【炎上しないスライドの書き方】研究室の進捗報告テンプレを紹介

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研究

こんにちは。小心者ハカセのただなおです。

研究室の進捗報告、怖すぎ…炎上したくないぃ…

実験してるのに、進捗報告会でよく炎上してしまうんです…つらすぎ…

今回は、こんな悩みをもつ学生さんに向けた記事です!

研究室の進捗報告会議って怖いですよね。

どうにか穏便でかつ有意義な議論をしたいものです。

今回は、研究室の学生、大学院生向けに分かりやすい報告を行うためのスライドの書き方(発表テンプレ)をお伝えします。

このテンプレで発表することでプレゼンの質がグンと上がり、炎上もほとんどしなくなるはずです。

教授との議論もはかどり、ミーティングもラクにこなせるようになるでしょう。

この記事を書くのは、私、旧帝大で博士(工学)を修了した小心者ハカセこと、ただなおです。卒業まで100回以上の進捗報告会議をこなしてきました!

この記事が役に立つ人
  • 進捗報告で炎上したくない学生・大学院生
  • うまくプレゼンしたい人
  • 質の高い進捗報告をしたい人

では行きましょう!

今回紹介するテンプレは院試や就活の研究プレゼンでも使えますよ~!

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発表上手への道は進捗報告の目的を理解することから

はじめに、進捗報告をする目的について、ちょいと説明させて下さい。

目的を理解するだけでも、報告の出来ばえが大きく変わるからです。

さて、私が思う進捗報告会議の目的。

それは「教授と学生が協力して研究の方向性を軌道修正すること」です。

そもそも皆さんの研究、成果が出れば論文として発表できるポテンシャルを秘めています。

教授はそのテーマで成果を挙げて、次なる研究につなげたいんです。

ゆえに、教授は研究をできるだけ良い方向に導きたい

だからこそ、進捗報告では現場で手足を動かす学生と丁寧に対話して進捗を確認します。

「このまま進めていいか、路線変更したほうがいいか」と教授自身も模索しているのです。

つまり、やったことを教授にただ伝えるだけの一方通行の進捗報告では不十分です。

報告内容をふまえて今後どうすべきか、教授と学生が双方向に議論して納得いく結論を出すことで初めて意味を成します。

進捗報告が分かりやすくなる発表構成がある

くり返しますが、進捗報告の目的は、教授と双方向に議論して研究を軌道修正すること。

ということは、みなさんの資料では双方向に議論できるだけの情報が分かりやすく提示されている必要があります。

で、そのために必要なのが「発表の構成を意識する」ことです。

進捗報告の質は、同じ内容でも発表構成によって大きく変わります

実験しているのに、進捗報告でよく炎上する…

作りこんでいる資料のはずなのに、分かりづらいと言われる…

毎回、資料作りに時間がかかる…

会議で議論しても、今後何をするかがいつも曖昧におわる…

こんな人は資料の作り方、つまりスライドの構成が間違っている可能性が高いです。

ですが逆に言えば、進捗報告に最適な構成を理解してテンプレ化できれば、準備効率やプレゼンのクオリティがいっきに化ける可能性も高いのです。

進捗報告のテンプレを活用するメリット

皆さんには以下で説明する発表構成をテンプレ化し、毎回そのテンプレに従って資料を作り、プレゼンすることをおススメします。

実際に私はテンプレ化することで、以下のようなメリットを享受できました。

進捗報告の構成を活用するメリット
  • 報告資料をこれまでより短時間で作成できる
  • 聞き手がストレスなく理解できる
  • 会議で深い議論ができる
  • 進捗報告で炎上しづらくなる
  • 企業の研究開発職として働く際にも役に立つ

ラボだろうが企業だろうが研究開発進捗の報告の流れは、基本的に同じでした

分かりやすい進捗報告の書き方

それでは、進捗報告の発表構成についてお話します。

進捗を分かりやすく伝えるためには、このような流れで発表しましょう。

分かりやすい進捗報告の構成
  1. 表紙
  2. 進捗の概要(省略してもOK)
  3. 目次
  4. 前回設定した課題
  5. 今回実施したこと
  6. 結果と考察
  7. 今後の課題
  8. 今後の計画
  9. まとめ
  10. 補足

1つずつ説明します。

1. 表紙

表紙スライド一例

一番最初はスライドの表紙です。

表紙には報告日、所属、学年、名前、報告タイトルを書きます。

上の図では、タイトルを「進捗報告」としましたが、報告内容を端的に表すタイトルにする場合もあると思います。

タイトルの書き方はラボの先輩をマネしてくださいね。

あ、ちなみ上の表紙スライドデザインの作り方は下の記事で紹介してますので、よければどうぞ。
>>【簡単10分!】スライドマスターで研究発表スライドのテンプレを作ろう

2. 進捗の概要(省略してもOK)

続いて、報告する内容の概要を端的に述べましょう。

概要は省略してもよいですが、あると聞き手が報告の要点をつかみやすく、後の説明が理解しやすくなります。

例えばこんなかんじ。

進捗概要の一例

今回は○○を実施。結果は△△となり、□□なことが分かった。課題〇〇のうち●●の部分がうまくいかなかった。原因は◆◆だと推測されるため、今後は▼▼する予定。 

目次ページや表紙にサクッと書いておくのもアリです

3. 目次

次に、発表内容の目次で、発表の全体の流れを示しましょう

目次をはじめに示すことで、聞き手が抱きがちな「このプレゼンいつ終わんねん」ストレスも少なくなります。

構成をそのまま目次にしてもOK。あるいは実施内容を項目化して、見出しとしてもよいかもしれません。

この構成で発表することが暗黙の了解になってるラボなら、目次ナシでもよいかもしれません。ラボ文化に従いましょう。

4. 前回設定した課題

ここからが本題です。まず、前回設定した課題を示しましょう。

今回報告する内容について、教授らに「なぜそれを実施したのか」をあらかじめ理解してもらうためです。

教授が前回の報告内容を覚えてくれていると思わないほうがいいです。大体忘れています。

前回の話を振り返ることで「あぁそうだった、そうだった」と思い出させてあげましょう(笑)

5. 今回実施したこと

続いて、実施した内容を述べていきます。

実施したこと、方法や手順、実施した理由を説明します。

ポンチ絵や写真なども適宜使いながら、相手に理解してもらえるように意識することが大切です。

進展が少なくても、あるいは失敗したことでも、試行錯誤で取り組んだなら堂々と報告しましょう。

「取り組んだこと」として報告する例をあげます。

「取り組んだこと」の一例

実験や計算をした/前回のデータを解析をした/実験や解析手法の先行文献を調査した/論文を参考に実験水準を決めた/装置の故障要因を特定・修理した/論文を参考にメカニズム考察した、など

そもそも進捗が全然ない(汗)という人は、以下の記事を参考ください。
>>進捗がないときの報告ネタ3選!炎上を防ぐ報告テクニックも伝授

6. 結果と考察

続いて、実施して得られた結果を示し、自分の解釈を説明します

データや写真、グラフを用いながら説明しましょう。「図やグラフは見やすく」が鉄則です。

その他、スライド作りにおける最低限守るべきルールは記事後半を参考ください。

また、結果について考察したことがあるなら述べましょう

そのように考えた理由や、根拠も一緒に示すとよいです。

このとき、参考にした論文や書籍はリファレンスとして表記しておきましょうね。

結果、解釈、考察の違い

「結果」と「解釈」と「考察」の違いについて触れておきます。

  • 結果:ただの事実(誰が見ても変わらない)
  • 解釈:結果の読み取り方や捉え方(人によって異なり得る)
  • 考察:結果や解釈から考えられること(人によって異なり得る)

7. 今後の課題

今回の研究で新たに浮上した問題があれば述べておきましょう。たとえば当初予想してなかった装置不良や、根本的な勘違いの発覚などです。

浮上した問題を解決するために何をするべきか、新たに課題を設定しましょう。

とくに問題なく順調に進んでいる場合も、次に取り組むべき課題を示しましょう。

上のスライド例は順調に進んでいるケース。「メカニズム推定」を課題と設定してます。

8. 今後の計画

課題に対して具体的に、何を、どんな手段で、いつ頃やろうと考えているかを述べます。

長期計画のなかでの現在の位置づけを示すと非常にgood!

(長期計画は書かないラボも多いと思いますので省略可です)

計画を線表で示すと分かりやすいです(文字だけでもよいですが)。

9. まとめ

最後に、報告内容を端的にまとめます

今回の取り組み、結果・考察、課題、今後の予定あたりを書きましょう。

10. 補足

本編で語る必要がないものの他にやったこと、会議で必要だと思う補足情報があれば資料後半に載せておきましょう

たとえば、参考文献の概要、予備的に取得したデータ、大量の類似データ、プログラム、計算で使った理論式など。

進捗報告の心構え

進捗報告やその準備をするにあたっての心構えを5つお伝えします。

私がラボ配属から博士修了まで6年間、100回以上の進捗報告を経験してきて思うことです。

参考下さい。

進捗報告の心構え
  1. プレゼンは愛をこめて
  2. PDCAを回していることをアピールせよ
  3. ネガティブデータも立派な進捗
  4. 相談前に問題の本質をはっきりさせよ
  5. 完璧を求めすぎるな

1. プレゼンは愛をこめて

進捗報告のプレゼンは聞き手(とくに教授)に伝わってこそ意味をなします

自分しか分からない自己満な発表は、浅い質疑応答やお叱りだけで会議が終わってしまいます。

進捗報告の目的である「双方向の議論」もくそもない、互いにとって時間の無駄です。

たとえば彼女へのプレゼント。自分好みのガンダムプラモデルを渡して、その魅力をペラペラ話しますか?

彼女はそっと瞼を閉じ、こう言うでしょう。

「ガンダムより私を見て」

進捗報告のプレゼンも、つまり、そういうことです。

2. PDCAを回していることをアピールせよ

進捗では必ずしも成果を求められていません

教授は、学生が何を考え(Plan)、どう行動し(Do)その結果を見て(Check)、次に何をしようと考えているか(Action)を聞きたいと思っています。

失敗ばかり、あるいは少ないデータだったとしても、PDCAサイクルを回していることが伝わるように意識しましょう。

PDCA構成を意識した、うまい魅せ方については下の記事で紹介しています。参考ください。

>>研究室で進捗がないときの報告ネタ3選!炎上を防ぐテクニックも伝授

3. ネガティブデータも立派な進捗

うまくいかなかったデータ、いわゆるネガティブデータも立派な進捗と心得ましょう。

「うまくいかない方法が分かった」と捉えるべきです。

ネガティブデータを踏まえ、今後どう改善していくかを強調しましょう。

4. 相談前に問題の本質をはっきりさせよう

進捗報告では、わからないことを質問したり相談したりするのもOKです。

ただ、相談する前には問題の本質をはっきりさせておきましょう。

私がよく見た例を示しますね。

進捗報告会議でありがちな一幕

学生「装置不具合でうまく実験できませんでした。」

教授「どんな不具合?」

学生「開始するとエラーが出ます」

教授「何が原因のエラーなの?」

学生「…分かりません」

教授「何が分からない?エラー表示の意味?エラー内容の確認方法?解決方法?」

学生「意味の分からないエラー表示が出てきて、そこで実験をストップしました…」

教授「じゃあ、エラー表示の意味を調べてみた?」

学生「…そこまでやってませんでした」

教授「まずは、自分が何につまづいているのかをはっきりさせましょう」

この学生のように「何が分からないのか」が分かっていないと、こんな会話が会議でよく起きます。

相談する前に、問題の本質を考え、言語化する癖をつけましょう。

でないと、会議の場で次に取るべきアクションが決められず、対応がどんどん遅れます。 

5. 完璧を求めすぎるな

まぁいろいろと伝えましたが、準備に完璧を求めすぎないことも大切です。

ある程度の妥協も重要。

どれだけ準備しても、詰められる時は詰められます。理不尽ですが。

「しっかり準備」と「ほどほどに妥協」のさじ加減は、進捗報告の回数をこなすことで徐々につかんでいけます

教授の喜怒哀楽のツボも人によりけりですしね

スライド作成における最低限のルール

ここでは、スライド作成における最低限のルールをサクッと説明しますね。

  • 各スライドの上部に見出しをつける
  • 書いてないことを説明しない(逆に、触れたいコトは書いておく)
  • スライドにページ番号をつける
  • フォントは20ポイント以上が理想(18ptがギリ許容範囲)
  • グラフの縦・横軸にラベルをつける
  • 単位を書き忘れない
  • 顕微鏡像などにはスケールバーをつける
  • 参考文献のリファレンス表記を忘れない

ひとまずこれさえ押さえておけばOKかと。その他は先輩の資料をマネしまくっていきましょう

発表の基本的な注意事項

発表についての基本的な注意事項もサクッと説明しておきます。

  • ゆっくりでいいから、落ち着いて聞こえるように話す
    →聞き返す先生も聞き返される当人もストレス…
  • レーザーポインターはひょこひょこと無駄に動かさない
    →ネコじゃないけど、気になってしまう…
  • グラフを示したらまず縦軸と横軸を説明する
    →プレゼンは相手への愛をこめて!
  • 原稿は見ない前提で発表準備する
    →ラボ内の会議ならちょっとぐらい詰まってもOK!
  • 質問には結論ファーストでこたえる。理由は後から
    →そっちのほうが聞き手のストレスが少ない!

緊張でレーザーポインターと声がムダに震えるのは許されるでしょう。昔の誰かがそうでしたね…涙

進捗報告資料作成のQ&A

「実験が失敗続きの時って何を報告したらいいんだろうか…」

「論文読み込みしかできていないんだけど…」

こんなよくある進捗報告前の悩みについて、下の記事でQ&Aとしてまとめました。

よければ参考ください。

まとめ|進捗報告を制する者は研究を制する

今回は、分かりやすい進捗報告の書き方について説明しました。

大学のラボで6年、あらゆる人の進捗報告を聞いて思うことは

研究できる人の進捗報告は心地よい

ってこと。

教授をふくめて誰一人発表にストレスを感じていないから、会議室がぴりつかない。

質疑応答もスムーズで、核心の議論ができている。終始、和やか。

で、大体そういう人は、学会や卒論・修論発表で受賞するんですよね。

そして悠然とラボを飛び立っていきました。

まさに「進捗報告を制する者は研究を制する」だと思います。

あなたも、きっとそうなれます。最初ブルっていた私もできるようになったので!

ではでは、今回は以上です。

今回の記事が少しでも役に立てば幸いです。

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