こんにちは。
小心者ハカセのただなおです。
いきなりですが博士学生や博士課程進学(D進)予定の皆さん、『学会』が博士の就活に超役立つこと、ご存じでしょうか?
ESとか面接とかで話せるネタとしてってこと?
もちろんそれもありますが、入社してからのやりがいに関わるようなより長期的な視点でのお話です
私は博士卒後に大手企業の研究職として採用され、入社1年目に専門性を活かせるプロジェクトに抜擢してもらい、2年目の現在もやりがいを持って仕事をしています。
という意味で、私の就活は成功だったと自負しています。
実際に働きだして改めて実感したことは、やっぱり博士人材の就活では『自分の専門性が活かせるかどうか』を超重要視するべきだということです。
私の就活を振り返ると、『学会』の場でできた人間関係が就活での企業選びや情報収集に大いに役立ち、その結果、現在の仕事に対する高い満足度に繋がっていると断言できます。
そこで今回は、博士学生の就活で大いに役立つ「学会での研究者ネットワークの具体的な拡げ方」を伝授したいと思います!
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なぜ学会が就活に活きるのか
結論はシンプルです。
『学会はコスパよく研究者ネットワークを拡げられる絶好のチャンス』だからです。
ナニナニ、まさかコネで内定もらえるとかいう話なん?
さすがに、今の時代コネ入社は聞かないですね…
学会でできた研究者ネットワークが、どのように博士の就活で活きるのか、今から説明しますね。
専門性を活かしたい博士学生の就活では企業の情報収集が超重要
そもそも企業で自分の専門性を活かしたい博士学生の就活にとって最も重要なことはなんだと思いますか?
結論、私はこの2つだと考えています。
- 専門性とのマッチング率の高い仕事がある企業に出会うこと
- ESや面接対策を万全にして志望企業への内定率を高めること
まぁ当たり前ですかね。
特に2つ目は言わずもがなです。
博士学生さんに特に強調したいのは、1つ目の『マッチング率の高い”仕事がある”企業』という点です。
自分が携わりたいプロジェクトがあって、しかも今後も継続される見込みであることや会社における研究テーマの位置づけ等を抑えておくことが重要なのです。
苦労して内定をもらったのに、入社した途端プロジェクトが終わってしまったら本末転倒ですからね…
また、専門性と合致した仕事に従事できるかどうかは、入社後に高いやりがいや満足感をもって仕事に従事できるかどうかにも関わってきます。
博士の高い専門性を活かせる仕事と出会うためには、単に企業との出会いの数を増やすだけでなく先端研究事情まで深堀りした事前の情報収集が超重要となるのです。
企業の情報収集方法は大きく6つ
では、就活する上で重要となる情報収集方法ですが、研究開発のことまで知れる方法としては大きく6つあります。
そして下の図では、これら6つの方法を、情報を得るまでにどれくらい労力がかかるかという『情報までの手軽さ』軸と、情報がどれだけ”自分にとって”有益かという『情報の自分向き度合い』軸の2軸でプロットしてみました。
色分けは、各サービスやイベントが『まだ知らない企業を発掘する系』(緑色)か、『既知の企業を深堀する系』(桃色)かの、ざっくり2つに分類しています。
ちなみにこの図は私の経験に基づく独断と偏見により作成されています
就活エージェントによる紹介
アカリク就職エージェントに代表される就活エージェントサービスは、無料登録して実施されるアドバイザーとの面談でこちらの要望に見合った企業を紹介してくれる発掘系寄りのサービスです。
(もちろんエージェントのメリットはESや面接対策という徹底した就活サポートサービスにもあります)
>>複数併用すべし!エージェントを使って就活を成功させる5つのコツ
学生側としては基本的には面談をするだけでそこそこ専門性の合致する企業を知れるので、最も手軽だと言えます。
一方で、研究などの情報は企業側がエージェントに提供しているものに限られるので、情報の自分向き度は低く一般性が高いと言えます。
技術系向けの同業種合同イベントに参加
同業種合同イベントは、色んな就活サービスで主催されている定番の就活イベントですね。
同業界の数~十数社が一堂に会し、企業の一般情報や技術系人材向けの研究概要を説明してくれるので多くの企業を発掘することができます。
こうしたイベント情報はスカウトサイト等の就活サービスに登録すると、随時、案内が届くようになります。
アカリクイベントのような就活イベント情報にアンテナをはり、現地に出向く(あるいはオンライン参加する)程度の手間はかかりますが、
技術向けであれば研究者自身が説明してくれたり、質問なども通して現場の人からより詳しい情報を聞き出すことも可能です。
が、基本的に一社当たりに割ける時間が短いので得られる情報に限りがあるのも確かです。
企業主催の個別説明会に参加
気になる企業が個別に主催する技術系向けの説明会に参加すれば、より深い情報を得ることができます。
情報までの手間も、合同説明会と同様、上述の就活サービス等を介して企業にプレエントリーして、アンテナを張っておくくらいです。
合同説明会よりは企業側も時間をかけて説明してくれますし、質疑応答時間もより長く設けられているので合同イベントよりは自分向けの情報を得られることが多いです。
ただあくまでも公のイベントなので、自分の興味のあるプロジェクトの今後の見通しや、博士人材の配属事情など、先端研究部署のウラ事情までは聞き出すことは難しいでしょう。
OB訪問
OBへのたどり着き方も色々ですが、ここではビズリーチキャンパスやMatcherなどのOB訪問アプリを使った場合を想定します。
企業説明会よりは多少手間がかかりますが、これらのアプリを活用すれば、プロフィール登録して、OBに連絡をとり、メールのやり取りをして日取りを決める、というスマホ上のやり取りだけで気になる企業のOBを訪問することができます。
OB訪問のいいところは、選考とは関係なく個人的にお話をできるため、公のイベントでは言えないかなり深い情報を聞き出せるチャンスがあります。
ただ、自分の興味のある分野の研究者に訪問できるかは、そういう人がOBとして登録しているか否かにより、かなり運次第な所あります。
企業や人によっては、分野に従事している研究者と繋げてくれる場合もありました。
オファー型就活サービスを介した面談のお誘い
アカリクやOfferBoxに代表されるオファー型サービスとは、自分のプロフィールや研究等の自己PRを記入しておくと興味を持った企業からオファーが来るという、忙しい理系院生にとっては重宝な就活サービスです。
就活イベントの情報も流れてくるので企業の発掘もできますし、オファーで企業の個別説明会に招待されることもあります。
さらに企業によっては、人事や研究者との個人面談を提案していただける形のオファーもあります。
この場合、相手側が自分に興味がある前提なので、専門性もかなり合致した研究者(研究部長の場合もありました)が来てくれて、こちらの踏み込んだ質問に答えてくれる可能性が非常に高いです。
ただし、個人面談オファーを受けるにはプロフィールをかなり本気で充実させておく必要があります。
他のイベントやサービスに比べると労力がかかる上に、基本的に相手からのオファー待ちになるので運次第な要素もあります。
ただし、プロフィールを90%以上埋める、こまめにログインするなど、いくつかのポイントを押さえることでオファー型サイトを通じて多数の優良スカウトをゲットすることも可能です。
>>理系の修士・博士学生が逆求人就活サイトでスカウトをもらう6つのポイント
ツテを辿って企業研究者と個人的にお話
これは、知り合いをたどって、興味のある仕事をする企業研究者に個人的な面談を直接申し入れる方法です。
まさに自分がしたい研究に従事する研究者と話ができるわけですから、自分の専門性を活かせそうか、プロジェクトは今後も継続するかなど、最もディープで自分向けの情報を得ることができます。
なので企業で本当に専門性を活かしたい博士学生さんには、この『ツテをたどって企業研究者に個人的に連絡をとる』アプローチを最も強くおススメしたいのです!
ただ想像の通り、この方法は情報にたどり着くまでめちゃくちゃ労力がかかります。
そもそも幅広い人間関係を築いておく必要があるうえに、研究者の連絡先を主体的に取りに行く必要があるからですね。
博士におススメの就活サービスについては、下の記事でくわしく紹介していますので、興味がある方はこちらもチェックしてみて下さいね。
学会は人脈作りの絶好の機会
そりゃ分野の研究者と直接話せるに越したことはないけど、結局ツテを作るのがたいへんなわけじゃん
そこで、学会が就活にも活きる人脈づくりに超絶役に立つわけです
ようやく来たか、前振りながすぎ
学会のいい点は
- あらゆる企業や大学に属する同分野の研究者・学生が一堂に会する
- 研究という共通ネタがあるので声を掛けるきっかけに困らない
- 交流会や飲み会という出会いの場が準備されていることが多い
にあります。
要はこちらが探しに行かずとも、学会に行くだけ超近い分野の研究者と簡単に繋がることができるということです。
また研究の世界は狭いため、希望する企業の研究者との直接的なつながりが無くても、一人の知り合いからそのまた知り合いを辿ることで、簡単に連絡先をゲットできることも多いです。
普段の学会で同分野の人脈を広げておけば、連絡1,2本で面談のお願いができるというOB訪問アプリ並みの手軽さで、オファー型サービスを介した面談よりも高確率で、さらにより自分向けの情報が聞き出せる可能性が高くなるというわけです。
下の図(上図の再掲)でいうと『学会』という魔法カードにより、ツテを辿るプロットが右上にグッと上がるわけです
学会で研究者とつながるための方法
じゃあ具体的に学会で研究者とつながる方法を教えてよ
ということで、ここでは私の経験も踏まえた7つの方法を伝授します。
全てしなくても、できることを少しでもやれば確実に人間関係が拡がっていきます。
ちなみに、ここでいう人間関係とは年齢や肩書、学生/社会人問わず、同分野の研究をしている企業、大学に属する全ての方のことを言っています。
学生であっても、企業と共同研究をしている人も多く、仲良くなっていればその方に繋いでもらえることがありますよ(というかこのパターンがほとんどです)。
1.学会に頻繁に参加(できれば発表)する
まずは積極的に出会いの場に向かいましょう。
年度内で定期的に行われるような学会(物理系であれば応用物理学会など)はぜひとも毎回参加しておきたいところです。
自分が発表すれば相手側から声を掛けてもらうチャンスが増えるので、できれば発表したいところですが、聴講だけでもこちらから声を掛ければいいので問題なしです。
2.挙手質疑する
気になる研究者のプレゼンの質疑応答時間に挙手して質問をするのです。
かなり勇気がいることは承知の上ですが、この効果は絶大です。
相手の方に自分の顔と名前を印象付けやすく、後に紹介する声掛けや名刺交換のきっかけになります。
さらに他の聴講者にも覚えてもらいやすくなるというオマケつきです。
質疑応答者は多くても3,4名なので、発表者は質疑者のことをよく覚えているのです
3.発表後に声を掛けに行く
気になる研究者や質疑をした研究者には、プレゼン後に声を掛けにいきます。
話す内容は何でもよいですが、質問が無難です。
「○○の実験って具体的にどうやっているんですか?」とか
「○○の結果、もうちょっと詳しく教えてください」とかでOKです。
話しかける際には、自分の所属と名前、発表内容が勉強になった旨をまずはきっちり伝えるのが暗黙のマナーです!
4.名刺交換する
博士課程になったら名刺を作成することをおススメします。(D進予定の修士生も)
特に相手が目上の場合、プレゼン後に声を掛けに行く際や、飲み会の場の最初のやりとりで名刺交換をするとスマートです。
相手の名刺にはメールアドレスが書かれているので、必ずゲットしてください!
これが後々重宝されるわけです。
ちなみに、名刺はだいたいどこの大学もテンプレートが準備されていて、生協で数千円程度で発注できます。
「○○大学、名刺、テンプレート」でググればすぐ作れるのでまだの方はぜひ!
5.質疑をした人に後で感謝&要点メールする
プレゼン後に質問した場合、教えてもらったことに対する感謝の旨と、教えてもらったことの要点を後でメールしましょう。
これは礼儀としての意味合いが強いですが、相手に好印象を与え、記憶にも残りやすいと思います。
なにより、一度でもメールを交わしたという既成事実を作ることで、飲み会や次の学会で出会った時に声を掛けやすい&かけてもらいやすくなり、継続した交流になりやすいです。
これは私がD1のときに他大のD2の先輩からこのようなメールをいただいて感動したことをきっかけに自分も始めました。実際、その先輩の研究者ネットワークは半端なかったです。
6.学会の度にその人の発表をチェック(アブストだけでもOK)
これは一度できた繋がりを継続するためです。
相手の研究進捗を把握することでお会いした際の話題のきっかけになりますし、他愛もない会話をするるくらいなら相手の研究の話をした方が圧倒的に仲良くなれます。
同じ類で、その人が筆頭の論文にも目を通しておくとなお良いですよね(実際そこまではなかなかできないですけどね…)
逆の立場で考えて、他人が自分の研究に興味を持ってくれているとわかったらめちゃくちゃ嬉しいです
7.飲み会に積極的に参加して声を掛ける
学会期間中には学会側が主催している交流イベントや、あらゆるコミュニティが個別に主催する飲み会が数多く開催されています。
飲み会情報は、ラボの先輩や知り合いから仕入れたり、学会後援の研究コミュニティのHPなどから仕入れます。
(”○○若手飲み会”みたいなヤツです)
このような場に積極的に出向いて、色んな人に喋りかけまくるのです。
一人で行くのが怖い場合は、友人でもラボの先輩でも誰でもいいのでとりあえず一緒に行ってください。
お酒の力もあって、皆さんめちゃくちゃ砕けた感じで話すことができるので、学会で声を掛けるよりも仲良くなりやすいです。
私は飲み会で学生/社会人問わず多くの方と知り合い、その中で出会った先輩博士の紹介で就活中に今の職場の研究者につないでもらいました
就活時に人脈をたどって企業研究者にたどりつくには?
実際の就活では、どうやって気になる企業の研究者との面談にたどりつけばいいん?
これはおおきく3パターンでやり方が変わります。
研究者にダイレクトメールで面談を依頼する
- ツテを辿って連絡先を入手
➡ダイレクトメールで面談を依頼 or 知り合いにつないでもらう
もしくは
- 学会で名刺をもらいに行く(声を掛ける)
➡ダイレクトメールで面談を依頼
- 発表論文や学会発表のアブストラクトで著者をチェック
➡学会で名刺をもらいに行く(声を掛ける)
➡ダイレクトメールで面談を依頼
もしくは
- 発表論文や学会発表のアブストラクトで著者をチェック
➡その研究者とつながりのある知り合いから連絡先入手(飲み会やライン等で聞き回る)
➡ダイレクトメールで面談を依頼 or 知り合いにつないでもらう
私の経験ではパターン2が多く、面談したい企業研究者と共同研究している他大の博士学生の先輩にお願いしてつないでもらうことが多かったです。
他大の学生さんもほとんどが学会の飲み会きっかけで仲良くなった方です。
まとめ
今回の記事では、企業で専門性を活かしたいと考えている博士学生やD進予定の方を対象に
- 学会の場を活用して研究者ネットワークを拡げることが就活や入社後の満足度にいかに役立つか
- 学会で人脈を形成する具体的な方法
をお伝えしてきました。
最後にまとめておきましょう。
まずは、なぜ学会が博士の就活に役立つと言えるのかがこちら。
そして、学会での具体的な人脈形成方法はこちら。
以上になります。
皆さんも学会を勉強の場としてだけでなく、人脈を広げる場としても有効活用してみてください!
というか、普通に研究者同士の飲み会は楽しいです(笑)
今回の記事が、少しでも博士学生さんやD進予定の学生さんにとって役に立てばうれしいです。
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