少し前の記事で、八木仁平さんの著書「世界一わかりやすい『やりたいこと』の見つけ方」のメソッドに沿って、自分の「価値観」を明確にした。
>>【研究職が生き方を再考する①】自分が世に広めたい価値観を考える
ただあれからまた時が流れ、断続的に自分の価値観に思いを馳せつつ日々を送る中で、少々更新されたので書き残しておく。
一度でも本気で価値観を言語化すると自分の感覚に敏感になる
ちょっと前置きとして話したい。
冒頭でもふれた以前の記事で、人生で一番といっていいほど本気になって自分の価値観「大事に思うこと」を言語化した。
するとだな。
その以前、以後で、日常の中で感じる自分の些細な感情の揺れ動きや、充実感、違和感などを敏感にとらえ、そしてその理由を言葉にできるようになった。
要は、自分の感覚にとても敏感になったと感じたわけ。
たとえば、僕は最近、貸農園を借りて家庭菜園をはじめたのだが、苗をどこに植えるかを農園の社長さんに相談しているときにかなりのワクワク感を持っている自分に気づいた。
以前ならそんな感覚、気づく自分ではなかった。
ワクワク感に気づいたのち、「あ~、これって、自分の好奇心がめっちゃ刺激されてるからやわぁ」と再認識するのである。
自分の価値観の一つである「好奇心」のツボを押されている自分を敏感に捉えられているのである。
それから別の例。
電車の中で見かけた、見知らぬ母子。話内容から察するに、どこか電車ミュージアム的なところに行く感じ。
子供のテンションが結構たかく、そのお母さんに忙しなく話かけている。
僕がほほえましく見ていると、そのお母さんが「しーっ。静かにしてっ」とその子供の言葉を制してしまった。
僕から見れば、いやそんなにうるさなかったと思う。
この光景を見たときすごい違和感を感じてしまった。
そしてすぐにその理由がまたも「好奇心」という自分の大事な価値観からきていることが理解できた。
子供の無邪気な好奇心からくるワクワクを、大人の勝手な都合や世間体(電車では静かにせねばならない、的な)で抑圧するな、とすぐに言葉になったからだ。
ここでさらに、「あ、”無邪気”って言葉、すんごいしっくりくる。あ、そうやわ、オレってこれまで無邪気にふるまっている時にめちゃ自分らしかったし夢中に生きられてたわ」と、自分にしっくりくる価値観ワードに出合えたのである。
この2つの例のように、価値観を深堀りするまでは刹那的な感覚としてあった「モヤモヤ」や「ワクワク」が、深掘り以後は、そんな場面に出くわす度に自分の価値観を強化するだけでなく、さらに自分にフィットする表現に洗練されていったのである。
価値観ピラミッドを更新
さて、そんな感じで、日々の暮らしの中で価値観センサーが敏感になったおかげで、以前ワークで出した価値観が洗練された。
以前の記事でまとめた価値観はこれだった。
で、当時から、上位の「没頭」→「親密」→「心地よさ」のつながりに、ちょっと自分自身違和感があって、なんかもっとしっくりくるものがありそうやな~なんて思っていた。
で、そこが主に洗練されて、新しい価値観はこんな感じになった。
更新されたのは、上位3つ①~③の価値観とそのつながり。
とくに、自分の中でもともとの①「心地よさ」で言い表したかったニュアンスが、更新バージョンの①~③で具体化できたかんじ。
自分にとっての「心地いい」状態ってのは、つまるところ…
やってて楽しいことに無邪気にはしゃいだり、わがままに、まるで子供のように好奇心ベースでのびのび活動できて
かつ
そんな無邪気で素の自分がちゃんと受容されていると感じられる人間関係に囲まれている状態やわ。
って言語化できまして。
例えば、年末に親族が集まっている実家や、仲のいい友達と集う時や、院時代のラボで実験していた時、マジで居心地よかった。
で、それらに共通するのが、まさに自分がいい意味でも悪い意味でも「無邪気」にふるまえて、かつそれが当たり前に受け入れられている時。
信頼する教授と議論の末に新発見をして「研究おんもろ!」って叫んじゃう自分とか
妻の友達とのカードゲームでくっそほどはしゃいじゃう自分とか。
(自分の中の感覚なので、読者さんにとってはマジどうでもいいところなんですが…)
で、あと、僕ってめっちゃ競争きらいなんです。これは最近つよく認識しました。
分かりやすいトーナメント戦とか、あんま好きじゃなくて。優秀か否かみたいな下世話な話も嫌い。あとはシンプルにケンカとか嫌い。ピリついた空気感もいや。
職場で僕じゃない他の誰かのグチを上司たちが話しているのを聞いたりとか、先輩たちが上司のグチを吐きまくる飲み会とか、教授が誰かの進捗報告にイラついている雰囲気を察したときとかね。
直接自分が言われてるわけじゃないのに、心臓がドキドキしてくるわけ。
でこれってなんでかな~と思うと、そこに「穏やかさ」とか「精神的なゆるやかさ」とか、もっと言えば「愛」がないと感じてしまうからだと思えた。
だからちゃんと振り返れば、これまで自分は、無邪気にふるまう自分を受け入れてくれるような人と(無意識的に)親密になろうとしてきたし
そんな穏やかな状況を作ろう、維持しようとふるまっていた。
そしてそれは、自分が心の奥底で、愛の深い「和」ある状態を望んでいたからだ、と一本筋が通った。
「和」ある状態だからこそ、安心して「無邪気」をさらけ出せるんやわ、と。
これからも、そういう人と深い関係を築き続けたいし、「和」を築き続けたい。
そのうえで好奇心に従って無邪気かつマイペースに生きる存在でありたいし
周りの人にも、平和で愛ある世界で、何にも縛られずに無邪気に生きられるようになってほしい。
・・・
やり方は、ぜんぜんわからんけど(笑)
。。。
と、いうかんじww
「仕事の目的」も更新
ここまで、自分の大事にしたい思いが言語化できたので、ついでに「仕事の目的」も更新しておく。
以前の記事にて、仕事の目的は
仕事の目的:創作&新体験のワクワクで心が満たされて生きる人を増やす
だった。
で、この仕事の目的は、これまで何か人に価値を与えようとしてきた経験を深堀りすることで見出した。
もう一度いまの視点でこれらの経験を見てみて、与えようとしていた価値観の”本質”というか、根っこのところにある「大事なこと」を整理したい。
経験 | 与えようとした価値 (赤字が価値観キーワード) | 与えようとしていた価値 (更新ver) |
---|---|---|
後輩の博士課程進学の悩みを悩み相談を受けてワクワクする道を選ぶのがいいよと伝えた | 好奇心、ワクワク | ★ |
育てすぎて余った野菜の苗を友人家族に譲った | 作物を自分の手で育て、収穫するワクワク体験 | ★ |
自分がやって楽しいと思った貸し農園での畑栽培をめっちゃ友達家族に勧めた | 好奇心 | ★ |
結婚式場選びではぼったくられて損するなと、後輩に口酸っぱく 伝えた | 無駄金を使うために長く働き、余暇やリラックスする時間を削ることになってほしくない | |
実験装置の隠れた便利機能を見つけたら、技能員さんにレクチャーする | ワクワク感の共有 | ★ |
研究室訪問に来た学部生のために、ラボを深く知れる面白スライドを作ったり、積極的にコミュニケーションを取ったり | 心地よい空間、親密 | ★★ |
面白そうな体験型イベントを企画して友人家族を誘ってみんなで楽しむ(味噌づくりなど) | 自分で作ったり新しい体験をする際のワクワク感や好奇心 | ★★ |
初めて実家に挨拶に来る兄弟の婚約者が家族になじみやすいように、あらゆるおもてなしを実行 | 親密、心地よさ | ★★ |
甥っ子たちに自然遊びや昔遊びを教えて、一緒に楽しむ | 好奇心 | ★★ |
妻の友人が家に来る時に、得意料理や珍しいプレゼントでもてなし、場を盛り上げる | 心地よさ、親密 | ★★ |
価値観がより明確になった今の視点で見てみると、これらの行動の源泉となる価値観は大きく2つに分けられるかなと思う。
一つが「自分の経験を通じてオモロイ!と思ったことをただただ人に伝えたい」気持ち。
これは言い換えると、「無邪気な自分が感じたワクワク感を人にも感じてほしい」気持ち。
これを上の表では「★」としてラベルを付けた。
そしてもう一つが上の表で「★★」とラベリングした価値観で
「オモロイ!オモロそう!と思うことを分かち合える『愛ある空間』を作りたい」気持ち。
言い換えると「自分も相手も無邪気になれる和やかな場・雰囲気を作りたい」気持ち。
整理するとだな。
★と★★どちらにしてもワクワク感を与えたい気持ちは一緒やけど、★★の方はワクワクを無邪気に分かち合える「愛ある和やかな環境」、つまり「和」を与えようとしている。
そして、めちゃ個人的な感覚やけど、★★の「和」を与えようとしている時の方が自分としてはすんごい心地いいし
そのうえ、相手に「楽しかった~」といってもらえることが多い。自分の勝手なお節介が、相手が感謝してくれる価値になっていることが多い。
うん。
とすれば、仕事の目的はこんな感じに言語化できるかな、と。
仕事の目的:創作&新体験のワクワク感を無邪気に味わい、和やかに生きる人を増やす
結論:価値観が定まるとモヤついた人生が動き出す
バカ真面目に自分の(読者にとってはどうでもいい)価値観のお話しを語ってしまいました。笑
とはいえ自分の価値観がガチっと定まると、信念みたいなところが見えてきて
今後生きる上での指針というか、大きな選択をするときの基準になります。
今、働き方や生き方にモヤつき、さて今後どう生きようかと迷っている自分が、価値観見えてきたおかげでかなり霧が晴れてきてますので。
もしそんな人がいれば、下記の本はかなり救いになるかと思いますので、よければ一読ください。
ではまた。
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