こんにちは、小心者ハカセのただなおです。
理系大学生で研究室に配属された方の中には、雑誌会に頭抱える人が結構多いと思います。
雑誌会でコテンパンにやられるんじゃないか、という恐怖感は相当なものですよね。
毎度入念に準備をしようと意気込むわけですが、そもそもこんな悩みを持つ人、いませんか?
雑誌会ってどんな論文を選んだらいいのだろうか?
なんか分かりやすい基準はないのだろうか?
種類ってどうやって見分けるの?
論文選びに失敗すると、準備に時間はかかるし、発表でも炎上するわで、大災難になりかねません。
今回は、雑誌会の紹介論文を選ぶときに気をつけるべき基本ポイントである論文の種類について
- 論文の種類と特徴
- 雑誌会におススメしない論文の種類
- 雑誌会におススメする論文の種類
- 実際に論文を探すときの種類の確認方法
を解説していきます。
まずは最初に結論
いきなりですが、本記事の前半部分、論文の種類と、おススメしない/する論文の種類について、結論を言っちゃいましょう。
① 論文の種類はOriginal paper、Letter、Reivew、Proceedingsの4種類
② 雑誌会で避けるべき論文はReview
③ 雑誌会でおススメの論文はOriginal paper
それでは詳しく見ていきましょう!
論文の種類
まずはじめに、論文の種類やそれぞれの特徴などを分かりやすくまとめましたので、それを示しますね。はいどん。
この表に示す通り、論文には大きく4つの種類があります。
- Original article
- Letter
- Review
- Proceedings
種類の名称は雑誌や分野によってかなり異なります。
Original articleは、Full paper, Regular paper, Research articleなど、Letterは、Communication, Rapid communicationなどと呼ばれたりします。
前半3つのOriginal article、Letter、Reviewは査読を経て学術雑誌に掲載される論文、最後のProceedingsは学会が編集する冊子に掲載される論文で、査読の有無は学会によって異なります。
査読とは、投稿された論文が学術雑誌や学会で掲載発表される価値があるのか、その分野の第一人者たちが精査するプロセスのことをいいます。
査読ありの媒体に掲載されている研究のほうが信頼性は高いといえるでしょう。
分量はReview>Original article>Proceedings>Letter
Reviewは、過去のあらゆるOriginal paperやLetterをまとめ上げた総説になっているので、一般的にかなりのボリュームがあります。
次に文量が多いのはOriginal articleで、中~多め、といったところです。
ただし、同様のOriginal ariticleでも文字数制限がある雑誌とない雑誌があるので、雑誌によってはかなりの大作があったりもします。
次いで、Proceedingsですが、正直、Proceedingsの文量は学会によってかなりばらつきます。
研究の概要をまとめているだけのものでLetterよりも少ない分量のモノもあれば、Original aritlceと同様の構成で分量もそこそこのモノもあります。
なので、Proceedingsの文量は少~中程度、といったところです。
最後にLetterですが、Letterの場合は速報性を重視しているので、ほとんどの場合文字数制限されています。
なのでLetterの文量は少ないことがほとんどです。
雑誌会におススメしない論文の種類
雑誌会におススメできないのはReview論文です。
なぜなら、そもそもの文章量が多いだけでなく参考論文の数が非常に多く、読破して理解するのに時間がかかりすぎるからです。
もちろん、Review論文は分野の研究がまとまっているので、非常に勉強になることは間違いありません。
あくまでも雑誌会には向かない、という話です。
自分の勉強のために、Review論文は別の機会にぜひ読んでおきましょう!
次いで、Proceedingsに関しても、特に配属間もない学生にはおススメしません。
なぜかというと、学会によって査読無しで掲載されるモノもあり見極めに経験が必要となるだからです。
配属間もない学生さんはProceedingsを候補から外すのが無難ですが、もしなにか雑誌会でProceedingsを紹介することにこだわる理由があるのであれば、先輩に良し悪し聞いてみることを強く勧めます。
逆に、Proceedingsの目利きが出来る方であれば、論文候補として選ぶのはアリだと思います。
雑誌会におススメする論文の種類
雑誌会に最もおススメなのはOriginal articleです。
理由は至ってシンプルで、内容の充実性、分量がちょうどよいからです。
多くの場合、雑誌会での発表時間は(質疑応答込みで)1~2時間くらいの研究室がほとんどでしょう。
これくらいの時間で発表・議論するのに、ちょうどいいのがOriginal articleなわけです。
ただ、正直言うと、Letterもありっちゃありです。
ただ、文字数が少なく、論文のままに発表すると時間が余る可能性が高いので、参考論文を豊富に引用しながら、論文の重要性や結果を詳しく説明するなどして、ボリュームアップを図る工夫が必要です。
実際、私もLetter論文を紹介したことが何度もあります。
ただ内容を補填するだけの知見と経験が必要です!
論文の種類の確認方法
ここからは、実際に雑誌会の論文探しをするとして、どのように論文の種類を確かめるのか、その方法を解説します。
論文の種類は、ほとんどの場合、以下の4つのやり方のいずれかで確認することが出来ます。
- Google Scholarの検索結果一覧ページで表示される雑誌名から判断する
- タイトルクリックで論文のページにとんで雑誌名を確認する
- 論文PDFをダウンロードして(もしくは実際の論文内容が書かれたページにとんで)「Reivew」や「Regular paper」のような記述を見つけて判断する
- 掲載雑誌のwebページに飛んで確認
これに関しては実際の様子を見た方が分かりやすいと思うので図と共に説明します。
下の図はGoogle Scholorでキーワード検索した結果一覧ページの切り抜きで、3つの論文タイトルが示されています。
Goolge Scholoarは学術論文に特化した検索エンジンの1つです。扱う論文数の多さや使いやすさからユーザーが多いと思いますので、この記事ではGoogle Scholarを前提に説明しますね。
A、B、Cと赤枠で示しているのが各論文の掲載雑誌名なんですけど、上記1つ目のやり方は、この名称から種類を判別するやり方です。
この場合、Cの雑誌名に”Conference”とい文字が入っているので、Proceedingsだと判別できます。
“Conference”は”会議”という意味で、”●●Conference”というように学会の名前でよく使われます。
一方で、Google Scholarの場合、AやBの論文のように後半部分が「…」と省略されてしまい判別不能なことが多いので、その際に2つ目のやり方を試します。
実際に、Aのタイトルから論文のページにとぶと、下図のように”Applied Physics Letters”と書いていました。
なのでこの論文はLetterだと判別できます。
Review論文も2つ目のやり方で判別できることが多いです。
下図はその例です(A~Cとはまた別の論文です)が、結果一覧ページのタイトルをクリックして飛んだページでReviewと表示されていました。
ここまでしてまだわからない場合、3つ目のやり方を試します。
下図はさらにPDFで論文をダウンロードした実際のページの一部を示しています。
赤枠で示すように、大抵論文ページの端やタイトル付近に種類が書かれていることが多いです。
それでもわからない場合、もうそれはほぼOriginal article確定でいいと思います。
本当に確かめたいときに4つめのやり方を試しますが、正直ここまでしなくてもいいです(笑)
4つ目を試すくらいなら先輩に聞きましょう!そっちのほうが速いです(笑)
まとめ
最後にまとめましょう。
・論文の種類はOriginal paper、Letter、Reivew、Proceedingsの4種類
・雑誌会で最も避けるべき論文はReview、最もおススメなのはOriginal paper
・種類は①Google Scholarの検索結果一覧ページ、②タイトルクリックして飛んだ論文ページ、③論文内容が書かれた実際のページ、④学術雑誌のWebページ、のいずれかで確認できる
以上です!
この記事が、雑誌会の論文選びで悩む方に少しでも役に立てれば嬉しいです。
それではまた!
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