こんにちは、小心者ハカセのただなおです。
大学院では英語力がないとやっていけないって本当でしょうか…
国際学会に論文執筆…研究に必要な英語力をつけるのにおススメの方法ありませんか
今回はこのような声にお応えします!
大学院の修士課程や博士課程では研究生活をする中で英語を使う機会がたくさんあります。
- 院進に際して、自身の英語力に不安を抱える方
- 実際に大学院の研究で英語力を高めないと、と思っている方
非常に多いのではないでしょうか。
何を隠そう、私自身もその一人でした。
今回の記事では
について紹介したいと思います。
英語力を高める方法は、修士と博士で実際に私が実践したことです!
では行きましょう!
大学院(修士、博士課程)で英語が必要な場面
初めに言っておきますと、求められる英語力に関しては、正直、修士過程でも博士過程でもあまり違いないかなと思います。
なぜなら、研究において英語が必要な場面は修士だろうが博士だろうがほとんど同じだからです。
成果発信の機会が多い分、多少博士のほうが頻度高めかな、というくらいです。
とはいえ、全く英語ができなくても良いかと言われると、そんなことはありません。
まずは、大学院ではどんな場面で英語が必要になるのか紹介したいとおもいます。
論文の読解
研究をする上では英語の論文や専門書を読み解けることは必須要件です。
分野の源流から最先端まで、先行論文を読んでこそ自分の研究テーマ、意義を確立できます。
日本語の論文や専門書もあるかも知れませんが、英語の書物と比べると、やはり出版数に限りがあることがほとんどです。
英語の論文、専門書でこそ分野の知見を隅々まで把握することができます。
大学院生には専門分野の英語論文を読み解けるリーディング力が必要といえるでしょう。
とはいってもはじめから専門用語の多い論文をスラスラ読める人はほぼいないので安心してください。
はじめは全然読めなくても、分野の論文を少しずつ読みためていくうちに徐々に読解力はついていきます。
国際学会
修士や博士になると研究で頑張った成果がまとまりだし、国際学会で発表する機会も増える人が多いでしょう。
国際学会は大きく、ポスター発表と口頭発表があります。
口頭発表ではアブストラクト執筆、スライド作成、発表、質疑応答の場面で英語が必要になります。
ポスター発表ではアブストラクト執筆、ポスター作成、ポスター発表での質疑応答の場面で必要ですね。
ライティングやスピーキング、リスニングといった幅広い英語力が試されるかと思います。
とくに質疑応答では、質問に対する返答の瞬発性も求められます。
英語に慣れていない人の多くが国際学会で苦労するポイントは、質疑応答なのではないかと思います。
私自身、質疑応答には毎回震えていました(笑)
論文執筆
論文執筆でも英語が必要です。
とくに博士の学生は、学位の取得要件に学術論文への投稿が課せられることがほとんどのため、避けては通れません。
論文が受理されるには、研究内容はもちろんのこと、論理性や、適切な英語で記述されているかも見られます。
研究内容がよくても、ずさんな英語で書かれていたら、却下されるのです。
科学論文ならではの言い回しもあるので、書き慣れていないうちは本などで勉強しながら論文記述力を高める必要があります。
研究室のゼミなど
研究室で雑誌会や輪講を行う場合、研究室によっては英語のスライド、発表をしないといけないところもあります。
紹介する論文や、輪講する専門書は英語出版物を対象にすることが多いので、英語で読み解き、かつ英語でプレゼンする力が必要です。
とはいえ、そもそも雑誌会や輪講は学生の英語力向上も狙っている場合も多く
むしろ英語が苦手な日本学生のための研究英語の訓練の場としての意味合いが強いかと思います。
研究留学
大学院生の中には、教授の勧めなどで、海外の研究室に数か月~数年、研究留学に行く人もいると思います。
当然、海外で研究するわけですから、英語力は必要になります。
むしろ研究留学をする人は、国際的な研究者になるべく英語力を高めるために、志願している側面もあると思います。
とはいえ留学は希望しなければ起きえないイベントなので、全ての人が経験するものではありません。
大学院に進む前から特段不安視する必要はないかと思います。
留学生とのコミュニケーション
大学院生は研究室にやってきた留学生のチューターを頼まれることがあるかと思います。
日常生活からラボのルールや実験装置の扱い、研究の話など、英語でコミュニケーションをとりながら留学生をケアしてあげる必要があります。
そのほか、自分のテーマに留学生がいる場合も、研究データについての議論など、英語でやり取りをする必要があります。
英語が話せないと大学院ではやっていけないのか
ここまで読んで、結局大学院で研究をやっていくには英語力が低いとダメなのでは…と思われる人も多いでしょう。
私の結論を言うと、大学院の研究を進めるうえでは
- 論文執筆や国際学会でのライティング力やスピーキング力は進学時に低くてもたいして問題ない
- 逆に、論文英語を読める最低限のリーディング力は必要
です。
リーディングについては単語を調べれば論文は読み通せるくらいの素養がないと、研究では苦労するかと思います。
論文の英語レベルは、基本は中学英語で、たまに高校でならう構文が使われているくらいなので、最低限中学レベルの英語力は必要です。
一方、論文や学会発表での英語スキルは経験を通して向上させていけばいい、くらいの心構えでも全くOKだと思います。
といっても、英語スキルアップのために何もやっていないかといえば、それなりの努力は必要です。
とくに博士の場合は学術論文を受理されないと卒業できませんからね
英語力を高めるためにやったこと
上でみたように、大学院生は多くの場面で英語を使う必要があります。
実際、私自身はM1で参加した初めての国際学会口頭発表の質疑応答で爆死して、以降軽いトラウマになりました(笑)
そのあとも、論文執筆、国際学会でのポスター発表などでも研究英語力の低さを痛感し、苦労しました。
英語力を高めたいなぁ、でも時間もお金もたっぷりあるわけじゃないし…
当時は、極力研究時間を減らさず、かつお金もかからず、それでいて特に苦手意識のあった学会プレゼン、質疑応答、論文記述力を効果的に高める方法がないかを模索していました。
普段通りの研究活動や大学のイベントなど、既にあるリソースを活用して、自然と英語力を高められないだろうか、と考えていました。
今回は、いろいろ試行錯誤した結果、「これいいな」と思った方法をお伝えしたいと思います。
中には博士の後半になってから試して、もっと早くからやっておけば(涙)というものもあります
では行きましょう!
1.本で体系的にインプット ⇒ 即アウトプット
色々試しましたが、結局、論文執筆や学会プレゼン、スライド作りにおいては、本による学び・実践が最も効果を感じました。
数千円かかりますが、余裕で元を取れます!と言い切れるほどの効果を実感しました。
最初は手軽なネットで調べていましたが、断片的なインプットで終わることが多く、正直スキルとして身についたかと言われれば『?』でした。
一方、本は知識が体系化されており、うまく活用することで着実にスキルとして身についた実感があります。
大事なのは使い方です。『本でインプットしたら即アウトプット』しましょう!
実際に論文を書き始めて「よくわからん」となったタイミングで、本を見て「フムフム、この表現はこうしたほうがいいのか」とインプットを即座に論文に反映していくのが良いと思います。
この方法で研究時間をけずらず、かつ最も効果的にスキルを身に着けることができました。
今はまだだけど、いつかやってくる論文執筆の時のために、普段から本で知識を蓄えようとしても、いざその時になったらどうせ忘れています。
これは私が経験済みです(笑)毎朝本でインプットすることを日課にしましたが、かけた時間が無駄になっただけでした(笑)
論文に限らず、学会発表の原稿づくり、スライド作りも同様です。
私が参考にした本を載せておくので気になる方はぜひ参考ください。
2.雑誌会や進捗報告のプレゼンで実地訓練
ラボの定例イベントも、一つの訓練の場として生かそうと考えました。
具体的には雑誌会や進捗会議です。
私の研究室の雑誌会や進捗会議では、スライドは英語でつくり、発表は日本語で発表する形式(雑誌会の質疑応答は英語)だったので
進捗報告会や雑誌会のスライドのレイアウト、英語の表記で、本のインプットを積極的にアウトプットしていきました。
雑誌会での質疑応答も国際学会を想定して、よく使う言い回しを事前に仕込み、発表本番で使っていくようにしました。
ホントの国際学会で瞬発的に言えるようにしたかったので、普段からフレーズを言い慣らしていきました
雑誌会の聴講側のときも、積極的に英語での質問を仕掛けていき、英語のやり取り回数を稼いでいきました。
3.普段から論文を読む習慣を身に着ける
論文を読めるようになるには、論文をたくさん読むのが一番かと思います。
分からない専門用語があれば逐一調べる、その説明が分からなければまた調べる。
その地道な繰り返しの中で専門性も専門用語もリーディング力も身についていくのです。
専門用語が身についていくと次第に論文を読むストレスは減り、読むスピードも速くなっていき、どんどんと読了論文が増えていきます。
分野の論文については源流から最新のものまで、幅広く読み漁ることをおススメします。
4.研究室の留学生と英語で議論、コミュニケーション
研究室の留学生と、日常的にコミュニケーションをとり、研究内容についても議論することで、リスニング、対話力を磨いていきました。
当初は朝30分、シャドウウィングする時間を確保することもしていましたが、ちょっと限界が見えました。
結局、身近にいる留学生と話すことのほうが、よっぽどムリなく、かつ研究時間も削らずに英語力を高めるのに役立ちました。
あと、実際に留学生と対話することで、「ちゃんと通じているし、議論できている!」と英語の自信もつけることが出来ました。
5.留学生サポートするTAをする
留学生に日本語を教えるTAの募集があったので、申し込みしました。
この目的も上述と同様で、リスニング、スピーキング力の向上、自信をつけるためです。
しかも週2回、各1時間と、そこまで負荷も高くなく、なんやったらバイト代ももらえるわけです。
お金をもらえながら英語力を高められるとか最高やん、ということでTA募集を見た瞬間申し込みました
6.留学生との交流会に定期参加
私の学部では、留学生サポート室が隔週で昼休みの1時間、部屋を開放して、留学生と在学生が入り乱れて談笑する会みたいなのが開催されていました。
普通に友達とはなしながらご飯食べる、って感じのゆるい催しです
これも積極的に活用して、英語力向上のために活用していました。
「自分の学部、ちゃんと調べりゃ英語力高められるリソースが結構そろってるじゃん」って思いましたね。
まとめ
大学院生は普段の研究で論文や専門書を読みこむ際や、論文執筆、国際学会の発表で英語が必要になります。
とは言いつつも、論文執筆や国際学会発表なんて、特段留学経験もない日本人なら、最初から完ぺきにこなせる人なんかいません。
壁にぶち当たったときに英語力を高めていく、それくらいで十分だと思います。
この記事では、できるだけお金をかけず、身の回りのリソースを積極活用して、かつなるべく普段の研究生活、大学生活の中で英語力を高める方法をお伝えしました。
最後におさらいしておきましょう。
以上になります。
この記事が悩める学生さんにとって少しでも役に立てば幸いです。
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