「すこし、ゆるめて、生きてみる。畑と。」について
このブログは、都市と田舎のあいだ、いわゆる“トカイナカ”で暮らすメーカー研究職の30代男性が、
「農ある暮らし」と「自分らしい働き方・生き方」のあいだを行き来しながら模索している、“半農半X的ライフスタイル”の実践記録です。
農業といっても、専業農家になるわけではありません。
目指しているのは、「自給農」――つまり、家庭菜園レベルで野菜を育て、できるところからお金に頼らず暮らしていくこと。
それをベースにしながら、自分なりの小さな仕事(=X)をつくり、精神的にも経済的にも、しなやかに自立していく。
そんなライフスタイルを、畑を起点に実験しています。
ぼく自身、大学〜大学院で研究に打ち込み、博士号を取得し、大手メーカーの研究職に就くという、ある意味「まっすぐで順調なキャリア」を歩んできました。
でも、気がつけば心がすり減り、立ち止まらざるを得なくなりました。
人の期待に応えつづけること、誰かからよく思われることにばかり神経をすり減らし、「本当は自分はどうしたいのか」が、まったくわからなくなっていたのです。
休職期間を経て「もっと自然体で生きていきたい」と思うようになり、畑と出会いました。
といっても、最初からうまくいったわけではありません。雑草に圧倒されたり、野菜が育たず落ち込んだり…
それでも少しずつ、手を動かして土を耕す日々のなかで、心と体がゆっくりとほぐれていきました。
そして、身軽に生きるための単なる一手段としてはじめた自給農でしたが、自分で調べながら農作業を試して、野菜の出来をみて、また改善点を考えていく…
そんな農のプロセスがまるで研究のように楽しく、気づけば自分の知的好奇心をみたしてくれるこの上なく楽しい遊びのようになっていました。
家庭菜園1年目はぜんぜん獲れませんでしたが、2年目の今では、玉ねぎやジャガイモ、葉野菜や大根など収穫物が増え、スーパーで買う野菜の量が目に見えて減ってきました。
これまでは買うものだと思っていた食べ物を自らの手でつくり出せるようになったリアルな手応えを実感したのです。
”食”=”生きることの基盤”をつくり出せることが自由への小さな一歩だと、本に書いてあったことが、自分の五感を通じて、少しずつ実感できるようになってきました。
そして、こうした「暮らしの一部を遊び感覚の延長でつくり出せる手応え」が、競争的な社会で仮面をつけて生きることに半ば絶望していた僕にとって、希望の灯になりました。
このブログでは、そんな自給農ある暮らしを起点に、半農半X的ライフスタイルを模索する日々の中での気づきや学び、迷いもふくめた「一次情報」を発信しています。
ありのままの実践を記録することで、いま生きづらさや立ち止まりを感じている人に、「こんなやり方もあるんだ」と感じてもらえるきっかけになればと願っています。
サイト運営者の人生観の変化については以下のプロフィールに書いていますので、もしよろしければ目を通してみてください。
主な発信内容
農のおもしろさと、自給農のリアル

いわゆる慣行栽培と呼ばれる農法や、微生物などの自然界のパワーを活かした菌ちゃん農法や自然農法、プランター栽培など。
無理なく、なにより楽しみながら続けられる「自給農」の試行錯誤を紹介しています。
虫に食われたり、うまく育たなかったり、思うようにいかないことも多いけれど、
それでも土に触れ、自然と向き合うなかでしか得られない発見がある。
そんな「暮らしの中の農」のおもしろさを、実体験とともに綴っています。
精神的・経済的に自立していくプロセス

いずれは、”自給農”で生きるうえで不可欠な食べ物を自給しつつ、自分の才能を活かした小さな仕事(=X=ナリワイ)をする、
そんな「半農半X」的な自立したライフスタイルを築きたいと思っています。
今はメーカーのサラリーマンをしながら「自分の軸で生きていける手応え」を少しずつ積み上げています。
そんな、精神的にも経済的にも“ひらかれた自立”を目指すプロセスをシェアしています。
エリート仮面に疲れた者としての視点

僕は大学院で博士号を取り、大手メーカーに研究職として入社しました。
数年前の僕から見れば憧れる「Theエリートキャリア」です。
でも、僕はその道の先で、「デキる奴」の仮面をつけて働くことに限界を感じ、メンタルを病んでしまいました。
そんな僕だからこそ書ける、キャリアの選び方や迷い、違和感についても発信しています。
「会社員として淡々と生きる道に疑問を感じている」
「ただ成果や評価のために働く日々に疲れてきた」
といった方にとっても、なにかヒントや共感が見つかるかもしれません。
このブログで届けたいこと
このブログを通して届けたいのは、「ちゃんとしなきゃ」を少し手放して、自分にとって本当に大切なものを見つめなおすための、ヒントやきっかけです。
世の中には、正解や効率、成果ばかりが重視される風潮があります。
いい学校を出て、いい会社に入り、安定した暮らしを築く
――そういった“まっとうなルート”から外れることに、怖さや罪悪感を感じる人も多いと思います。
ぼく自身がそうでした。でも、いったん立ち止まり、
「じゃあ本当は、どんな暮らしがしたいんだろう?」
と考えはじめてから、少しずつ世界が広がっていきました。
畑を耕しながら、肩の力を抜いて生きてみる。
自分にとって心地いい働き方や暮らしを、少しずつ育てていく。
「半農半X」という考え方や生き方は、そうした模索をゆるやかに支えてくれる道しるべだと感じています。
このブログは、そんなぼくの等身大の実践と心の動きを、そのまま届ける場です。
完璧じゃないけれど、どこかで誰かの「大丈夫」に寄り添えるような。
そんな場所を、畑と一緒に育てていけたらと思っています。