企業の研究職で博士号って役に立つの?
国内メーカーなら、修士も博士も変わんないんじゃない?
M1当時の私がまさにそれでした。が、今なら企業でも博士は修士にはない強みを持っていると断言できます!
ネット上で「博士号のメリット」を調べるとたくさんの記事がでてきます。
これらの記事の多くでは、専門性や汎用的スキルに関するメリットや、大学や海外で働く上でのメリットを知ることができます。
私も博士を卒業した直後に感じた、D進のメリット・デメリットをまとめていますので、よかったら下の記事からどうぞ。
一方で、「国内企業における博士号の強み」を語る情報ってけっこう少ないんですよね。
今回は、企業の研究者として働く中で肌で感じた博士号のメリットについて、修士と博士の違いに注目しながらお話したいと思います。
私ただなおは博士卒の現メーカー研究職2年目。入社1年目終了時点ですでに感じた博士号のすごさを伝えします!
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大前提:私の情報を共有
初めに私の情報を共有しておきます。
- 最終学位:工学博士
- 専門:電気電子、材料
- 入社企業:国内の精密機器メーカー
- 企業規模:いわゆる大企業
- 職種:研究職
- 勤続年数:現2年目
- 同期の博士号取得者率:数%
- 研究部署の博士号取得者率:推定10~20%
同期新卒入社員(事務系含む)のうち1/3が学部卒、残り2/3の大学院卒で、博士号持ちは全体の数%でしたね。
国内大手メーカー(特に精密機器や電機メーカー)であれば、大体どこも博士は数%くらい、あっても10%くらいだと思います。
私が配属された研究部署では、ざっくり10~20%が博士号持ちでその他が修士です。
入社してから社会人ドクターにいったり、企業での成果を論文にして博士を取得した論文博士の方も多いです。
この記事の内容は上記を前提としたお話ですのでそれを踏まえてごらんください。
まずは結論から
最初に結論を述べましょう。
それでは一つずつ説明していきますね!
企業研究職として働いて実感した博士号のメリット
①専門性が活かせる部署に配属されやすい
まずは人事的な観点。
配属希望面談にて「博士は”できる限り”即戦力の部署に配属します」と言われ、一瞬ドキッとしました。
ですが結果的に、狙っていた研究部署にきっちりと配属。
他の博士卒の同期も希望の研究部署やDX推進課へ配属できていたようです。
一方、修士卒の同期の多くは生産管理や事業部の開発職、検査部署、部材調達等への配属。
希望が通らず全く畑違いの部署に配属された人も多くいました。
研究部署に配属されたのはほとんどが博士卒。
修士卒の中では人工知能などトレンドの研究をしていた一部の人材に限られていました。
「博士人材は専門性をフルに生かしてほしい」という企業側のメッセージが読み取れます
博士の配属が修士よりも希望が通りやすい理由
察するに、博士卒の割合が少ない会社だからこそ「博士が特別扱いされている」のだと思います。
人事配置とは、各部署の希望人材枠にできるだけ適材適所で新人を当てはめていく作業。
技術系の場合、”適材適所”の判断主軸は”専門性とのマッチ度”でしょう。
たとえば…
とある研究部署の1枠に対して、専門性の近い修士卒20人と博士卒1人がいた場合。
研究部署としては稀有で専門性がより深い(と期待する)博士人材をほしがるでしょう。
適材適所の観点から言えば、人事も博士卒が適当と判断するはず
というわけで、博士号の割合が少ないメーカーでは博士の希望が優遇されやすいと推察します。
②社外共同研究プロジェクトの主要ポジションに抜擢されやすい
ここからは仕事を進める中で感じた博士号の強みについて話していきます。
まず自分でも驚いたのが、入社1年目にして産学メンバーが混在するチームで行う開発テーマの主軸に抜擢される運びになりました。
割と大きな産学連携プロジェクトの命運を握る要素技術だったので、びっくりでした。
それぐらい修士卒でも全然ある話なんじゃないの?
もちろん修士卒でも、評価や素子作製といった技術開発の一旦を任せてもらうことはあるでしょう。
ただ、博士号取得者ばかりの産学チームの重要技術開発を修士卒1年目に任せるのはほぼ無いケースだと思います
私が1年目にして開発の主軸に置かれたのは、やはり
『プロジェクトの技術分野で』博士号を取得していた
という理由が大きいでしょう。
『プロジェクトが扱う技術分野で』博士号を取得していた
ポイントは『修士じゃなく博士号』ということです。
私の上司が言っていました。
『博士号』という肩書きが社内外メンバーに対して
- 分野の高度な知識・経験を備えていること
- 周囲と協力して一定の成果を挙げてきたこと
の力強い証明になっているのだ、と。
能力にかからわず、『博士号』が私への『信頼』を肩代わりしてくれているのです。
これを『修士号』におき替えた場合おそらく信頼度は落ちるでしょう。
とくに博士号持ちの社外メンバーにとってはなおさらだと思います。
逆に言えば、博士の就活では「専門性を武器にできそうな会社か」を情報収集することがカギだと言えます!
③博士時代の成果により1年目から社外ネットワークを拡げやすい
博士卒は就職してからも学位論文の内容で招待講演を依頼されることがあります。
まぁこれは人にもよるでしょうが…
招待講演をさせていただくと一般講演よりも多くの研究者が声を掛けてくれます。
で、産・学の両業界の方とのつながりがトントントーンと増えていきます。
『博士号』×『企業名』×『招待講演』という肩書きの強さが想像以上…
私はこの1年で、企業での共同研究では、社外人脈の広さと深さの重要性を実感しました。
というのも…
「この技術はA社と組みたい。A社なら以前一緒にやった○○さんにちょっと相談しよう」
と事前の根回しにより、共同研究の契約がトントン進むことを間近で見てきたから。
社外ネットワークの観点で、入社1年目にして講演できる可能性が高いことはかなりアドバンテージ。
博士号取得者ならではの大きな強みだと感じました。
上司からも「博士は積極的に社外へ出ていけ」と口酸っぱく言われていますが、その意味を理解しました
④『博士号』の肩書きにより仕事の幅がひろがる
博士号という肩書きがメインの開発業務以外にも思わぬところで威力を発揮することを実感しました。
とある新評価装置を売り込みにきたベンダー社長さんのプレゼンを興味本位で聞きに行った時のおはなし・・・
プレゼン中、この評価装置が研究に活かせそうと直感し、色々質問しました。
名刺交換で私が博士だと悟った社長が
「この分野の博士さんなんですね。実は我々その分野で顧客開拓をしたくて…ぜひ色々と教えてくれませんか」
ということで、即座に打ち合わせが確定。
自分の分野においては新しい評価原理。これまで埋もれていた素子特性を抽出できればインパクトのある論文を書けるかも、と鼻息を荒くする私。
一方、売上upにつながるかもと意気込む社長。
タッグを組むことが決まり、当分野では初めてデモ評価をさせていただく流れになったのです。
入社1年目にして、「博士号」によってメイン業務以外のところで新しいコネクションがうまれ、意図せず仕事の幅がひろがることを肌で実感しました。
『博士号』が人的ネットワークのひろがりを加速させているんだと気づき、『博士号』の凄まじさを実感しました
企業研究職をめざす博士学生とD進予定の学生さんへの就活アドバイス
お察しの通り、私が博士号の恩恵にあずかれたのは「自分の専門性を活かせる企業に就職したから」だと断言します。
とすれば。
博士修了後に企業研究職として活躍されたい方は、専門分野の研究をしている企業に出会うことがカギとなります。
ただ困ったことに、多くの国内企業は皆さんがラボでやっているような最先端の研究を実施していたとしても、それをあまり公にしないことがあります。
実際私も、就活をしていくなかで自分と同じ分野の研究している企業が実はかなりあることに気づかされました。
私が入社した現会社も、自分と近い研究をやっていることを就活中に初めて知り、第一志望に躍り出ました
研究で忙しい皆さんが効率よく専門性を活かせる企業に出会い内定をもらうために、私の実体験を踏まえ、全力で伝えたいことが3つあります。
アドバイス1.理系向けスカウト就活サイトのプロフィールをはやく完成させておく
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とはいえ、担当者の当たり外れリスクがあります。
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>>複数併用すべし!エージェントを使って就活を成功させる5つのコツ
情報線ともいわれる就活において、プロの手を使わない手はありません!
アドバイス3.OBや企業研究者から企業の先端研究事情をとことん聞きだす
気になる企業については、どうにかそこに勤める研究者に連絡して、内部の人間しかわからないような先端の研究事情を聴きだしてください。
気になる研究プロジェクトで専門性が生かせそうか、そのテーマの今後の継続見通し、博士人材の扱いなど、自分の活躍可能性を探りましょう。
入社後のミスマッチを防ぎ、高いやりがいにつながります。
OB訪問であれば、ビズリーチキャンパスやMatcherをおススメします。
選考とは無関係のため、かなり踏み込んだ研究事情まで教えてくれます。
また、博士の場合は学会を利用して人脈を意識的につくっておくことをおすすめします。
そこでできた繋がりをたどることで、気になる研究者にアプローチするまでのハードルをぐっと下げることができます。
>>【学会の人脈は最強】博士の就活を成功に導く人脈を学会でつくる7つの方法
下の記事でも博士学生におススメする就活支援サービスをまとめていますので、気になる方はぜひ参考にしてみて下さい。
>>【8つの用途別に紹介】大学院生(修士・博士)におススメの就活サービスまとめ
最後に
この記事では、博士卒後、大手メーカーに入社して1年目を終えたばかりの私だからこそ実感した、企業研究職における博士号のメリットを、特に修士号との違いに注目しながらお話ししてきました。
またこれを踏まえて、記事の後半では、博士号を企業でフルに活かすには「いかに自分の専門性と合致する企業と出会えるかが重要」であることをお伝えさせていただき、具体的なアドバイスをさせていただきました。
最後に、企業研究職における博士号のメリットについてまとめておきますね。
以上になります。
下の記では博士学生の就活お役立ち情報を書いていますので、気になる方はご覧ください。
この記事が悩める理系学生に少しでも役立てばうれしいです。
ありがとうございました!
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