進捗がない」と嘆く人に最も多いケースがこれです。

こういう人は、まず「失敗はうまくいかない方法を明らかにした重要な知見である」という認識をもつちましょう。

で、具体的に何を、どう報告するか。

まずはうまくいかなかった状況を示す画像やデータたくさん集めておくこと。

失敗だったからといってデータなしの報告だと、それこそ何もやっていないように見られます。

で、報告する際のコツは、やはりPDCAを強調すること。つまり、こんなかんじ。

失敗ネタでもPDCAを強調して報告

もともとこんな計画を立てて[Plan]、実施したがうまくいかなかった[Do]。分析して失敗の要因が見えてきたから[Check]、次はこうしようと思っています[Act]

失敗報告でも燃えがちな人は、うまくいかなかった事実報告、つまりDoだけで話を終える人。

一方、その原因と対策の提案、つまりCheckとActまで1セットで報告する燃えづらいです。

さらに先述のように、独自に課題を見つけて深掘りできていると、よりgood!

失敗原因は、状況証拠や、文献、解析結果などから推察するのがベターです。

その上で、改善策の提案までできれば十分でしょう。

2.  論文調査をネタにする

雑誌会(論文紹介)の準備や論文執筆などに追われてしまい

「論文読み込みしかできていないよ~」って人。

論文調査もうまくやれば進捗報告ネタに昇華できます。

その時のコツは、またしてもPDCAのフレームワークを使うのがミソ。

失敗ネタでもPDCAを強調して報告

自分の研究の~~をする・調べるために[Plan]、先行文献を調査した[Do]。その結果~~が分かった[Check]。これを踏まえて自分の研究では~~しようと思う[Act]

こんなかんじです。

ここで難しいのは、既に読んだ論文内容のどの知見を自分の研究に役立つ知見としてピックアップするか

つまり、CheckとActを決めるのが難しいです。

ですが、それさえできれば、Plan(論文調査の目的)は自ずと決まります。

CheckとActの見極めはテーマ理解への深まりとともにできるようになります。

ここではCheckとActとして論文からよくピックアップする知見の例をいくつか挙げときます。参考ください。

実験手法/実験条件・環境/実験水準/実験パラメータ/使用装置/評価原理/サンプル状態/サンプル構造/実験結果/解析方法/解析モデル/計算モデル/理論式/考察の切り口 など

私はたまに、論文から新しい解析手法や考察の切り口をつかんで、少し解析してみたうえで

「自分のデータに適用するとこんな解釈もできるかと思います」

と、ちょっとクールぶって別角度の議論を提起する、みたいなことをしてました。

ただ、考察の元になる理論の理解が浅すぎて、ボヤ騒ぎになったこともあるので注意してください

3. 装置トラブルをネタにする

装置不良で何も実験できなかった人は、その故障をネタにすることも可能です。

この時に気をつけることもやはりPDCA。とくに「C」と「A」の強調

故障状況とそれに対する対応をデータや写真とともに丁寧に話すこと[Check]

それから、修理の完了見込み時期と、代替案や別でできることを示す[Act]

これがとても大切です。

さらにトラブルを一過性のものと見過ごさず、根本改善する別の方法はなかろうかと、自ら課題を設定できれば一流です!

マジで何もやってない時の応急処置

ここまで読んで、自信を持って(?)「ホンマに何もやってないです!」と言い切れる人。

ここからは、そんな人に向けて私からできる最後のアドバイスです。

今からでもあがこう(笑)

報告日まで数日残されてるなら、できることは案外まだあります。

以下で、そのアイディアを3つ授けるのでどうにかやってみてください(笑)

マジで何もやってない時の応急処置3選
  1. 論文調査
  2. 軽微な実験(準備含む)
  3. 過去データの深掘り

ま、とはいえ、できることにも限界があるので炎上は覚悟しときましょう…

1. 論文調査

あと2、3日あるなら、わりと内容の濃い論文調査報告は可能です。

炎上しない具体的なコツは、上述を参考ください。

注意点は、目的を決めずに漠然と読むのはタブーです。時間が過ぎ去るだけです。

「自分の研究に役立てるために読んだ」というストーリーに仕立て上げるため、文献調査の目的をはっきり定めることが大切。

例えば、実験パラメータを決めるため、とか、検証手法を決めるため、とかですね。

別の切り口も上で挙げてるので参考ください。

2. 軽微な実験(準備含む)

わざわざ書き起こす必要もないですが…

軽微な実験ならできることがあるかもしれません。

今一度、2、3日ぐらいでできる実験がないか探してみてください。

3. 過去データの深掘り

過去にすでに取ったデータを深掘りするのも一つの案です。

例えば、過去のボツデータの分析をして失敗原因を推察してみたり、とか。

私の後輩にこんな学生がいました。

材料作成装置の故障が頻発し、しばらくの期間、全く実験できなかった彼。

彼は考えました…

これまでの失敗データ(卒業した先輩のデータまでさかのぼっていた)の実験パラメータと水準を全て整理。

先行文献の情報をふまえて、次の作成条件のパラメータと水準の優先付けをしたのです。

しかも各水準で生じ得る材料特性の変化をエビデンスをもって推察し、優先順位をつけていました。

それらをまとめた一覧表もつくり、その際の進捗では

「とても分かりやすいですねぇ…」

と教授に言わしめたのでした。

めでたし、めでたし。 

進捗が少なくなることが見通せている場合の乗り切り方

最後に、次回の報告会までにある程度時間が残されているけど、進捗が少なくなることが見通せている場合のアドバイスを送ります。

実際によくあるケース別で紹介しますね。

進捗が少なくなる代表的なケース
  • インターンでラボに来れない
  • 就活で実験量が減る
  • 学会出張で実験量が減る
  • 装置が故障して実験できない

これらについて事前にできる対策をアドバイスします。

インターンでラボに来れない

一番いいのは、まえもって教授に了承を取っておくこと。

事前連絡なしに報告当日に「インターンだったので進捗が少ないです…」は炎上のもと。

きっちり事前に合意を取っておくのがスマートです。

あるいは、事前に大量にデータをとる余裕があるなら、次で紹介するデータの小出し作戦が有効かもしれません。↓を参考ください。

就活で実験量が減る

おそらく大抵の研究室では、「就活があっても研究はちゃんと進めてね」が暗黙の了解になっているかと。

そういうときは、事前に実験データを大量にとっておいて進捗報告会でデータを小出しにする

これがおススメ。

で、その際の報告ではPDCAの「C」と「A」をきっちり強調しましょう。

いかにも「やってます感」を演出するのです。

ん~なんだか気が引けるなぁ…ホントはやってるのに、まだやってないフリしていいのかなぁ…

要領の人いい人は案外やってます(笑)

というか、これくらいのしたたかさは許容されるでしょう。現実的に時間ないですもんね。

学会出張で実験量が減る

学会でも、上で述べた就活と同様、データの小出し戦法が使えます。

で、ちょっとレベルは高いですが、学会レポートを作成して進捗会議で報告する、というアイディアもあります。

その際は、以下の点を自分なりにまとめてスライドに書き起こしておきます。

学会レポートの内容
  • 学会の概要・規模(スライド1枚程度)
    参加人数、発表総件数、研究カテゴリーごとの発表件数、 企業出展数、参加国数 など
  • 学会全体を通しての所感(スライド1枚程度)
    分野の研究トレンド、企業の開発動向、類似テーマを研究するグループの動向 など
  • 自分の発表に対する聴講者の反応(スライド1、2枚程度)
    質疑応答の内容、発表後に声をかけられた内容 など
  • 聴講した他グループの発表概要(1発表につき1スライド程度) 
    実験方法、結果、考察、自分のコメントなど、(アブストも参考に)

装置が故障して実験できない

無難なのが、論文調査です。

新しい解析方法や、次の実験水準、新し考察の切り口を見つけて、自分の研究に役立てる知見を見つけるのがよいでしょう。

具体的なコツは、 上述の論文調査をネタにするを参考ください。

あとは、過去データの深掘りもできます。これも上で述べた、過去データの深掘りを参考ください。

まとめ

進捗がないと焦っている人も、案外報告ネタ(の種)を持っていることがあること、お気づきいただけたでしょうか。

今回の記事では、些細な出来事や失敗を、うまく報告ネタに仕上げるテクニックをお伝えしました。

最後にまとめましょう。

まとめ
  • 少ない進捗でも報告レベルを上げるには、①PDCA構成で伝える、②課題をうまく設定する、③些細なデータもとりこぼさないことが大切!
  • 進捗がない(汗)と思った時でも、①失敗、②論文調査、③装置トラブルは、十分な報告ネタに昇華できる!
  • ホントに何もやっていない人も、まだ数日あるなら、①論文調査、②軽微な実験、③過去データの深掘りで、今から進捗ネタを作ることができる!
  • 予め、進捗が少なくなる見通しがある場合、①教授との合意形成、②データの小出し、③学会レポート、などで乗り切ることができる!

以上です!

別の記事では、忙しい院生あるある「雑誌会準備が間に合わない(汗)」を解決する技も紹介してますので、よければどうぞ。

>>【時間がない人必見】雑誌会準備が間に合わない人を救う裏ワザ5選

この記事がどなたかの役に立てば幸いです!

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