こんにちは。小心者ハカセのただなおです。
論文ってどんなことが書かれているんだ…?
論文を読んでみたいけど難しそう…
今回は、こんな悩みをもつ方に向けた記事です!
世界中の研究者が研究を通して分かったこと、実現できたことを文章にまとめて発表したもの、それが論文です。
とはいえ、ほとんど英語で書かれていて「なんか難しそう…」ってなりますよね。
で・す・が!
じつは、世の中の論文はたいてい決まった構成と順番で書かれています。
事前に構成がわかってるんなら、なんか読めそうかも!
ということで、今回の記事では、論文の基本的な構成とその内容について紹介しますね!
この記事を書く私ただなおは、旧帝大で博士号(工学)を取得し、今はメーカーで研究しています!
では行きましょう!
論文には決まった構成がある!?
最初にお伝えした通り、論文にはある程度決まった構成(章立て)が存在します。
世の中にはたくさんの科学雑誌がありますが(NatureとかScienceは有名ですよね!)大体どれも同様の構成です。
なので、その構成を把握しておけばどこに何が書かれているか、見通しをもって読めるようになるわけです!
論文の基本構成
では、論文の基本的な構成についてお話しします。
論文の構成はおおむね以下の通りです。
各項目を実際の論文を用いて説明していきたいとおもいます。
(例として使用する論文:K. Luo et al., Nature 607, 486 (2022).)
1. タイトル
まず論文の一番トップには「タイトル」が掲載されています。
論文の内容を全てひっくるめた表題が、一言で表されています。
読者が最も目にするところなので、著者が最も力を入れて考えているところでもあります。
タイトルを見るだけでだいたいの話の内容をイメージすることができます。
2. 著者
タイトル下には「著者」の名前が並びます。
1番目に書かれている名前の人は、筆頭著者と呼ばれ、論文を執筆し、その研究に最も貢献した人です。
続く人たちは共著者と呼ばれ、実験や考察など、何らかの形で研究に携わった人です。
多くの場合、研究への貢献度順に名前が並んでいます。
最後に書かれている人は最終著者と呼ばれ、研究室の教授など、研究をマネジメントする責任者です。
3. 要約
著者名の下には、論文の内容が端的にまとめられた「要約」が続きます。
要約では論文の内容や結論が端的にまとめられています。
研究者は、この要約に目を通して中身を読むか否かの判断をすることがほとんど。
なので、論文の筆者は要約部分を魂をこめて書きあげています。
逆に言えば、要約を読むことでその論文のエッセンスを抽出することができるのです。
4. 背景
ここからが、論文の中身の部分。論文の最初には「研究背景」が書かれています。
もう少し分解すると、研究背景は、研究分野の背景→研究課題→研究目的の順で書かれます。
分野の背景説明で、研究対象の社会的意義や重要性に触れられ、その中でまだ実現されていないこととして研究課題が述べられます。
そして、課題に対してその研究がどのような目的で行われたのかが述べられるのです。
中でも重要な研究目的は研究背景の章の最後に書かれることが多いです。
以下の言葉から始まる文があれば、「今から目的言いまっせ~」のサインです。覚えておきましょう!
5. 実験方法
「実験方法」の章では、研究がどのような方法で行われたのかが記載されています。
たとえば、実験プロトコルや使用した装置、シミュレーションソフトなど。
実験手順や条件などが図・表を使って説明されていることもあります。
実験方法は背景に続いて書かれていることもあれば、論文の一番最後に記載されていることもあります。
6. 結果・考察
「結果・考察」の章では、実験や計算などの結果やそれらを踏まえた考察が、図表を用いながら述べられています。
論文の内容を理解する上では、この章のロジックをいかに読み解けるかが重要になります。
7. 結論
「結論」では、研究で明らかになったことや実現できたことが最後に端的に述べられます。
また、この研究成果がどのようなことに貢献し得るかが書かれていることもあります。
いずれにしても、研究を通して著者が一番伝えたいメッセージが書かれている、とても重要な章です。
多くの場合、結論は論文の一番最後のパラグラフ(章)に書かれています。
8. 参考文献
論文の中で参照した先行文献のリストが掲載されているところになります。
論文を読んでいて気になる参考文献があれば、ここのリストを見て論文をリサーチすることができます。
最後に
以上、論文の基本的な構成について紹介してきました。
論文は読めば読むほど分野の知見が拡がりスラスラ読めるようになっていきます。
ぜひ、この記事がそのきっかけになれば幸いです。
ではでは。
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